Tableauのパラメータ機能使ってスーパーの売上推移を作成してみた。
⓪本記事の概要
先日tableau publicに下記ダッシュボードを公開しました。
本記事ではダッシュボード作成で意識した技術などを解説します。
①ダッシュボード作成の背景・目的
最近「パラメーター機能」を学びまして、指標・ディメンション・グラフなど様々なものを切り替えて表示できることを知りました。
早速その機能をデータを用いて実装してみたく、いくつかのオープンデータを探したところ、
過去に私自身が従事していた食品小売のデータを可視化するのが楽しそうだと思ってダッシュボード作成をすることにしました。
②データソース
一般社団法人日本スーパーマーケット協会「スーパーマーケット統計調査」(単月ごとにpdf化されたデータをエクセルに転記して作成。)
③意識的に組み込んだ内容と手法
-1パラメーターアクション(ディメンションのフィルター)
下記図1のように、上にカテゴリ別の売上の積上棒グラフ、
下に全カテゴリ合計の売上昨年対比の推移を作成した。
ここから、上のグラフの色をクリックしたときに、下のグラフにもう1本「選択されたカテゴリの昨年対比」が出るようにしたく、パラメーターを用いることにした。
積上棒グラフの「色」で使用していた「カテゴリ」を用いて、図2のようにパラメーターを作成。
図3のように、「カテゴリ」と「カテゴリパラメーター」が同じであれば売上が入る「カテゴリ売上」を作成。
カテゴリ売上を行に入れたあと、簡易表計算>前年比成長率を選択する。
折れ線グラフに色を付けるために、「カテゴリ」を色にドラッグアンドドロップ。
わかりやすいように「カテゴリパラメーター」を表示しておく。
図5ではカテゴリパラメーター=青果なので、青果の折れ線グラフが表示されている
カテゴリ売上をクリックし、「二重軸を選択」
折れ線グラフの縦軸をクリックし、軸の同期を選択→ヘッダーの表示のチェックを外す
ここまでで、図8のようにカテゴリパラメータをいじると、対応したカテゴリの折れ線グラフが表示されるようになった。
次に棒グラフの「カテゴリ」をクリックすると、「カテゴリパラメーター」が連動して変更されるようにします。
ワークシート>アクション>アクションの追加>パラメーターの変更
図10のように、ソースフィールドを「カテゴリ」、ターゲットパラメーターを「カテゴリパラメーター」とすることで、カテゴリをクリックしたらターゲットパラメータが連動するようになります。
完成。図11は、「ピンク=日配」をクリックしたので、「カテゴリパラメーター」も日配に変更になり、折れ線グラフに日配の線が追加されました!
-2パラメーターアクション(ダッシュボード上でのグラフ切替)
上記のように「カテゴリ別売上」のシートを作成したのち、
図12のように「地域別売上」も作成しました。
ただ、図11と図12のグラフを1つのダッシュボードに掲載しようとすると、
図13のように、ごちゃごちゃしたダッシュボードになってしまうので、
「カテゴリ別売上シート」と「地域別売上シート」をボタン1つで切替できるようにする事にした。
シートにもどり、「グラフ切替」というパラメーターを1つ作成。図14のようにリストを手入力する。
次に「計算フィールドの作成」で、図15のように「グラフ切替」が反映されるディメンション「カテゴリ⇔地域」を1つ作成。
「カテゴリ⇔地域」をフィルターにいれる。1が表示されているのでチェックをいれる。
図17のようになる。
図17のように、グラフ切替パラメータを表示していた場合、ここを「地域別売上」に変更すると、パラメータは1→2になるので
「カテゴリ⇔地域:1」のフィルター条件から外れて、図18のようになる。
このパラメータ=2の状態で「地域別売上シート」に移動し、
図19のように「カテゴリ⇔地域:2」のフィルターを設定する
次にダッシュボードに2つのシートを入れる。
この時、垂直コンテナor水平コンテナの中に2つのシートを入れるようにする。図20は垂直コンテナに入れている。こうすることで、グラフ切替パラメータの影響で表示されないシートの面積は最小になり、表示される方が大きく表示されるようになる。
あとはダッシュボード上で体裁を整えて完成!
④作成したダッシュボードからの結果・感想
▼結果▼
売上合計の昨年対比(折れ線黒色)を見ると、今年は10月まで昨対100%越えなことがわかった。
今回カテゴリ別・地域別でさらにグラフを作成したのだが、実はその背景として
仮説①:地域はどの地域を選択しても全体の昨対と同じようなグラフになるだろう
仮説②:カテゴリはそれぞれ違う形の折れ線グラフを作るのではないか
という仮説を立てたからでした。
作成したグラフを確認すると、仮説①・②ともに合っていることが示された。
とくに仮説②のカテゴリは、青果は4月まで昨対割れしてたが売上回復を見せ(図22)、畜産はだんだんと売上昨対を落としている(図23)、日配はずっと売上昨対好調(図24)といった感じでした。
*今回売上しかわからず、単価や販売数がわからないのでこれ以上は掘り下げられませんでしたが、畜産とかは昨年9月くらいから値上がって、その価格がずっと維持されているのかな?日配は牛乳の値上が影響してそうだな?とか考えたりしました~。
▼感想▼
いままではパラメータでの出しわけを知らなかったので、ダッシュボードは基本並べるだけになっていました。ただ、今回パラメータを使用することで、今までできなかった表示切替ができるようになり、表現の幅が広がりました!作成してておもしろかったです!