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アイジー商品が彩る学生プロジェクトブースの魅力
工法開発チーム、白井です。
11月20日~22日に開催された「Japan Home Show & Building Show 2024」の特別企画として、「学生プロジェクトデザインコンペティション」が行われました。
今年のテーマは「みんなのコミュニティハブ」。全国から数多くの応募が寄せられ、会期中には30を超える作品がブースに展示されました。
22日には、最終審査に進んだ6作品による公開プレゼンテーションが行われました。
ブースには今年もアイジー商品が採用されました。
設営が進む中、本コンペの学生実行委員としてブース設計に携わった芝浦工業大学の角田さんと、千葉工業大学の伊藤さんにインタビューを行い、設計に込めた思いや工夫についてお話を伺いました。
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ブースの設計コンセプトについて
白井:
本日はよろしくお願いします。
どの通路からも自然に合流して作品を見られるような面白い導線計画ですね。今回の展示ブースにはどの様な狙いがあるのでしょうか?
角田さん:
今回の学生プロジェクト展示ブースでは、1つのコミュニティハブを作ることを目指しました。
一般的な展示ブースでは、直交座標系の幾何学を用いた90度の角度で構成されるレイアウトが多いと思いますが、私たちはそれがコミュニティ創発の場としては適していないと考えました。
白井:
確かに、直線的な構成ではどうしても人の動線が制限されがちですし、交流の場としては硬さを感じることもありますね。
伊藤さん:
当初の打ち合わせでは、ブースを公園に見立てたデザインをしたいという案がありました。その案のもと、遊具や自然を感じるようなものを取り入れることを目指し、結果的にはボロノイ図形をもとにして設計することに決めました。
(ボロノイ図形:平面上の点に基づき、その点を中心に最も近い範囲で領域分けされた図)
角田さん:
今回のブース配置は、会場の真ん中に位置し、4辺の通路に囲まれています。このような場には、極座標系の幾何学を使った構成が適していると考え、森を俯瞰して見たときに浮かび上がるボロノイ図形を採用しました。この形は、人間の「ひとりになりたいけれど、みんなともつながりたい」という相反する気持ちを表現しています。
白井:
「ちょうどいい距離感」を空間で表現しているということですね。近すぎず離れすぎずの関係性が、安心感を与える一方で、つながりを感じさせるというような。
伊藤さん:
他のブースとの差別化ももちろんありますが、このボロノイ図形を応用したレイアウトには通りかかった人が立ち寄り、休んで行ったり、立ち話をしたりするような場所にしたいという思いがありました。
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アイジー商品の選択理由と配色について
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白井:
ところで、弊社商品を扱ったバックヤードは太い木の幹をイメージしているように見えましたが、商品選択や配色の意図はありますか?
角田さん:
まず1つに、ブースの目的はコンペの作品を見てもらうことなので、ブースが作品より目立ってはいけないと常に意識していました。2つめは、「極座標系」と「ボロノイ図形」から浮かび上がった森のような空間のイメージ。この2つの考えをベースとしたブースデザインを思い描きました。
白井:
なるほど。バックヤードはその様な森のイメージから木目調のNPT-スプリームウッドを、そして色は控えめで自然を感じるTグレイベージュを採用したわけですね。それでは、ブース正面はどうでしょうか?
角田さん:
ブースを構成するオクタノルム(アルミフレームやパネルを用いた、展示システムの部材)の色はシルバーか黒を選択することができ、他のブースとの差別化を図るうえで黒を選択しています。そのため、オクタノルムで構成されるブース空間になじむ色の組み合わせを考えています。
伊藤さん:
当初は正面も木目調のサイディングを使用するという案もありましたが、構造柱を隠し、かつそこにもサイン計画など施そうと考えた中では、フラットな形状であり、全体の色と合わせた方が良いと思い、SP-ガルブライトⅡのダークグレーを選択しました。
白井:
2種類のサイディングの使い分けと配色によって居心地の良さを感じる空間になっていると私も感じました。
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サイン計画
白井:
サイン計画についてはいかがでしょうか?
伊藤さん:
サイン計画においては、配置の適切さが重要です。単に配置するだけでは意味を成さず、中途半端に2〜3個設置するくらいなら、いっそ置かない方が良いでしょう。そのため、サイズ感も含めて細部までこだわり、紙で試作を繰り返しながら慎重に検討を重ねました。
白井:
今回のような大きな現場での作業は、図面通りにいかなかったり、完成後の見え方が想像していたものと違ったりなんてこともありますし、現場合わせでの対応も難しいですよね。
伊藤さん:
ブース正面のボロノイ図形フレームの作成についても当初はすべて学生で作ろうとしていましたが、3D図面で計画したものを形にできるか不安でした。結果的には工芸社の方々からご協力いただき形にできましたが相当嬉しかったです。
角田さん:
多くの建築学生は実物を作る機会がありませんからね。課題で作るのは図面や模型でリアリティに欠けますし、もどかしさを感じていました。実際に自分たちで作り上げた空間に今いることが不思議な気分です。
計画を実現するにあたって大変だったこと
伊藤さん:
昨年は大学ごとに案をまとめ、コンペ形式でより良い案が採用されていました。今年は最初からプロジェクトメンバーで協力し、検討を進めてきました。他大学の学生とのスケジュール調整や、意見をまとめたりすることに非常に苦労しました。
角田さん:
大学の設計課題では、自分でコンセプトを考えて深堀していく、個人で進めていくものが大半です。今回はグループ設計であり、他大学の学生や日本能率協会さん、山本想太郎さん、工芸社さん、アイジー工業さんといった多様な協力先からの意見やアドバイスを受け、それらをどのように設計に反映させるかが最大の課題となりました。このプロセスは個人設計にはない難しさと、同時に新たな学びをもたらす貴重な経験となりました。
白井:
当初は円形のブース案で、サイディングやオクタノルムを利用してつくる空間としては難しい構造であったと伺いました。私も設計課題の発表の講評で模型だから誤魔化せるけど、実際はそうはいかないよと言われた記憶があります。
角田さん:
一番楽なのは実現可能性が高いアイデアから設計することですが、今回はできるだけ遠くにボールを投げてみて追えるかという目標設定を高くしました。ブースを構成する材料の規格による制限があり、案の変更を余儀なくされる中で完成に向けて自分たちが何を譲れて何を譲れないかの意見が重要であり、コンセプトに何度も立ち返って試行錯誤しました。
白井:
様々な意見をまとめながら現実的な実現性を考えつつも、理想を追い求める姿勢に私も刺激をいただきました。この経験が、皆さんのこれからの取り組みに役立つことを心より願っています。本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。
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みなさん、現場の雰囲気を感じていただけたでしょうか?
最後になりますが、今回の展示会ブース設営の材料準備にあたってご協力いただいたSCM部や寒河江工場の皆さま、お忙しい中ありがとうございました。
担当:白井
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