【マーケ基礎】店主の想いを従業員に。
あるラーメン繁盛店に入りました。
昆布ベースに、豚骨と鶏ガラを煮込んだ、
味わい深い、清湯(ちんたん・澄んだ)スープ。
細めのストレート麺。
塩と正油があり、
大きなチャーシューが3枚ものっています。
私は塩を食べたのですが、非常に美味しい!
塩でこれほどのコクを出せるお店は、あまりありません。
実は、美味しい、という話ではありません。
店主と従業員の“想いのギャップ”についてです。
厨房にいる店主は、
厨房内を忙しそうに動きまわりながら、
時々店内を見渡し、
不手際などが無いかをチェックしています。
「狭くて、すみません」
「もうしばらく、お待ちください」
と、声もかけています。
よく動き、気配りもできています。
それに対して、従業員のおばちゃん2人。
ラーメンを運び終わると、何もせず、
お客さまを睨むように立っています。
「早く、出ないかなぁ」
が、伝わってきます。
外には、行列ができているからです。
コップの水が無くなったお客さまも放ったらかしです。
まるで、“接客”を知らない、
新人アルバイトのようです。
1人は、結構ベテランなのですが。
私は、そのおばちゃんたちが立っている、
すぐ近くにいたのですが、1人のおばちゃんが、
もう1人に耳打ちするのが聞こえました。
「お下げしてよろしいですか、
って聞いて、丼を下げて来て!」
最悪です。
居酒屋など、たくさんのお皿がテーブルに並ぶお店では、
空いた食器を下げる方が、
お客さまにとっても良いことなのですが、
単品のお店でこれをやってはいけません。
「早く帰れ!」と言っているようなものです。
いくら行列ができていても、
お客さまの楽しい時間を邪魔してはいけません。
折角の美味しいラーメンが台無しです。
これは、店主の責任です。
店主自身は、お客さまを想い、
お客さまの身になって接客していますが、
それを従業員に教えていません。
接客は、技術だけを教えても、意味がありません。
店主が、どう考えているのかを
しっかりと伝えておくことが必要です。
お客さまを大切にしたい、
という想いを従業員が心から理解していれば、
技術が無くとも、接客はできるはずです。
技術が追いつかなくて、ぎこちなくても構いません。
一生懸命にお客さまを想えば良いのです。
店主は、日頃から、従業員と話をしなければいけません。
お客さまのこと、お店のこと、商品・サービスのこと、
そして、夢を語ってください。
そこに「信頼」が生まれ、『力』となります。