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見せるラジオが「ミニFM」 【Tokyo 80's】

結局、ただの「昔ばなし」なんですけどね(

さて、またまたやってまいりました「Tokyo 80's」の時間。おっ、と思ったらぜひぜひ、コメント引用スキその他、お待ちしております。
(と、ラジオ番組風にスタートしてみました)


ところで皆さんは「ミニFM」ってご存知でしょうか。覚えている人は、私と同世代でしょう(
よく混同されるのが市町村レベルのエリアをカバーしている「コミュニティFM」、別物です。それが認可(1992年)されるはるか以前の1980年代、免許のいらない微弱電波を使って数百メートルの範囲にしか届かないFMラジオ局があちこちに誕生したんです。それこそがミニFM。


個人の放送局ゴッコ(それはそれで楽しかったりしました)を除けば、若者の集まる街や商業施設に開設されるケースが多かった印象です。

WALKMAN (SONY)の登場以降、

オーディオ機器の携行性は向上しましたが、

さすがにヤング( でラジオを持ち歩く人は見た記憶はありませんね。WALKMANがカセットプレーヤーに特化していたこともあり、後発商品にはAM/FMラジオを搭載したものはありました。ミニFMは、放送自体はそういう人が

聴いてくれたらラッキー

ぐらいの存在だったでしょう。じゃあ、何のために放送するのかというと、

「見せる」ためですよ。

いや電波は見えませんよ。街なかや商業施設のミニFMの多くは、ガラス張りのスタジオで放送しているところを見せていたんです。
ミニFMを併設したカフェバーになると、店内のBGMのオンエアをライブで見せることで特徴をアピールして集客材料にしたり。
主役は音楽。当時始まったばかりの「MTV」(ミュージック・ビデオに特化した放送)からのヒット曲のピックアップがメインでした。
そんな色々なユースカルチャーと交わりながら時代に咲いたことは間違いないでしょう。

しかし、それなりに競争が激しくなると集客アップのために「インチキ」をやるところも現れます。法律で認められた出力を超えて電波を飛ばすミニFMも現れ、取締りを受けたり。

レコード(CDじゃなくね)の音楽をオンエアするのも、実はちょっと微妙。免許を受けた正規の放送局はJASRAC(音楽著作権管理団体)と契約して楽曲使用料を納めていますが、ミニFMでそこまでしたという話は聞かなかったですね。
放送局として免許は不要でも、そのことと著作物の商用利用は別ですから。


そんなこんなでブームの衰退でフェードアウトして行ったミニFMですが、そのコンセプトはJ-waveの開局(1988年)やコミュニティFMの法制化などの種となったと思っています。
また常設局こそなくなりましたが、スポーツイベント会場などで観客向けの実況放送に現在もミニFM放送は活用されています。



かく言う私も、今どきBluetoothで飛ばせばいいものを、

わざわざFM電波で飛ばしてみたり。


また、ラジオの仕事もしていたりで、

やってることはハクホードーの吉岡クン(

「波の数だけ抱きしめて」に出演した別所哲也氏がJ-waveのナビゲーターとなっていたり、中山美穂さんの急逝があったりと、ふとミニFMを思い出しての本稿でした。

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