「ファラオの食卓」吉村作治 読書1行引用と 100文字アウトプット
夜明け前、東の空がうっすらと白みを帯びてくると、マルタカ宮殿は、召使いたちの動き回る音でにわかに活気付いてくる。
マルタカ宮殿は、エジプトの第18王朝の王、アメンへテプ3世がナイル川のほとりの街、ルクソールに築いた宮殿である。
この王は女好きで知られ、後宮には100人を超える美女を抱えていたという。
当時の王は、大勢の召使いを抱え、その食卓には、子羊の足のローストや、鳩の丸焼きを、生レタス、蜜入りの甘いパンが並び、若い女の召使いが壺から器に注いだワインなど、贅沢なものだった。
息子のアメンへテプ4世は、多神教だったエジプトを、たった一つの神(アトン)以外の信仰を禁ずる改革を行ない、都をテル=エル=アマルナに遷都している。
なぜ息子は大改革を行なったのか?
それは、神官たちの政治への影響を排除することが目的と言われているが、この改革は一代限りのもので、王の死後終わりを告げた。
この改革の功績として、古くからの伝統に支配されない、写実的なアマルナ美術を生んだと言われる。
改革を行うのは、王の独裁権を保つためだったのだろうが、例え王といえども、民衆の生活と密接に繋がっていた太陽神ラーを中心とするエジプトの神々を祈ることを禁じた宗教改革の断行には、大いなる反対を押し切る強さも必要であったろう。
女道楽に耽った父を、若きアメンへテプ4世は、どう見ていたのか。父から何を学び、彼自身はどんな王を志そうと思ったか?
古代エジプトの夜明けの太陽が上がる中で、日々どんなことを考えていたのか?若き王の胸中を考えた。
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