3-4 スポーツクラブを使って社会課題を解決するのが論理的に正しい理由 『地域編』【地域×スポーツ大全】
鹿島アントラーズって知ってる?
じゃあ鹿島って何県にあるか知ってる?
地域名とスポーツ球団
答えらえなかったい人も多くいると思う。
それほど、サッカークラブが地域名を有名にしているのだ。
昭和の野球、平成のサッカー、令和のバスケ
と言われて久しい。マーケットの拡大具合から見てもそういって差し支えないだろう。
野球は企業が主で中央集権的
サッカーは地域が主で自律分散的
バスケはデジタルと地域が主でDAO的でありクラウド的だ。
Bリーグははっきりと「バスケで地方創生をする」と明言している。
協会が最も力をいれている分野がマーケティングであり、ITだ。
スタジアムよりアリーナのほうがITの導入難易度が低く、2016年の開幕試合の光るバスケットコートは界隈では有名だ。(採算とれなさ過ぎて一回で終わったが。)
協会はどんどんIT人材を入れてウォーターフォール型でデジタル化を進めつつ、地方のアカウンティング(営業)を進めている。
そこで極めつけの新構想が以前にも取り上げたエクスパンションだ。
エクスパンションという地方創生への英断
エクスパンションには賛否両論ある。
「実力で10年間B1リーグに君臨したチームと、3年足らずで金かけて上がってきたチームでやったら、実力差がでて試合がおもろしくなくなるんじゃないか。」
「入れ替え戦がなくなってしまっては緊張感が無くなるんじゃないか」
という意見などが常々あがるが、この決定を見た瞬間に
「ああ、本気で地方創生したいんだな」と理解した。
なんのため、と考えると完全に地域のためだ。ビジネスとは収益をたて、従業員を雇い、サービスを提供し、納税をし、長く続く仕組みのことである。
エクスパンションの始まる2026シーズン初頭からは間違いなく群雄割拠となり混乱の年となるだろう。
ただ次第に、資本があればいい選手が獲得できて、均衡が取れていく。
完全に資本力を持ってB1めがけて新規参入してきたアルティーリ千葉と長崎ヴェルカが圧倒的に強く、そのままB2に駆け上がったのはあまりに下馬評通りで面白い。
行き過ぎた資本の偏りがあればNBAのようにサラリーキャップが導入される。
信頼とは親和性と確実性と専門性
「地域に愛されて〇〇年」みたいなCMがよくあるが、それは継続年数が大きくものを言う。
個人と法人の一番の違いは、「法人は死なない」
チームが存続することが第一だ。地域のスポンサー様と末永くやっていくことが大事なのだ。
投資する立場としてはどうだろう。
負けたらB2に行ってしまい露出度と注目度が極めて下がりそうな球団に投資はしたいであろうか。
その時にこそチームは欲しいのに。
昇降格のカテゴリー線上にいるチームにスポンサードはしにくい。負けたらカテゴリーが落ちてチケット代も集客力も変わる。
ただチーム戦力は一年で一気に変わることはあるが、運営力は(人員総入れ替えが無い限り)はそう変わらないからだ。
クラブが地域に残り続けるということは信頼され、地域名を代表するということだ。
地域名を代表し、行政と連携することについても前に述べた。
地域と連携し、地域に愛され、地域で物語をつくり、地域に価値をつくる。
スポーツと地域は不可分である、共にビジネスをして生きていく。
地域を背負って、戦う姿にファンも燃えるのだ。