【マーケ基礎】来店動機を読めば、販促策は見える。
差別化要素がほとんど無い商品の販売促進を考える時は、
お客さまの来店動機を調べてみると、
方向性が見えてくるものです。
お客さまは、意外と平凡な理由で
お店を利用している場合が多く、
来店促進のチャンスは、どんなお店にもあります。
●来店動機:自宅近くのお店で買う。
お客さまの行動範囲は、
おおむね歩いて10分程度(約700m〜1km)、
自動車で10分程度(約4km〜5km)です。
自宅から、この程度の範囲で、
日常に必要なものを買う傾向があります。
つまり、お店から見ると、
この距離(範囲)に住む人びとが、
第一のお客さまとなるのです。
いわゆる商圏です。
この商圏の人びとに、どうアピールするかが、
繁盛を左右します。
お客さまの注意を引き、興味を持っていただき、
そして来店いただくには、どうすれば良いのでしょう。
セール?イベント?
いいえ、先にやるべきことがあります。
その商圏に住む人びとの分析です。
どんな人、どんな世代、どんな職業、
どんな家……などなど。
こと細かく調べる必要があります。
ターゲットのことを知らずに、
モノを売ることなどできませんから。
役所に行けば、データで見ることもできますし、
商圏を歩きまわって調べることも大切です。
ご挨拶がてら、戸別に訪問しても良いでしょう。
眠っている需要を掘り起こせるかもしれません。
「地域一番店」になるには、
やはり地域のことを知る必要があります。
●来店動機:安いお店で買う。
スーパーをはじめ、ディスカウントストアや
100円ショップなどの安売りのお店がたくさんできて、
個人商店は非常に厳しい状況にあります。
「大きいところには勝てないから、
細々とやっていくしかないよ」
などと、諦めてはいませんか。
確かに、日常の安売りは真似できません。
しかし、工夫次第です。
「特別価格」+「付加価値」で、可能性は高くなります。
「今日は○○の日」「週末特別サービス」
「月末謝恩セール」などを実施し、来店を促進します。
これによって、まずお店を認知していただきます。
ただ、こうした“安売り”だけでは、
それ以外の日には来なくなります。
そこで、「付加価値」を創り出します。
誕生日、結婚記念日などの特別割引。
食料品販売なら、お料理レシピプレゼント。
○○円以上お買い上げ抽選会(常時)。
ニューズレターや携帯電話への
情報発信なども考えられます。
これら「付加価値」をプラスすることで、
つねに忘れられることのない存在となるように努めます。
価格では勝てませんから、
創意工夫を続けていきましょう。
●来店動機:品揃えの豊富なお店で買う。
どのようなお客さまでも、たくさんの品揃えの中から、
好みに合った商品を自由に選びたいものです。
選ぶ楽しさもありますから。
しかし、スペースに限りがある個人商店では、
品揃えを増やすことは難しいです。
では、どうするのか。
ある特定の分野に関する品揃えでは、
百貨店やスーパーに負けない。
他店では売っていない商品をたくさん揃えている。
このような「違い」を明確にすることが大切です。
差別化の要素が無ければ、大型店との勝負はできません。
いや、勝負というよりは、
「棲み分け」と言った方が良いでしょう。
日常的に百貨店・スーパーに行くお客さまでも、
「違い」があれば、固定客として来ていただけます。
●来店動機:親しいお店で買う。
お店の魅力のひとつに、「親しみやすさ」があります。
これは、とても大切な要素です。
昔から馴染みだ。
店主と友だち、知り合い。
ご近所づきあいがある。
こういうお客さまは、
少々価格が高くても利用していただけます。
しかし、それに甘えてはいけません。
ひとりのお客さまとして、
どうすれば喜んでいただけるかを考えることが大切です。
常連客を喜ばせることができなくては、
一見客を喜ばせることなど不可能です。
親しいからこその礼儀であり、サービスであるのです。
これを大切にしていれば、一見客もやがて常連客となり、
親しみを感じていただけるのです。
時には、「いい商品が入りましたよ」
「○○の具合はいかがですか」
と電話やDMで、ご機嫌伺いすることも大切です。
お客さまを気遣うことが、
「親しみ」を生むサービスなのです。
心の触れ合う、温かいサービスが決め手です。