【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第24回「第79期本因坊戦五番勝負第3局を眺めてみよう!!」
こんにちは。
IGOcompany【U】@毎日note継続中(289日目)です。
公益財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、文章を書いて生活したり、「囲碁」の普及活動をしたりしています。
本日のnoteは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第24回「第79期本因坊戦五番勝負第3局を眺めてみよう!!」
です。
二日制七番勝負から、一日制五番勝負へ変更になった本因坊戦。
一力先生の3連勝で幕を閉じました。
何か、ホント、あっという間でしたね。
余正麒先生の打ち方も素晴らしく、しっかりと戦えていたと思いますが(今回解説するこの棋譜も、形勢が二転三転する激しい碁です)、今いちばん打てている一力先生の「地力」と言いますか、凄さが出たシリーズでした。
第1局の感想もnoteに書いているので、良かったら読んでみて下さい。
※必ず前回の棋譜解説を載せていますので、良かったら遡って頂いて。
僕の書いている有料noteの「全て」のマガジンや、
全100回を目指す棋譜解説シリーズのマガジンに、
記事は随時追加していっています(もし良かったら、ご購入をご検討下さい)。
囲碁の棋力向上のためには、兎に角、たくさん勉強すると言いますか、様々な棋譜解説に触れ「棋理」を理解していくことが大事だと思いますので、拙い文章かもしれませんが(前半の無料部分だけでも)眺めてみて下さい。
ホント、色んな解説を気軽に読んでみるのがオススメです。
スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、宜しくお願い致します!!
今回の参考教材。
あっ、
始める前に(すみませんが)、
ちょっと宣伝で、
明日、6月1日(土)は「土曜日の交流対局場」と並行して、
「田尻悠人五段の指導碁会」がございます!
良かったら、遊びに来てみて下さい。
それから、
翌日の6月2日(日)には、
「囲碁と将棋で遊ぼう」というイベントもございます(初の試みです!)。
こちらも是非ぜひです!!
さて、
それでは、
棋譜解説noteを始めていきましょう!!
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第24回「第79期本因坊戦五番勝負第3局を眺めてみよう!!」
【解説に使った棋譜 黒1手目~黒71手目まで】
本因坊戦第3局 黒 余正麒八段 白 一力遼本因坊
【実戦の進行 黒1手目~白18手目まで】
配石は少し違いますが、1局目と同じようにお互いに三々に入った進行。
右上隅は、白18までで切り上げ、黒が先手を取る事も多いです(続けて打たない)
【参考図① ダイレクト三々の変化】
Aのハネを選択すると、このような変化が考えられます。
結構手数の長い変化なので、Bのノビの方が簡明かもしれません。
一局目の解説の時にも紹介しましたが、
こちらのnoteに「三々定石」をまとめているので、良かったら読んでみて下さい。
【実戦の進行 黒21手目まで 黒はノビを選択】
実戦の進行は、黒19・21とノビを選択しました。
中央を厚くする手厚い変化です。
余正麒先生は、このノビを第1局でも選びましたし、この変化が好きなのかもしれませんね。
AIで検討すると、隅へのハネよりも、このノビの方が(ほんのちょっとだけ)評価値が高かったです。
ちなみに、
この後は白番ですが、
皆さんだったら、どこに打ってみたいと思いますか??
今と昔って感覚が違うよなぁと、ふと思ってしまいました。
※ちょっと行間をあけるので、考えてみて下さい。
ちなみに、僕が打つなら白22と下辺に打ちそうです。
今も昔も素直に打つなら、ここのような気がします。
AIで調べると、もちろん白22は好点なのですが、
今の時代は、白22のカケがやっぱり「好点」なんですね。
右上隅の黒の厚みを牽制し、左辺を拡げています。
【参考図② 黒2のコスミが急所】
仮に白が白1と下辺に打てば、やはり黒2のコスミが急所です。
最初この手を見た時は、生きている石に何でもう一手入れるんだろうと不思議に思いましたが、
黒2とコスミを打つことで、Aなどに打ち白△の石を攻める狙いが生じます。なので、石の強弱を意識した「急場」として、黒2の位置に打つことが多いのです。
ちなみに、このダイレクト三々の後の攻防は、先程も紹介した第1局でもポイントになっています(ちょっと難しい話ですが…)。
【実戦の進行 黒23のツケ】
左辺の白が中国流のような構えになっていますが、一時期はこのツケが流行して中国流があまり打たれなくなったこともありました。
どういうことかと言うと、
【参考図③ 黒二段バネでサバキ形(と言われていました)】
相手のハネに対して、黒は二段にハネていれば部分的に悪くならないという風に(一時期は)捉えられていたんですね。
こういう形になれば、黒は隅で根拠をもって満足。
実戦と同じように、
白2のハネに対しても、黒3と二段にハネていれば黒はなんとかなるだろうって感じでした。
仮に、二段バネから、このように進めば、白△の石が働きのない位置にいるという理屈です。
皆さんもこうなれば良いワケですので、実戦で試してみて下さい。
しかし、黒1のツケに対して、白が反発する打ち方が研究されたのです。
【参考図④ 白からアテアテの反発】
二段バネに対して、白からの反発は次の図のようになります。
このように白からアテアテで決める打ち方は、筋の悪い進行とされていたんですが、黒1のツケから黒が上手くいかないように抵抗するには、これしかありませんでした。この打ち方が発見され、黒もすんなりとはサバキ形を得れなくなったのです。
※と言っても、難しくなるので、よっぽどの高段者じゃなければ参考図③で示した形で打って問題ないと思います。
【実戦の進行 黒37手目まで】
プロの対局ですので、参考図④の抵抗は当たり前。
実戦は、黒37手目までとなり、左辺が白模様っぽく、下辺が黒模様っぽく進みました。
【実戦の進行 白46手目まで】
白38のサガリから左上隅の形を決めて、
白は、白42のノゾキ、白46までと下辺の黒地を減らしに向かいました。
ちなみに、何気ないトコロですが、ここでちょっと問題です。
白46と打たれ、黒番です。
黒47はどこに打ってみたいでしょうか??
※有段者にとっては当たり前の手でも、意外と級位者の方は間違った手を打ってしまう印象の局面。
今回は、
これ以降を有料部分に設定したいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!良かったら、また読みに来てみて下さい。
【参考図⑤ 黒はこの一手】
サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。