【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第15回「両ガカリの定石と、ツケ二段定石の簡明形」
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。
もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
本日のnoteは、
今日の午前中、
新百合囲碁学園のSunday碁で僕が講義をした内容をまとめてみました。
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第15回「両ガカリの定石と、ツケ二段定石の簡明形」
です。
右上隅で出た「両ガカリの定石」と、
左下隅の「ツケ二段の定石」について詳しく解説しようと思います。
ちなみに、前回の棋譜解説はこちら。
※必ず前回のnoteを載せていますので、もし興味があれば遡ってみて下さい。
いつも書いてるんですが、
囲碁の棋力向上の為には、沢山の囲碁の知識に触れることが必要です。囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないんですね。
応用の連続と言いますか、難しい言葉で表現すると「棋理(囲碁の理屈)」の理解が重要です。
色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、たくさんの棋譜解説を読んで、囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。
身も蓋もない言い方をすれば、兎に角、数をこなさないことには強くならないんですよね(笑。
なので、拙いnoteですが、コツコツせっせと色んなことを書きますので、良かったら眺めてみて頂けると嬉しいです。
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それでは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第15回「両ガカリの定石と、ツケ二段定石の簡明形」
始めていきます。
参考教材は、こちら。
良かったら棋譜を並べながら解説を読んでみて下さい。
【解説した部分までの総譜】
指導碁の棋譜で、
僕が白番、
相手は有段者の方で逆コミが10目ある対局です。
【黒1手目~白10手目まで】
白10の両ガカリからが最初のテーマ図。
両ガカリは難しいと思っている方も多いと思いますので、参考にしてみて下さい。
【参考図①】
白1のように両方が低い場合の両ガカリの時は、
黒2とコスミで頭を出す手をを教室ではまず教えます。
黒2だけを知っていればいいので、分かりやすい形ですね。
この後に、黒の2子を「軽く」扱うっていうポイントもあります。
【参考図②】
この碁の場合は、片方が高い両ガカリなので、黒1と「低い方にツケる」が分かりやすい変化だと思います。
なので、講義の時には、色々な変化があるんですが、まずは「低い方にツケる」を覚えておくのが良いでしょうと伝えました。
【参考図③】
もちろん、白の図のように高い方にツケる変化もあるのですが、この図は定石が長く、複雑になるのでオススメはしません。
【参考図④】
白4の三々入りに対して、黒5で切りを打てば、(いちおう)簡明形と言われています。
【参考図⑤】
低い方にツケた後の変化で覚えておいて欲しいのは、白4のノビに対してAとオサエることは出来ないという事です。
講義の時に、生徒さんに訊いたんですが、Aとオサエを打ちたいと思っている人も多かったですね。
白△が高い場合、黒5では「タケフ」にするのが定石です(参考図⑦にその変化を載せています)。
【参考図⑥】
白△が三線の場合は、白6に対して、黒7と緩めることが出来るのですが、実戦のように白△が四線の位置にあると出てこられると黒が苦しいのです。
【参考図⑦】
なので、片方が高い両ガカリの時には、黒5とタケフに打つ必要があるのです。黒7は右辺にヒラキなどの選択肢がありますが、この形が手厚い定石の変化になります。
(おそらく)この全100回を目指す棋譜解説では、初めての両ガカリの定石。
片方が高い両ガカリには「タケフ」にすると満足と覚えておきましょう。
【実戦 黒21手目まで】
さて、黒21から始まる「ツケ二段の定石」が次のテーマ図になります。
最近よく見かけるこの形ですが、皆さん、どう打つか決めていますか?
なんとなくで打っていませんでしょうか??
