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2021/6/25 吉瀬真珠 生誕祭 ~シンジュデレラ舞踏会への招待状~



 6月25日金曜日。




東京渋谷はこの日も太陽が雲の背中から一日中熱し続ける夏日。
雨が降る恐れもあったが耐え,少しじめじめとした暑さ,
日本の若者の中心地渋谷センター街の喧騒と混雑が全身を包む。

本拠地から飛び出した東京会場という特別感と街の熱気は,
昨年の開催はかなわなかった,念願の吉瀬真珠生誕祭のウォーミングアップとして充分だった。



 午後6時。

所用を済ませ,会場に向かう。
会場のVeats SHIBUYAの前の待機列にはいつも見る顔もいれば,
東京会場ということもあり,あまり見かけない顔も多くいた。
平日開催なのでスーツ姿や制服姿のファンも多い。



 会場に入る途中,サイリウムがスタッフから渡された。
着席してから3曲目で点灯するという指示。
どこかのMCの後の3曲目という感じか。
曲名は知らされていないため,何の曲で点灯するのかという新たな楽しみが生まれた。

 会場はすぐに満員になった。
本拠地の東北ではなくさらに平日開催で,
なおかつ生誕祭という特殊なイベントという条件が重なってもしっかりと会場を埋める様子から,
今のいぎなり東北産の勢いがわかる。

整理番号が遅かったためすべては聞けていないが,
会場BGMは
『チェケラ』『C.P.U!?』『SUPER STAR』
などほとんどがCheeky Paradeの曲だった。
Cheeky Paradeは吉瀬が尊敬するアイドルとして挙げるグループだ。
生誕祭の会場BGMもそれぞれのメンバーの個性が出ていて非常に面白い。




 午後6時30分を少し過ぎた頃,会場が暗転する。

 1曲目は松谷祐子『ラムのラブソング』
会場BGMの,低音域の力強いキックと高音域のシンセが鳴り響くアップテンポなCheeky Paradeの曲とはうってかわって,
ゆったりとした中音域が厚めの曲だ。
そして吉瀬の登場とともに会場のどよめきのような空気を感じた。
普段の吉瀬からはあまり想像のできない,ピンクのキューティーなドレス衣装を纏っていた。


スカートの部分にはピンク色のクマがついている。
サブタイトルの「シンジュデレラ舞踏会」に合わせた衣装だ。


 続いて2曲目は松田聖子『渚のバルコニー』,3曲目は酒井法子『碧いうさぎ』と90年代のスローテンポな曲が続く。
90年代の曲に合う柔らかい声で歌い上げた。


 他の東北産のメンバーも登場し,最初のMCが始まる...かと思いきや,
一瞬メンバー全員が静止する。
すると吉瀬が
「あ,そうだった」
と思い出したように「うぢら,みちのくのスターダスト~」の挨拶をし始めた。それに続いて
「私がシンジュデレラです」
と吉瀬。
 入場時に全員に渡された“招待状”の話になる。

吉瀬「最初はチケットが紙だと思ってたんですよ。
そしたらチケットに『招待状』って書かれてたら(発券時に印字されていると),(シンジュデレラ舞踏会の)招待状っぽいじゃないですか。
それいいなあって思ってこのタイトルにしたんですけど...
フフフッ...紙じゃなくて(笑)」

葉月「電子チケットだもんね,このご時世」
吉瀬「なのでー,作りました」

といい,全員分の“招待状”が手作りであることを伝える。


手作りの細工を興奮気味に絶賛するメンバー。
藤谷も「すごいがんばってたもんね」と吉瀬を褒める。
 MCは衣装の話題に移る。メンバーも「普段の私服もこんな(キューティーな)感じではないから意外」とのこと。
他方で「可愛い」「似合ってる」と絶賛。

葉月「(客席の)みんなペンライトを振るのも忘れて見入ってた」
律月「真珠がでてきたときみんな間抜け面してた」
葉月「東北産じゃ絶対にない衣装。お金払っても着させてもらえない」
律月「やだーまだ諦めたくないー(泣)」
吉瀬は「衣装のポイントはガーター」と言って会場の皆産に見せようとするもほとんどの人が見えず,
「見えないか」といいながらピョンピョン跳びながら見せようとする。
なお,それでも客席からは見えなかった。
藤谷は「(つい脚を)見ちゃう」と言って脚の間近でガーターを凝視するも軽くあしらわれていた。



 MC後,4曲目のback number『瞬き』を披露する。
 続く5曲目は斉藤和義『歌うたいのバラッド』
これは2019年6月22日に開催された東北ツアー「東北文化遺産をたずねて」の盛岡公演の2部で一度吉瀬が披露している。
ラスサビのアウフタクトの部分で拍がズレたが,
「えへへ」
と右手人差し指で頭を指して首をかしげ,持ち前の愛嬌でカバーした。

『歌うたいのバラッド』が終わると安杜と桜が登場し,
6曲目のパンダライオン『サヨナラしても好きな人』が始まる。
 6曲目が終わると,メンバーが全員登場し,MCに入る。
直前の『サヨナラしても好きな人』を受けて,
吉瀬が東北産加入前からパンダライオンが好きで,
ライブにも行っていた
という話に。
葉月「古参なんだよ!」「もはやおまいつ」話題は生誕生写真に移る。
吉瀬「生写真では高校3年生なので(高校生が今年で終わるため)制服を着ようと思った。
普段制服のスカートは膝くらいなので生写真のスカート丈は短く感じた」

