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サウナのこと

突然ですが、私はサウナが好きです。
今回はそんなサウナにまつわる思い出について書いてみようと思います。


私がサウナにハマったきっかけは、実を言うとはっきり覚えていません。
おそらく2020年以降のブームのときに、入り方を学んでちょっとずつ楽しさを覚えていったのだと思いますが、具体的にいつ、どこでだったかがなぜか思い出せません。あまりにもととのいすぎて、記憶が飛んでしまったのでしょうか。

それからサウナを楽しむようになったものの、当時高校生の身分ではサウナに行くお金もなかったので、親に連れて行ってもらって竜泉寺の湯やお風呂の王様に行くのがほとんどでした。
ある日、いろいろ訳あって精神的に追い込まれてしまい、突然学校に行けなくなることがありました。学校に行くこともできないなんて、とひどく落ち込んで家に帰った時、そんな様子を見かねてか父親がサウナに誘ってきたのです。直前まであんなに陰鬱な気分だったのにサウナのルーティンを重ねていくにつれ、どこかそんな気持ちも忘れてしまいました。あの日のサウナは真っ暗闇な世界にわずかに光が差したように感じて、ようやく心を少し落ち着かせることができました。後で調べたら、サウナには鬱やストレスにも効果があるそうです。もちろんサウナだけで回復したわけではないですが、翌日なんとか(半ば連れていかれたところはありますが)学校に通うことができました。

それからしばらくして、また精神的に落ち込む時期がありました。サウナに行けていない期間も長く、ついに禁断症状が出てしまい、親に頼み込んで必要最小限のお金をもらって初めて一人で出かけることになりました。そこで行ったのが「東名厚木健康センター」でした。
本厚木駅から出ている送迎バスに乗りながら、久しぶりのサウナや一人で行くちょっとした冒険感もあって非常にワクワクしていました。らっこの看板が見えた時にはもう内心大興奮です。
さらに中に入ると玄関すぐ近くにサウナ好きの芸能人や各施設のオーナーや熱波師など業界人のサインがずらりと並べられていて、「ああ、ここはガチなとこだ」と悟ったのをよく覚えています。
そして念願のサウナ室へ入ってまず思った第一印象はめちゃくちゃ熱い!!!湿度がかなり低めな超ドライサウナで一番下の段でも汗が滝のように流れてきました。後に他の色んなサウナ施設や同じ湯乃泉グループの草加健康センターにも行きましたが、ここまでドライなのは厚木だけでした。なんで草加はそこまでなのに厚木はあんなにカラッカラなんですかね。東名厚木七不思議の一つです。
そんな実質砂漠と一緒なサウナで耐えた後に待っていた外気浴は格別でした。身体が空気と溶け合うようで、ほぼ解脱の境地にありました。しばらく勉強詰めの日々で追い込まれていたのもあって、サウナはそうした現世とは離れたユートピアであることをこの時実感しました。
そんな思い出もあって、「聖地」とも呼ばれる草加より個人的な思い入れが強い東名厚木の方が好きなのです(草加は家から遠いのもあるけど)。

その日食べた二郎風な「ラッコ飯」。名物らしいがさすがにハードすぎた。


サウナを好きになった瞬間は覚えていませんが、こうした経験が積み重なって体が気持ちよくて楽しいものだと覚えてくれたのだと思います。「サウナが救ってくれた」というと大袈裟ですが、心身ともにリラックスできる数少ない場所であるのは間違いないです。サウナに限らず精神的にしんどかった時に触れて安心できたものは、自分にとってかげがえのないものになりますし、今でも好きでいられるのだと思います。


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