一力先生が休暇を1か月もらったら?
『もし1か月休みがあったらどうしますか?』という質問への答えには性格がよく表れる。
藤井聡太竜王は『棋力が落ちたら困るので変わらず将棋をするかな』と返答したそうだ。
一力遼棋聖に同じ質問をしてみたらどうなるだろうか。
2022年、一力は68局対局で47勝21敗だった。週に1局以上のハイペースである。
そんな一力も9月の1カ月間、手合いがなかった。
一力が出した答えは『実家に帰省する』というもの。
父方の実家に赴き、仙台を中心に観光。
母方の祖父母と会ったときは母の案内で鎌倉を楽しんだ。
久しぶりにまとまった休暇をとった一力は心身ともにリフレッシュした。
気分一新した一力はさらに研究へ打ち込む。
年明けに行われた棋聖戦七番勝負では芝野虎丸名人を破って防衛を果たす。
その後はテイケイ杯俊英戦三番勝負で芝野虎丸名人相手に勝利するなど、13連勝を含む24勝4敗(5月16日現在)という抜群の成績を上げた。
1か月の休暇をきっかけに絶好調となった一力が本因坊戦七番勝負でどのような碁を魅せるか注目である。