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見たことのない空 ハロと光環

地球が私たちに届けてくれる特別なプレゼント

青空の中で、太陽の周りに丸い光の輪が見えることがあります。この写真には、外側に大きな光の輪(ハロ)と、内側に七色に輝く小さな輪(光環)が映っています。

どちらも空で起きる不思議な現象ですが、それぞれ少し違う仕組みで生まれます。ここでは、それぞれの現象がどのように起こるのかを詳しく解説します。

まず、外側の大きな光の輪「ハロ」について説明します。ハロは、空のとても高いところにある薄い雲(巻層雲や巻雲)によって起こります。

この薄い雲の中には、氷の小さな粒(氷晶)がたくさん浮かんでいます。この氷晶は、六角柱(ろっかくちゅう)という鉛筆のような形をしていることが多いです。

太陽の光がこの氷晶の中を通り抜けるとき、光が曲がったり反射されたりします。

その結果、光が特定の角度に集まり、太陽の周りに大きな光の輪ができるのです。一般的には、太陽から約22度の位置にリングが現れることが多く、これを「22度ハロ」と呼びます。

また、稀に太陽からさらに外側に「46度ハロ」という大きな光の輪が現れることもありますが、これはとても珍しい現象です。

ハロの色には特徴があります。

リングの内側は赤みを帯びて見え、外側は青白い色になります。これは、太陽の光が氷晶の中で屈折(光が曲がること)するとき、光の色によって曲がり方が違うからです。

赤い光は波長が長いためあまり曲がらず、青い光は波長が短いため大きく曲がるのです。この光の「色分け」が、ハロを美しいグラデーションにしています。

次に、内側の小さな七色の輪「光環」についてです。光環は「コロナ現象」とも呼ばれ、ハロとは全く異なる仕組みで生まれます。

光環は、太陽の近くにあるとても小さな水滴や氷の粒が原因で現れます。これらの粒子に太陽の光が当たると、光が粒を回り込むように広がります。

このとき光が干渉(お互いにぶつかり合って強め合ったり弱め合ったりすること)し、七色の輪が現れるのです。光環は、虹のように見えますが、虹よりもずっと太陽の近くに出てきます。そのため、虹と間違えないように気をつけましょう。

光環の色は、七色が鮮やかに輝いていますが、特に赤や青が目立ちます。水滴や氷晶の大きさや形によって、色の見え方が変わることもあります。光環は、太陽だけでなく、月の周りに現れることもあります。

月の場合は、太陽ほど明るくないため、淡い色合いになることが多いです。

ハロと光環が同時に見えるとき、空の状態は特別です。この現象が見えるときには、空には高い雲が広がり、空気中の湿度が高くなっていることが多いです。

また、これらの現象は、天気が変化する前兆であることもあります。たとえば、ハロや光環が見えた後に、天気が崩れることがあります。

このようなハロや光環は、自然が作る美しい光のショーです。その仕組みを知ることで、空を見上げる楽しさが増すかもしれません。

次にこれらの現象を見つけたときには、ただ美しいと感じるだけでなく、「どんな仕組みでできているのだろう?」と考えてみてください。そして、友だちや家族に教えてあげると、きっとみんなで楽しめるでしょう。

これらの現象は、地球が私たちに届けてくれる特別なプレゼントなのです。


光環とハロの奇跡の共演

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