Tableauで過去のスキー場降雪量を可視化してみた。
⓪本記事の概要
先日tableau publicに下記ダッシュボードを公開しました。
本記事では、その作成背景やポイントなどを解説します。
①ダッシュボード作成の背景・目的
日本の雪は海外からも評価されており「日本の新雪=JAPAN+powder="JAPOW"」と呼ばれてるんです。
すごいぞ日本!
ただ、そんな日本でも場所によって降雪量には差があります。
「"JAPOW"を期待してスキー場に訪れてみたら"カチカチスケートリンク"だった」なんて事もよく聞く話です。
そこで今回は、
「エリアごとに、何月に、どれくらい降雪が見込めるのか」を1つの画面で確認できるダッシュボードを作成しました!
②データソース
気象庁の「過去の気象データ・ダウンロード」
アメダス観測地点別の過去の降雪量や気温を日別に抽出可能。
抽出エリア:湯沢・猪苗代・白馬・菅平・那須高原・野沢温泉
抽出期間:2018年12月-2023年3月(5シーズン*分)
使用指標:降雪量・平均気温(どちらも日別データ)
*シーズン:冬の始まり~終わりを1シーズンと呼ぶ。今回は12月~3月を1シーズンとした。
③意識的に組み込んだ内容と手法
-1ランクチャートの作成
エリア別の積雪量ランクを知りたかったので、ランクチャートでわかりやすく可視化することにしました!
▼方法▼
月別の平均降雪量をエリア別に表示します。(マークは線にしてます。)
行に入れた指標を右クリック>簡易表計算>ランクを選択
下記グラフになるので、右クリック>簡易表計算>次を使用して計算>Areaを選択。
下記グラフができます。だんだん完成に近づいてきました。
指標をCtrl押しながらドラッグ&ドロップ
下記グラフになるので、
マークの下グラフの「線」を「円」にする。
ここまで来たらあと少し!
行欄に入れている2つ目の指標を右クリック>二重軸にします。
下記のようになるので、右側の軸をクリック>軸の同期をチェックします。
行欄に記載している2つ目の指標を再度右クリック>ヘッダーの表示のチェックを外します。
ランクチャートなので、1位を上に表示するために、グラフの縦軸を右クリック>軸の編集>反転にチェックを入れます。
完成!!
-2単一グラフでの複数指標の表現
上記で作成したランクチャートで、エリアの降雪量ランクはわかったのですが、具体的にどれくらい降るのかが気になりました。
そこで一旦作成したのが下記です。
ハイライト等はダッシュボード化して設定する予定でしたが、
降雪量の情報だけだとエリアごとの違いが不明瞭ですし、ランクチャートとの差別化もできないと感じました。。。
そこで「気温」を色としてグラフに盛り込みました!
▼ポイント▼
今回使う指標は温度だったので、下記を意識しました。
・中央を0にし、0前後で「色相」に変化を持たせる
・色をグラデーションではなく、ステップドカラーに変更
-3URLアクション
tableauのダッシュボードでは、選択したディメンション名をURLに組み込むことができ、検索結果をtableauで表示することが可能です!
これを今回のダッシュボードに組み込んでみました!
▼方法▼
「Webページ」をドラッグ&ドロップ
下記のように出てくるが、これはそのまま「×」を押して消してOK
tableau上部のダッシュボード>アクションをクリック
アクションの追加>URLに移動の順にクリック
下記画像のように設定!
完成!
例えばmapの「湯沢」をクリックすると、ダッシュボード上で湯沢のスキー場を検索してくれるようになりました。
④作成したダッシュボードからの結果・気づき
▼結果▼
野沢温泉は降雪量ランクがシーズン通して1位という結果になり、1月2月は気温も平均0度以下という結果だった。
湯沢は1月2月は野沢温泉と同様の降雪量ではあったが、2月の平均気温は0度以上であることがわかった。JAPOWにありつくには1月中でないと厳しいことが示唆された。
菅平は12月-2月の降雪量は4位だったが、3月は2位であり、3月でも野沢に匹敵する降雪量だった。さらに平均気温を見てみると、菅平は12月から2月までは氷点下&3月も全エリア中1番低い気温だった。
▼気づき・感想▼
私は「野沢温泉」が一番好きなスキー場です。これは降雪が多く、軽いJAPOWを長い期間楽しめるイメージがあるからです。
今回の結果をみると、やはり降雪量は多く、1-2月まで平均気温は氷点下なので、軽いJAPOWを楽しめるというイメージはデータに裏付けされたと感じました。
「湯沢」も雪が多いイメージはあるが、少し雪が重いイメージを持っています。
今回、湯沢は降雪量の割に気温が高いという事が可視化できました。雪は気温が高いと水分を多く含むことになり重くなるため、今回の結果から私の湯沢の雪に対するイメージは合っていたのではと考えられます。
また、今回ダッシュボード作成して一番驚いたのは「菅平」でした。菅平といえば「気温が低いが降雪量は少ない」というイメージが強いエリアです。ただ、いくら気温低いとしても、降雪量の多い野沢温泉や湯沢よりも気温が低いとは思っていませんでした。
今回可視化したことで、12月‐3月までコンスタントに気温が低く、しかも実は降雪量は白馬エリアと同等という事がわかりました。
菅平にJAPOWを求めていく人は少ないのですが、実は良質なJAPOWがある「穴場」なのかもしれません!