折角だから、この無料部分で、「ツケ二段の定石」のある程度の基礎を覚えてしまって下さい。
ちなみに、
「ツケ二段定石」については、
これまでもnoteにまとめていますので、良かったら見てみて下さい。
実は今「ツケ二段定石」について、本を書いているトコロなのですが、
全部を伝えようとすると難しいので、これから話す「2つの簡明形」だけでも覚えておいてもらうと、碁の幅も広がると思います。
【参考図⑧】
ツケ二段定石をどうしても覚えられないっていう人は、まず白4カタツギをで打てば良いと思います。
白4に対して黒5でオシマイです。
白は先手を取ることが出来るのが利点です。
後手にはなりますが、白4とツギを打った後に、白が心配な場合は白6のヒラキを打っても良いでしょう(部分的にAが急所になることもありますが、まずが石がしっかりすれば十分と思っていて下さい)。
級位者の方は、この変化でも、しっかり打てると思います。
【参考図⑨】
まだ手順を覚える余裕があるよって人は、
下に紹介するのが「ツケ二段定石の基本形」です。
これがいちばんよく打たれる変化じゃないでしょうか。
ここからAかBを選択し、この後説明する「2つの簡明形」だけ覚えてもらえば、よっぽどの有段者じゃない限りは問題なんじゃないかと思います。
「2つの簡明形」は、Aのサガリか、Bのオシとなります。
Aのノビだとこの形になります。
Bのオシからは「ケイマ」も簡明形。
もう一度言いますが(この後違う形も解説しますが)、ツケ二段定石については、まずは上記の2つを使えるようになれば十分でしょう。
【参考図⑩】
よく「どっちがいいんですか?」と訊かれるんですが、
「どっちもありますよ」って言うのが(おそらく)答えなんです。
局面の状況によっては、どちらかの方が良い場合もありますが。。。
隅を取りたければAのノビを、中央を大切にしたければBのオシからケイマを選択しましょう。
いちおうの基準ですが、下の図のように黒9と打たれるのが嫌だなと思う人は、Bのオシからケイマが良いと言われていますね。
棋風や好みもありますし、どちらが絶対に良いとは言えないんですね。
【参考図⑪】
さて、下の図のように、
B(白8)のオシからケイマがオススメですよと書きましたが、
実戦は、僕は白10とケイマではなくオシで打っているワケです。これはこの変化を知っていますか?と相手の人に試す意味があったりします。
ここでお伝えしたいのは、白10とケイマで打てば後は覚えることがほとんどありませんが、白10でオシを選択すると、更に知識が必要になるという事です(なのでケイマの方が簡明)。
この後に、
更なる知識をお伝えしますが、
難しいなと思う人は流してしまっても大丈夫です。
仮に、白10のオシに黒11とノビで打ってくれれば、これは(ちょっとだけ)白が利かした(良い)と言われています。
とはいえ、ノビで打てば簡明なので、黒はこれでもさほど問題ありません。
もし、白10のオシに黒11とハネて下の図のように黒13となれば、今度はこれは黒が良いと言われている形。
上の図よりも、ハネた分、黒地が多いですよね。
という事で、黒11のハネには白は切りで対応しないといけないんですが、ここから難しい変化になります(という事で、オシではなく簡明形と紹介したケイマがオススメなんですね)。
【実戦 黒41手目まで】
実戦の進行と共に見ていきましょう(難しいので眺めるだけでも良いと思います)。
黒31のアテに白32と逃げます。「二子にして捨てよ」という格言もありまして、この逃げた後に白はこの石を捨てる変化もあったりします。
実戦は、普通に白34とマガリで逃げています。白34と逃げる前に白はCとアテを打っておくのですが、何の違いがあるんだろうとちょっと疑問に思って単に白34と逃げてみました。
この変化に挑戦したい方で覚えておいて欲しいのは、白40の手に対して黒41でAにノビを打ってはいけないという事です。
もし、黒がAにノビを打ってしまうと白にBと打たれて「攻め合いは黒負けです」。隅の黒が全部取られてしまいます。
なので、白40に対して、黒は41と隅を切らなければなりません。
ここまでは大丈夫ですか??
このような長い手順の変化を覚えたくないなって人は、上で紹介したツケ二段定石、「2つの簡明形」をまずは打って欲しいなと思います。
【実戦 白56手目までの局面】
ちなみに、白56は指導碁ならではの手と言いますか、
ちょっと気軽に打ってみた手なのですが、白の(僕の)緩着です。
これに対してが正確に打っていれば形勢は黒に傾いていたかもしれません。
(でも実際には、白はこの緩着を打ったからこそ、形勢は白良しになりました。碁は面白いものですね)。。。
ここで質問です。
黒番。
皆さんだったら、どこに打ってみたいですか??
ここで黒はどう打てば良かったのでしょうか??
正解は、
以下の有料部分で発表したいと思います。
ひとまず、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
もし宜しければ、ご購入をご検討頂けると嬉しいです^^。
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【参考図⑫ 黒の絶好点は!?】
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