「カフェバー」タイムを愉しむ 【Life】
コロナ禍で多くの飲食店が苦境にある (もちろん飲食店だけではないが)。特にお酒がメインのBARなどは「これから」という時間にクローズだ。
厳しいなりに工夫もある。営業開始時間を前倒ししたり本来は休日のところに店を開けたり。今日はそんな店で「カフェタイム」を過ごしてみた。どこか懐かしいカフェバーのごとく。
80年代を駆けた諸氏なら覚えていよう。あの「カフェバー」 の時代を。ブームに乗って喫茶店から洋風居酒屋まで、猫も杓子もカフェバーを名乗ったりもしていたものだ。
カフェでもないバーでもないカフェバー。手っ取り早く言えば「昼から酒が飲めて明け方でもコーヒーが飲める店」である。JJやCan Camを愛読するような女子大生が集まり、当然彼女たち目当ての野郎どもが群がる。中にはドレスコードを設けて、店の雰囲気に合わないと判断すれば入店お断りとするカフェバー (表参道のKey West Clubとかね) もあったほど。
提供されるメニューは、特にウマいというわけでもなかったね、料理も酒も。キホンは今で言う「バエ」、見栄えの良さのみ追求していただろう。女子大生たちは「ブルーハワイ」とかキレイ系カクテルを片手にオトコを品定め。だいたい今、缶入りカクテルになってコンビニの冷蔵庫に並んでいるのはカフェバーで主流だったカクテルだと思っていい。
当時は「バーボン」のブームでもあった。オトコはバーボンコーク。ちょっとカッコつけたいときは「ロック」。当時は決して安い酒ではなかった。酒屋ではワイルドターキーが7,200円、I.W.ハーパーが4,800円。一番安いアーリータイムスでも3,700 円だったろうか・・・。
8時半じゃない、3時半。昼のね。
とまあ、80年代のカフェバーの風景を振り返りつつカフェタイム営業のBarを愉しませてもらった。本格Barのカフェタイム営業ゆえに、カフェバーの素人カクテルなぞ足元にも及ばない。
そのように知恵を絞って開けている店は少なくはない。今の状況からすれば全く自由に愉しむわけにもいかないが、過剰な自粛(あくまでも「過剰な」)の先には不幸しかない。声高に「経済を回せ!」と叫ぶ人たちとは違う生活観から、
日常からかけ離れない節度の範囲で
程よい外食、外飲みが維持されることがアフター・コロナの鍵になると思っている。