ヴィンテージ・リバイバル【NIGEL CABOURON】
社会に出ると、衣類の消費傾向は大きく変わります。毎日着用するスーツ、ワイシャツ、ネクタイ、靴。そちらの消耗サイクルの方が早くなります。反面カジュアル衣類の消耗度合いは低くなって、結果「長持ちしちゃう」と。
あまり流行に左右されるタイプではないので、古くなったからといって簡単に捨てたりはしません。秋冬に活躍するアウター類は
そんななか先日、X(Twitter)でファッションディレクターの山下さんの投稿に目が止まりました。
ナイジェル・ケーボン !
デザイナーにして著名なヴィンテージウェアのコレクターです。
ピンとくるものがあり、80年代後半にはアイテムを買い揃えたりしたものでした。その後、人に譲ったりして数は減りましたが、最初に買ったウィンドブレーカーだけは手元に残していました。
しかし久しぶりに取り出してみると、40年近い時間の経過でビニール素材だったファスナーの取っ手がチギレて無くなっていたり。そのままではただの「ボロ」なので、レザー風ストラップを買ってきて修理敢行。
日本に入り出したころのナイジェル・ケーボン のアイテムは市場に受け入れやすいようにディテールは凝っていましたが、ヴィンテージ感は和らげられていたように記憶しています。
ヴィンテージといえばその数年後、ビッグネームが上陸。
新品なのに10年以上着古したようなアイテム群は、瞬く間に席巻。当初正規ルートでの日本展開がありませんでしたから、小さなショップの並行輸入から火がついたと記憶しています。
当時のRRLも30年以上着て、リアルに
「ボロ」by ラルフ・ローレン
となりつつありますが、ナイジェル・ケーボン のウインドブレーカーもいい勝負。
おそらく女性を含む大多数の人には、それらは色あせてクタビレただけの服にしか見えないかもしれませんが、男という名の一部のバカな生き物には個人史そのものだったりします。
先ごろアパレル名門の三陽商会が、かつて展開していたブリティッシュテイストのブランド「ベイカーストリート」の復活を発表するなど、メンズのトレンドは「リバイバル」なのかもしれません。
ラルフ・ローレンやポール・スミスのような知名度はないかもしれませんが、ナイジェル・ケーボンのバイオグラフィーブックのリリースは2024年後半に飛び込んできたビッグニュースです。
古いものを古いと切り捨てず活かす(生かす)ライフスタイルの時代もまた、リバイバルしていることの象徴がこの本が世に出たことではないかと思えます。
※note新企画「reco-Mag」は、筆者が身の回りに置いたアイテムを紹介するバーチャルセレクトショップです。
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