【マーケ基礎】高齢者に感謝されろ!
戦後の貧困から、物的豊かさを実現し、
高度成長を支えてきた人たち。
こうした人たちが高齢者になり、
いま「富裕層」として注目されています。
お金と時間を持ち、
充実したライフスタイルを実現させようと、
魅力的な商品・サービスを探し求めています。
だからといって、「高齢者を狙え!」などと、
悪どい商売をすすめているわけではありません。
物欲の無くなったこの層の人たちは、
『心の満足』を求めています。
充実した暮らしを実現させてくれる商品・サービスには、
惜しみなく、お金を遣います。
高齢者が困っていること、
欲していることを探し出せば、
提供する商品・サービスはわかります。
2、3、例を挙げてみましょう。
衣料や雑貨のお店を全米で展開している、
「ノードストローム」という大型ストアでは、
高齢者が、服のボタンが取れた時には、
馴染みの販売員まで持参すると、
販売員がこのボタンをつけてあげる
サービスを行なっています。
視力が衰えている人が多いからです。
また、服のアイロンがけが必要な時も、
係まで持参すると、アイロンがけもしてくれます。
日本のある時計・宝石店では、
腕時計の電池交換1個でも、
お客さまの自宅まで出かけて、交換します。
掛け時計をお買い上げの場合には、
取りつけサービスをしています。
お得意さまになると、
誕生日に花束をお届けしたりします。
あるドラッグストアでは、お客さまを対象に、
年1回、「日帰りバスツアー」を開催しています。
有料ですが、ポイントカードとも連動していて、
割引料金で参加することができます。
これらは、すべて高齢者向けサービスですが、
まだまだいろんなアイデアが考えられます。
前述の「ノードストローム」のような大型店が、
このようなきめ細かいサービスをすることは珍しく、
むしろ“できない”お店の方が多いのです。
日本の百貨店や大型スーパーでは、絶対にやりません。
「商売人の心」なんて、ありませんから。
だからこそ、小さな個人商店が勝つチャンスなのです。
高齢者に愛されるお店。
信頼されるお店。
そして、もっとも強いのは、
『求められるお店』なのです。
老人ホームで、入居者をバスで
スーパーへ連れて行くサービス(?)があります。
それは、「必要」で行きたい場合もありますが、
買い物が「楽しい」からでもあります。
自分ひとりでは、行動範囲が狭くなります。
このような送迎サービスを、
あなたのお店でも考えてみてはどうでしょう。
動きづらくなった高齢者にとっては、
“買い物に行く”ということが、嬉しいのです。