
群舞のペア碁を冷静に語りたい(感想、考察)・2【野崎洋二編】
第1.野崎洋二とは
群舞のペア碁を語るについて、1話及び2話に登場したアマチュア「野埼洋二」というキャラクターは避けて通れないだろう。
(注記:野崎洋二を描いてみた)
野崎洋二は、1話2話における主人公の対戦相手として描かれたキャラクターである。物語の最初の敵というのは、主人公(たち)の力を発揮させて読者を漫画に引き込むための重要な役割を担っている。
おおまかな流れとしては、主人公が、女流五冠の兵頭茜プロをペア碁のパートナーとして誘いに日本棋院東京本院にやってきた際に、対局場にて野崎が主人公につっかかってくるという流れである。
21歳にしてこの老け顔とおデコの後退っぷりは、いささか同情の余地はあるが、作中では相当嫌な奴として描かれている。以下は、その言動の例だ。
① 主人公の足をかけて転倒させる
② 主人公に対し、(弱いのに)まだ囲碁やめてなかったの?と煽る
③ 主人公の出自及び家族を侮辱する
④ 主人公が持参したペア碁のエントリーシートを破り捨てる
⑤ ペア碁の最中に劣勢になった場面で「アマチュアとはいえ俺は2段、群舞より格上なんだ!」と叫び出す
⑥ ペア碁のパートナーの手に対し「なんでそんなところに打つんだよ!」とかキレ出す
一つ言いたい。
なんでこんな奴に美人の彼女がいるんだ…
(注記:絶望する黒崎一護)
第2.野崎洋二から学ぶ
上記①乃至⑥の言動は囲碁とか関係なく普通に生活してても関わったらあかんやつである。
ここまでやばい奴は囲碁界に存在しないと信じたいが、人のふり見て我がふり直せという諺もあるように、我々は野崎洋二から人とのかかわり方、囲碁のマナーを学ばなければならない。
① いたずらでも相手を怪我させるようなことはしちゃダメ
② 下手の人を見下す態度はやめよう!棋力が相手より高くてもイキるのはやめよう!
③ 相手のことだけじゃなく、相手が大事にする人のことを馬鹿にするのはやめよう!
④ 人の所有物を破損するのはやめよう!
⑤ 対局中に発狂するのはやめよう!
⑥ ペア碁のパートナーの打った手を非難するのはやめよう!対局中はもってのほか!
これだけでも、人間関係がより良くなることは間違いない。
作者の高木ユーナ先生は、野崎洋二を通じて、我々に大事なことを教えてくれているのである。
第3.それでもやはり野崎洋二はゲス野郎である
①主人公が野崎洋二に挑むも返り討ちにあってしまう→②ヒロインが登場する→③ヒロインとペア碁を組んで見事野崎洋二ペアを撃破する
という見事な構成により、野崎洋二は物語のプロローグにおける悪役という重要な役割を全うした。
しかし、個人的に一番腹立たしいのは、なんか最終的に野崎洋二もペア碁を通じてパートナーのミキちゃんへの感謝を覚えてなんとなくいい話で終わってしまったところである。
いや、てめーはまず臨に謝れや!
そもそもペア碁を始める際、負けた方が謝るという条件が付されていたはずなのに何の謝罪の描写もないのである。描写がないだけで実際に謝罪はしてるのかもしれないが、私の野崎洋二に対する怒りゲージはミキちゃんへの感謝なんかでは埋められないレベルなので、なんとなくいい話で終わってるのがパイロットのリュウ並みに腑に落ちないのである。
(注記:腑に落ちないパイロットのリュウ)
ヒロインは当初、野崎洋二のことを「ゲス野郎」と呼んでいたが、改心したような描写があっても、野崎洋二は結局、現時点においては、ゲス野郎の枠から抜け出すことはできなかった。
第4.野崎洋二の再登場はあるか?
さて、野崎洋二のことをボロカスに言ってきたが、私は、野崎洋二はある意味で魅力的な悪役であったと思っており、1話、2話だけで使い捨てられるのはもったいないと考えている。
しかし、野崎洋二の性格があのままでは、登場するだけでイラっとしてしまうのは火を見るよりも明らかであるので、いっそのこと綺麗なジャイアン状態にして登場してくれないだろうか。
それは冗談として、徐々に更正していった野崎洋二が、棋力を向上させてペア碁院生として登場する展開とか、それが無理でも何らかの形で再登場してくれないかなと願っている。
むー