「第46期棋聖戦第7局のちょっとした感想」
こんにちは。IGOcompany-Uです。
今日は先週末に打たれた棋聖戦第7局の、ちょっとした感想を書こうと思います。もちろん難しいし、僕が解説しきれない部分も多々あるので、あくまで感想です。簡単ですが、書いてみます。
ついに井山先生の10連覇を阻み、一力新棋聖が誕生しました。
一力先生は、先日、NHK杯も獲得し順風満帆な印象かもしれませんが、井山先生相手にタイトル戦で何連敗もしているという経験もあり、やっと獲得したという思いも強いのかもしれません。
僕も東北出身なので、応援したい気持ちもありましたね。
棋聖獲得おめでとうございます!
ちなみに、
「棋聖」は読売新聞がスポンサーで、囲碁界の序列1位のタイトルです。
「読むべき囲碁の本 昭和囲碁風雲録」で、ちょっとだけ棋聖戦が出来た歴史にも触れています。
あっ、その前に、棋譜の感想をnoteに書くのって、どうなのかなと検索してみたら、
将棋ですけど、こんな記事もありまして「将棋の「棋譜」なぜ配信禁止?強豪ソフト開発の弁護士が解説…無料棋譜、評価値放送は?」、
まあ、個人がnoteに書くくらいは許されるんでしょうね。
というワケで、
「第46期棋聖戦第7局のちょっとした感想」
黒7のカケは、AIが出始めた頃はカケられると「白が悪い」と言われていました。だから、コスミやケイマなどで受けるのが多かったです。
ほとんどそればっかり打たれたような印象です。あとはコスミツケとか。
今はまた考え方も変わりまして「カケられても一局」になっています。
とは言っても、小目にケイマでカカリを打たれたら、コスミで受けるっていうのは分かりやすくてオススメです。
同じく右下隅の白6のカカリに対して、黒11とハサミを打っていく進行も、ちょっと昔に戻ったかなという感じもします。
なんとなく懐かしいワカレです。
ただしハサミを打つと、変化は難しくなりますよ。
注目したいのは白22。
同じような局面で打つなら、一路下のカタツキかなと思っていましたが、この手は井山先生の工夫の一手だと思います。
仮に、
黒2と素直に受けたりすれば、白3カケどから二間ビラキを圧迫して白十分なんだと思います。
下辺の黒模様が制限され、なんとなく左辺の白が広がっています。
黒23がなるほど!と感心した石の進行で、こう打てたらカッコイイなと思ってしまいました。白に地を与えるので自信がなければ打てませんね。
黒23を打ってからの黒25のツケで下辺の攻防が始まります。
ここから、一力先生の「攻めるんだ」という意志を明確に感じました。
黒33で白の石にプレッシャーをかけ、黒39・41のオシを打ってからの黒43のコスミ、白43に対する黒47のボウシなど、一貫性を持って攻め続けています。
井山先生はサバいて打っていくのも上手いので、黒47のボウシでいったん別のところに打つのかなとも思いましたが、一力先生は堂々とボウシしました。
個人的には、黒33の手で、左下隅の石(黒19)から下辺にケイマで滑って連絡気味に打ちそうです(笑。まあ、気合が悪いんでしょうね。
自分の教室で生徒さんに伝えるのなら、何気ない手かもしれませんが、黒53のツケを解説すると思います。
今は下辺からの戦いをしているところなので、何か中央に打ちそうな局面です。
そんな時に、広く盤面を使った黒53のツケ。
モタレ攻めの発想は、局面を広く見ないといけないので、アマチュアには打てそうでなかなか打てない一手です。
「攻めたい石の反対にツケよ(モタレよ)」っていうのは難しいんですよね。僕自身も含めて、戦いに集中していると、そこの局面の変化ばっかり考えてしまいます。
二日目以降の戦いは、難しすぎるので(まだしっかり研究していないので1時間くらいじゃとても書けない)割愛して、簡単ですが棋聖戦のちょっとした感想を書いてみました。
昨日は定石の解説を書きましたし、
拙い文章ですが、これからもちょくちょく棋譜の感想なんかを書いていきたいと思います。ちょっとでも参考になれば嬉しいです。
一力新棋聖、おめでとうございます!!