見出し画像

美濃焼の地で培われた釉薬の技術。見るほどに引き込まれる、深みあるSUGYの雑貨たち

ー 作り手

画像6

何層にも重なり合い、混じり合うブルーとグリーン。じっと見ていると、水の中で、海底に反射する光を見ているような不思議な感覚になってきます。

こちらは「海鼠釉(なまこゆう)」と呼ばれる釉薬を施された焼き物の時計。製作するのは、岐阜県多治見市にあるタイルメーカー、杉浦製陶株式会社さんです。社名の愛称である「SUGY(スギー)」をブランド名に、タイル以外にも様々な雑貨を作っていらっしゃいます。

P5153139のコピー

岐阜県の陶磁器は古くから美濃焼として知られており、ここから「織部」や「志野」といった有名な焼き物が生まれてきました。現在でも全国のシェアの約50%を占めているほど、陶磁器の生産が盛んな土地です。

杉浦製陶さんは、その土地で昭和25年からタイルの製造を開始しました。うつわとタイルと用途は違えど、どちらも同じ焼き物であり、始めにご紹介した時計も美濃焼の技術が生かされています。杉浦製陶さんでは、最後の色やツヤの決め手となる釉薬の研究も熱心にされています。

タイルの釉薬は、器ではなかなか見られないような華やかな色や艶感のあるものなどバリエーションが豊かです。そんなタイルの1番の魅力である釉薬の美しさを感じていただけるように、形は極力シンプルにしています。

また、窯の焼きムラによって同じカラーの製品でも1点1点色や雰囲気が微妙に違うことも特徴です。色・質感・雰囲気・サイズなど含めて全く同じものが1つも出来ない、手作りの焼きものならではのムラを楽しんでいただきたいです。

画像11


SUGYでは、代表作品である時計の他にも、焼き物の風合いを生かしたアクセサリーも人気です。

画像5

画像8

画像9

なんと耳の穴に触れるポストの部分もセラミックでできているため、金属アレルギーの心配なども無いそうです!

画像14

これは、セラミックのポストとパーツの部分を一体にしてから焼成することで可能になっており、金属や樹脂などほかの素材を使っていないため、水洗いもできるそうです。清潔さが大事なピアスには嬉しいポイントです。


BA2T0635のコピー

壁や床に貼るタイルそのものも、一枚で置けばちょっとした小物をあしらうのにぴったりです!

画像14

画像15

つなげて並べれば、すぐに家の中に特別なスペースができます。お気に入りのアクセサリーや一輪挿しを選びたくなってきますね。


画像7

SUGYさんではのペット用のご飯皿も作っています。陶器の適度な重みがあるので安定し、ワンちゃんや猫ちゃんがちょっとわんぱくをしても大丈夫です。

左衛門


ー ものがたり

SUGYがスタートしたきっかけは、ある器メーカーさんとの出会いだそうです。同じ地域に住んでいながらほとんど交流のなかった器メーカーさんと出会い、器メーカーとタイルメーカーの得意なことを掛け合わせて新しいことができるのでは、と試作が始まりました。

岐阜県多治見市のタイルメーカーである杉浦製陶株式会社が企画し、近くの器メーカーさんの協力の下、生産しています。
器メーカーさんの得意な立体成型の技術力と、タイルメーカーが得意な複雑で高級感のある釉薬を掛け合わせ、陶磁器産業が盛んなこの地域ならではの製品を作っていきたいと思っています。

画像15

画像16

スクリーンショット 2020-11-26 17.38.01

IMG_2103のコピー

国内のタイルメーカーのほとんどが製造工程を分業化しているところ、杉浦製陶さんでは全ての工程を社内工場で一貫して行っているそうです。そのため、決め手となる「色」、「形」、「性能」、「作業性」の全てを追及したタイルを研究、開発し製造することが可能です。

この社内一貫体制があったからこそ、SUGYの豊富なアイテム展開も可能になったのだと言えそうです。

ー 想い

「タイルをもっと気軽に。身近に。」

この想いが、杉浦製陶さんがSUGYを展開し続ける理由です。

建材用のタイルを主に企画製造販売していますが、タイルは施工を伴うため、一般の方にとって「難しい」とか「高い」というイメージがあります。

近頃は昭和の住宅のようにキッチンや浴室にタイルが使われることも少なく、若い人にとってはあまり身近な存在ではありません。そんな状況を変えたいという思いから、雑貨のブランドが誕生しました。

タイルよりも気軽に手に取ってもらえる雑貨という形で、焼きものの魅力を伝えたい。そして将来的にタイルを使ってくれる人を増やしたい!そんな思いからコンセプトを作りました。

BA2T0589のコピー

建物の一部と考えてしまいがちなタイルですが、その滑らかな手触りや美しい釉薬の焼き上がりを、形を変えて日常の中で楽しむ方法をSUGYさんは提案してくれています。長い焼き物の歴史の深みを、少しずつ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ー 作り手情報

SUGY(スギー)







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?