フリーランスの人が起業した、という本。「会社はじめました。」
今回はコレ。簡単にコメントを残します。
どういう風に受け取っていいかわかんなかったタイトルで一見ショッキングなんですが、育児に仕事に忙しいであろうシングルマザーが起業して七転び八起きというストーリー(ノンフィクション)なのかなと思いまして、まぁどういった話に転ぶのかよくわかりませんでしたが読んでみました。なお、夫が自殺するという経緯は前作にかかれたものだったそうで、今作には特に関係ありません。
筆者は、夫の自殺による賠償金を返す必要が出てきてしまい、生活費を稼ぐ必要に追われたものの、育児の関係で会社への就職が難しい現実に直面し、起業を決意します。
起業といっても、すでにこの方はフリーランスで仕事ができる土台があるので、普通のリーマンとはちょっと状況が違います。建築関係(インテリア)のお仕事ができるフリーランスならいっそ、法人格を起こしてしまったほうがいい。営業力があって実績があれば、法人格を、というのも自然な流れです。
法人格を持ったら、それなりの手続きやトラブルがありました、という話がこの本の中心です。筆者の慣れ親しんだ世界とは違っている事柄が、筆者の驚きとともに書かれています。
例えば、契約を交わさずにお仕事するのに慣れていた、という例。
ある程度の大きさの企業経験者だと、むしろあり得ない話だなぁと思いますが、そこは逆にフリーランスだからこそ出来てしまう「持ちつ持たれつ」「信頼仕事」。仕事を逃さないためにも、また次につなげるためにも、そういった行為をやってしまうのでしょうね。ちなみにうちの父はフリーランスだったので、若干同じ匂いがしました…。
またこの本、帯に「年商1億4000万円!」と書いてありますが、最後にその数字が出てくるものの、具体的にその仕事が実際取れたのか、までの詳細は書いてありません。この本では、会社が軌道に乗るかというところで起きた、あるアクシデントが主に描かれており、そこのリアルな内情が中心です。
具体的にどう起業していったのかは読み取れるものの、企画は?営業のノウハウは?という、HOWTOやサクセスストーリーではなかったので、そういう本を求めてしまうと、違和感があるかもしれません。あくまでも、アクシデントやハプニングといった体験談を漫画で表現している読み物としてであれば、むしろ起業にともなうルールについて、少しだけではありますが、わかりやすく説明されていると思います。
にしても、厳しい現実にもめげず、出来るかも?と自分をヨイショしたり、周りの人を頼ったり巻き込んだり。適度に気を抜いて管をまいたり。そう言った筆者の突破力というかもって生まれたもの、というか…そういう方が大事な気がしましたけどね。