【マーケ基礎】すべて、人はお客さま。
ある日の新聞に載っていた、読者の投書をご紹介します。
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長女は9月、九州を旅行した際、
夜行バスで帰る予定でしたが、
台風の影響で、飛行機や新幹線が
いつ運休になるか分からない状況になりました。
飲食店などが早々と閉店する中、
長女は出発時刻の午後11時まで、
どこで時間をつぶせばいいのか、途方にくれたそうです。
そんな時、長女は小倉駅前のホテルの玄関に
張り紙を見つけました。
「足止めをされて困っておられる皆様へ。
当ホテルの4階にてお部屋を開放いたしております。
遠慮なくゆっくりおくつろぎください」
部屋では湯茶の用意が整い、
食べ物も持ち込み自由とのことで、
長女はホテル内のベーカリーでパンを買うなどして、
出発まで安心して過ごすことができました。
道行くすべての人をお客様とみなし、
状況に対応したホテル側の粋な計らいだったようです。
実にさりげない最高のおもてなしだと感じました。
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あなたはこの投書を読み、何を感じましたか?
「心配りのある、優しい人がオーナーなんだろうなぁ」
ですか。
「ウマく宣伝したなぁ」ですか。
確かに、ホテル内のベーカリーで、
パンが売れるだろうという予想はあったかもしれません。
親切にしておけば、
次回利用していただけるかもしれません。
すべて計算かもしれません。
しかし、この女性はどう感じているでしょう。
「宣伝なんだから、気にせず利用すればいいや」
と思ったでしょうか。
違いますよね。
ありがたい。助かった。
心遣いに感動したことでしょう。
心がぽっかぽかになったはずです。
優しさなのか、計算なのかは別として、
人の役に立ったことは間違いありません。
これは、商売人として
『すべて、人はお客さま』という想いがあればこそ、
できることです。
宿泊客以外は関係ない、という意識でいるなら、
こんな親切は考えることすら無かったはずです。
宿泊客は、もちろん一番大切なお客さまです。
しかし、外を歩いている人もお客さまなのです。
これを忘れている店主がたくさんいます。
あなたのお店なら、こんな時、何ができますか。