「普通であること」が示すクオリティーの高さ / BYD ATTO3 【試乗】
日本上陸が発表されて1年。各地でディーラーネットワーク構築の進む電気自動車メーカーの「BYD」。ついに私の地元・茨城県にも進出してきた。
全く別件で訪れたショッピングモールの一角に、BYD Auto水戸の開設準備室を発見した。
既に3車種の導入を発表しているBYDだが、一番槍はSUVの「ATTO3」。これまでメディアを通して見る限りはやや腰高に感じてはいたが、実車からはその印象はない。むしろルックスの良さを感じる。
自動車業界出身者としては素通りできまい。離れて眺めたり室内を観察してみたり。個人的には、EVであることの過剰な主張が抑えられていることは好ましく思えた。
この日は別件だったこともあり、後日の試乗予約のみで辞去した。
かなり詳細にATTO3についてレクチャーしてもらい、ハンドルを握る。最初のブレーキこそ「カックン」をやらかしてしまったが、直線区間でブレーキのタッチを刷り込んだ。
加速感はEVらしいトルクの立ち上がりで、ガソリン車に例えると3リッターマルチシリンダー自然吸気エンジン車のフィーリングだ。
ご厚意で通常よりは長いコースを試乗させていただいたが、操作に対しての反応も自然。何の不安もない。一言で表現すれば「極めて普通」。だが今の時代、
この普通さを出すこと自体が難しくなってはいないか?
そこに挑んで日本にやってきたBYDは、「普通」という高いクオリティーを持っている。そして先行する海外EVメーカーとの最大の違いは「販売施策」にある。
注文をwebで完結させ、ユーザーはメーカーの指定場所まで引き取りに行くのが当然になりつつある中、BYDは各地のパートナーによるディーラーネットワークを確立しつつある。これはユーザーに対する「安心感の提供」に他ならない。
商品性や先進性だけでEVを売るには限界があると私は見ている。ましてEV専業ならばなおのことだ。EVを普通のクルマとして、普通の人たちに売って行くために大事なことをBYDは知っている。
⭐︎ 協力 BYD AUTO水戸
現在「イオンタウン水戸」(東茨城郡茨城町)にて仮設営業中 ※ 記事作成時点
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