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見たことのない空 天使のはしごと、黄金に輝く雪

天使のはしごと、黄金に輝く雪

冬の冷たい風が頬をかすめる日、ふと空を見上げると、厚い雲の間から光がこぼれ落ちていました。

天使のはしご

まるで天がそっと地上へ手を伸ばすように、やわらかく、でも力強く。

その光の筋を、人は「天使のはしご」と呼びます。

天使たちがこの光を伝って舞い降りる、そんな物語が生まれそうな光景です。

この光の筋がはっきりと見えるのは、空気中に浮かぶ小さな氷の粒や雪の結晶が光を散乱させているから。

チンダル現象と呼ばれるこの現象は、光そのものには形がないことを改めて気づかせてくれます。

でも、何かがそこにあることで、光はその姿を私たちに見せてくれる。まるで、人の想いや感情が誰かに触れたとき、はじめて形を持つように。

そして、その光の中でひらひらと舞う雪が、ふいに黄金色に染まりました。

黄金に輝く雪

雪は、本来は白いはず。でも、このとき降っていた雪は、確かに金色に輝いていたのです。

太陽はまだ高く昇りきっていないけれど、雲の隙間を抜けるうちに、光は少しずつ温かみを帯び、黄昏のような色になっていました。

その柔らかな金色の光が、降る雪を照らし、ひとつひとつの結晶がまるで小さな宝石のように輝きました。

その瞬間、世界は息をのむほど美しかった。

寒さでかじかむ手のひらも、凍える足先も、この光景の前ではどうでもよくなる。ただただ、目の前に広がる奇跡を見つめていたくなる。

風に舞う金色の雪、それを優しく包み込む天使のはしご。

ほんの数分のことだったけれど、時間が止まったように感じました。

やがて、雲が静かにその隙間を閉じ、光の筋は消えていきました。

すると、あれほど輝いていた雪も、いつもの白い雪へと戻っていきます。

まるで夢のようなひとときが、ふっと溶けてしまったかのように。

でも、確かにそこにあった光景は、心の奥に深く刻まれました。

この世界には、こうした奇跡がたくさん散らばっています。

だけど、それに気づくことができるかどうかは、私たちの心次第なのかもしれません。

何気なく見上げた空、ふと耳を澄ました風の音、その一瞬のなかに、美しさはそっと隠れている。

こんな奇跡のような瞬間に出逢えたことに、心から感謝します。

あの日、空を見上げた自分にも。そして、この物語を読んでくださったあなたにも。
今日もまた、どこかで天使のはしごが降りているかもしれませんね。


どうか、あなたの心にも、美しい光がそっと届きますように。

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