いつまで続く? ライター界隈マウント合戦
世界は記事で溢れている。その文章を生み出している人たちは、いったい何人いるんだろう。
かく言う私も業務の一つでその末端にいるわけだが、インターネットの時代が生んだ「Webライター」というジャンル、職種を注視するようになって間もなく1年が経つ。
当然それらの人たちの現れるnoteやX (Twitter)を見ていると短期でさまざまなトレンドが入れ替わり、第三者的視点では不謹慎だが楽しめる。
そんな中、ほぼ常時と言っていいほど(明示暗示の両方で)読み取れるのが俗な表現をすれば「マウント合戦」だ。現れては消えるトレンドも、これが基底にあるようにも思える。
執筆料の高低、キャリアの長短、記事の性質などを(特定の誰に対してではなく)「アゲ、サゲ」している投稿は目立つ。
Webライターという括りも大きなもので、その中に「取材ライター」とか「インタビューライター」という分類もあるようだ。
まあこれにはチョイと疑問があって、末端の私でさえ取材もするしインタビューをすることもある。言わば必須のプロセスだから、私自身は執筆案件でそう称することはない。
ではなぜわざわざ、そういう呼称が用いられるのか。
それは、Webライター分野で大多数を占めると思われる「SEOライター」との差別化のためだろうと考えている。SEOライターの多くは、いわゆるクラウドソーシングサイトでの募集に応募して、採用されればクライアントから提示されるキーワードを落とし込んだ記事を作成する。「リサーチ」という作業もあるが、これは取材や足を使ったものとは違うだろう。
一連の作業に求められる能力は記事の量産だ。Webメディアが機械的にアクセスを集めるための。
ゆえに、Webライター界隈ではSEOライターやプレスリリース中心のメディアを低く見る傾向はあると思う。
しかし、Webは「アクセス集めてナンボ」な側面はある。どんな丁寧な取材をして高品質な記事を書いても、プレスリリースだけでサイトを構築しているメディアの方がアクセス数を稼げることがあるのも現実だ。私もそういうメディアはよく見ている。
となればSNSでマウントを取りに行ったところで、自己満足以外の何者でもないだろう。
Chat GPTなど生成AIの急激な普及でSEOライターの絶滅は近いとの声高な主張もあったが、メディア側ではまだまだ求められている存在だ。そこに留まれとは言わないが、少なくとも何か、あるいは誰かと比べて優劣を論じられるものではないと私は思っている。