知っておきたいテレビ的な撮影の基礎②マネする必要はないけど。
前回、
テレビの映像って”より”が大好きな理由を書き連ねましたが
今回は、
テレビは同じ映像が続くのを異常に嫌うよね
って話です。
これ、マジで、
多くの人が自分で撮影して動画をアップしまくるようになって
常識が塗り替えられてきているんですけど、
一応、元々の人の生理と関係しそうなので
参考程度に書きます
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ずっと書いてますが、簡単な自己紹介・・・
(読まれた方は吹っ飛ばしてください)
私は、フリーランスなのに、日テレの番組の総合演出をしています。
普通、総合演出は局員か、大きな制作会社の上のディレクターがやるので
相当、珍しいパターン。
それなりにいろんな経験をしてきたので、そこが評価されているのかなぁと。
そんな経験を活かした、映像制作に必要なノウハウをまとめたnote。
番組の若手のために書くけど、それだけだともったいないから
公開します。
テレビ番組の作り方って、マジでマニュアルになってなくて
基本、全てが口伝です。本にもなっていません。
※それだけにいろんな手法があって、バラエティに富む番組があるのだと思いますが。
なので、業界の若いディレクターにとっても、貴重な気はしております
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ドンドン・パンパンは、ダメ!!!!!
私が編集をかじり始めた20年前くらい、
先輩に指摘され、なんだその考え!?と思ったことがある。
それが
”ドンドン”はダメ。
”パンパン”は見ていて気持ち悪いからやめて。
である。
”ドンドン”ってに何か?
一応chatGPTさんに聞いてみると
「放送局の経営状態が悪化すること」と
返事してもらえたけど、
もちろんそんな超大げさなことではなく。
すごく簡単にいうと
どんどん=「被写体が同じで、画角やサイズも同じ映像が続くこと」
ぱんぱん=「左右や上下にカメラをふるPANという動きが連続すること」
20年前の私でも、超言ってる意味がわからなかった
この常識は、今も残っている。
例えば!
インタビューとかで
言葉の間尺を編集でつまみたい時、
基本テレビは、いわゆるジャンプカットと呼ばれるような
同じカメラの同じサイズの映像を使わない。
それは、同じサイズが続く「ドンドン」になるから。
YouTubeやショート動画とかで当たり前の
ジャンプカットがダメなんです。
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参考サイト
※いまは街頭インタビューとかカメラ台数が少ない時、
割り切って使っていることもありますが
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だから、スタジオ収録の番組などを見ていたら
間尺をつまんでいる時、ほぼ100%、違うカメラの映像に切り替えている
これって何気に超手間がかかることで。
①カメラを複数台回さなければいけない
②他のカメラの映像が必ずしも編集を入れたい時に、いい映像を撮っているとは限らないので、複数のカメラから選ばないといけない
(しゃべっていないが映りこんでいる出演者の表情が悪い とか)
③間尺をつまもうと思ったら5~10秒に1回は、カメラを割らないといけない。
他にも、いろんな演出的考えは存在するのですが・・・
つまりは、鬼くそ時間がかかるんです。
そんな思いをしてまで、テレビはこのルールを守り続けている
(個人的なイメージですが)効率>クオリティな、
YouTubeとかからすると考えられないほどムダな作業。
では
なんで、ドンドンがダメなのか?
シンプルに「不自然で」「時間が飛んで見える」から。
一休さん的な話にきこえますが
「編集って、編集されていないように見える編集がいい編集」なので
※すべてが自然に違和感なく見られるのがいい
ドンドンがあると、
「あ、編集してるやん」ってわかって
違和感があるってことなんです。
それは自然に見せるという目的から大きくずれるからダメ。
でも、
これだけジャンプカット(ドンドン)続きのYouTubeやショート動画を
見て育ってる人が多いと、そもそも「何が自然か?」が変わってくるので
この常識は塗り替えられると思います。
続いて、パンパン=PANPAN
PAN(カメラをふる動き)のあとにPANが来るとか、
zoomの後にzoomがくるとか、
同じ動きをするものもダメなんです。
これもおそらく
「編集していない」=同じカメラで撮っている
と考えると
「編集してる」ってバレるからダメ。
あと、
めっちゃ生理的に気持ち悪いことが多いからダメ。
だから、テレビでは、ほとんどそういう映像手法は使われていないんです。
で、なにが言いたいとかいうと
すごく小さなことではあるけど、
いま、映像の歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っているので
その動きを見ておくのはいいんじゃないか?
ということと
例えば、このドンドン、パンパンの概念が薄れていく中で
あえて、「ドンドン」「パンパン」を活かした演出を考えると
今と違うアプローチができるかも・・・
という淡い期待が生まれるよね
って話でした。
以上、
テレビは同じ映像が続くのを、異常に嫌う。
でした