照明ひとつで、店舗・商品は光り輝く。
照明というのは、暗いところを明るく照らす
ためだけにあるのではありません。
インテリアとしての役割や店内の色彩としての機能、
雰囲気づくり、商品を引き立てる機能などを
持っていることを忘れないようにしましょう。
お店づくりでは、非常に重要なポイントであることを
認識しておくことが大切です。
“素人がそこまでわからないよ”と思われるでしょうが、
確かにその通りなんです。
照明専門のプロがいるくらいですから、
とても難しいことであるとともに、
それだけ照明の役割が重要だという証しでもあります。
でも、わからないからプロ任せ、ではいけません。
プロに依頼する前に、多少なりとも勉強して、
プロに手を抜かせないようにしなければなりません。
コネクションを使って、
絶対に信頼できる方に頼めるのなら大丈夫でしょうが、
そうじゃないのなら、
最低限のことだけでも勉強しておきましょう。
まずは、照明のパターンにはどんなものがあるのか。
●照らす場所によるパターン
お店の内部全体を照らす「全般照明」と、
あるポイントだけを照らす「局部照明」があります。
全般照明は、とにかくお店を明るく保つためのもの。
局部照明は、商品やコーナーを引き立たせるためのもの。
●照らし方によるパターン
光を壁などに反射させる「間接照明」と、
店内や商品を直に照らす「直接照明」があります。
間接照明は、光そのものをやわらげ、
雰囲気づくりや商品の演出に使うもの。
直接照明は、お店や商品をハッキリと見せるためのもの。
これらの照明方法をお店のイメージや扱う商品によって
使い分ける必要があります。
それは、お客さまの心理に大きな影響を及ぼすからです。
特に飲食店や食料品店の方は気をつけましょう。
また、照明というのは、お店の立地条件や扱う商品、
客層、競合店の状況などによっても
充分に考慮しなければなりません。
ストア・コンセプトを最大限に表現できように
計画することが大切です。
たとえば、夜営業するお店なら、繁華街にあるのか、
郊外の暗いところにあるのかによっても
照明の使い方が違ってきます。
真っ暗なところにあれば、
明るいだけで見た人はホッとしますし、
繁華街なら、まわりのお店との差別化を
考えなければいけません。
他より明るくする場合もありますし、
違う色合いを使う場合もあります。
時には、逆に暗くすることで目立たせる方法もあります。
これらをもとに、照明の役割をまとめると……
まずお店を目立たせ、足を止めていただき、
店内に誘引し、商品そのものを正しく見せ、
しかも魅力的に演出する。
そして、購買意欲を高める、ということになります。
すなわち、ストア・コンセプトに
もっともふさわしい照明を考えることが大切なのです。