葉月「そうだよね,普段長いもんね」
藤谷「スカートの短い部分は後で糊ではっつけておくね」
葉月「それはよくわからない」
また,制服衣装に関して安杜は「マネージャーに『安杜は制服が似合わないが真珠は似合う』と言われた」と告白。

その後,吉瀬以外のメンバーの着ているTシャツ(吉瀬真珠生誕グッズ)の話になる。
吉瀬「みなさん,(このTシャツを)買いましたか~?
あまり着てる人多くないっぽいですねえ~」

吉瀬はこのTシャツの説明を続ける。
吉瀬「実はこのTシャツ,暗いところで光るんですよ。...
(PA卓のスタッフを見ながら)え,光りますよね?
合ってますよね?不安にさせないでくださいよ」

そして実際にTシャツが光ることを確かめようという流れに。
手を筒のように丸めて確認しようとするも客席には全く見えないため,
照明を落とすことに。しかし,あまり光らずメンバーや皆産から笑いが起こる
メンバーいわくわずかに光っているようだったが,
後方の座席からは全くわからなかった。
この流れの間,藤谷は何度も「光るパジャマ」とつぶやいていた。
桜も「(ステージを)暗くするの楽しい!」とはしゃいでいた。


MCを終え,再び吉瀬をステージに残し他のメンバーはステージを去るが
藤谷は留まったまま吉瀬の近くに進み,「緊張するね~」と吉瀬に言う。
吉瀬が藤谷の方を見ると「あ,間違えた」とわざとらしく言い,ステージ袖に戻った。


「それでは聞いてください。『オーケストラ』」と吉瀬が言うと,会場から再びどよめきと似た空気が。
時勢が時勢なら歓声が上がっていたのだろうか。
7曲目はBiSH『オーケストラ』
先ほどまでのスロー~ミディアムテンポから少し雰囲気が変わった。ここでは力強い歌声を会場に響かせた。
 7曲目が終わると葉月,伊達が登場し,次の曲が始まった。


8曲目はCheeky Parade『放課後カタルシス』
『オーケストラ』に引き続き近年のアイドルの曲だ。
そしてCheeky Paradeは前述のように吉瀬が尊敬すると語るグループ。
これまでは歌で魅せる曲が多かったが,ここではダンスで魅せた。
ダンスが特技だという吉瀬のしなやかでキレのあるダンス。
7~8曲目は吉瀬のカッコイイ面が存分に表現されていた。



その後,残りのメンバーも出てきてMCに。メンバーから皆産に着席するように指示が。
なるほど,このMCが終わった後の3曲目がサイリウムの曲か。準備をしておこう。
吉瀬が水分補給をするために後ろに下がると,
事前に収録された吉瀬の声でMCでの企画の説明がなされた。
「吉瀬真珠にききたいこと」と題して,メンバーが即興で吉瀬に質問をし,それに吉瀬が答えるという。

吉瀬真珠にききたいこと

北美「(血液型)何型ですか?」
吉瀬「O型ってことにしてたけど本当はわからない」

桜「何卵派ですか?」
吉瀬「温泉卵」

伊達「好きなお肉の種類は?」
吉瀬「ハラミ」
伊達「同じ!!!」
吉瀬「ハラミ同盟組もう」

葉月「今食べたいものは?」
吉瀬「ハラミ」
葉月「いや,さっきの質問に引っ張られてるでしょ」

桜「(髪を)ショートにする予定は?」
吉瀬「ない」

橘「家族に伝えたいことは?」
吉瀬「え~家族?へへへっ」

桜「(衣装の)クマの名前は?」
吉瀬「ない」
藤谷「ひろし?」

葉月「寝坊して最短何分で準備できる?」
吉瀬「前日に準備をするといつも寝坊する。以前起きてから10分で駅に着いて新幹線に乗ったことがある。たまたま信号に引っかからなかった」

安杜「今おすすめのマンガは?」
吉瀬「スラムダンク」

桜「日本じゃなかったらどこに住みたい?」
吉瀬「イギリス」

律月「高校生のうちにやりたいことは?
吉瀬「夏祭りに行きたい」

葉月「染めてみたい髪色は?」
吉瀬「染めるなら無難に茶色かな。でもあえて派手に水色とかいっちゃう?」

桜「はいはいはい!(挙手)ここ何ですか?(自身の身体を指さす)」
吉瀬「肺!」
桜「正解!」

律月「コナンの推しメンは?」
吉瀬「やっぱり工藤新一」

橘「今日やった曲で一番好きな曲は?」
吉瀬「ラムのラブソング。世の中の全ての男の人に聞いてほしいですよね。」

桜「一日他のメンバーになれるとしたら,なりたいメンバーは?」
吉瀬「美海ちゃん。美海ちゃんっていつもギャグをしているイメージじゃないですか。それを覆したい」
藤谷「イメージ商売なんだからやめてよ!」

北美「生誕祭の準備で一番大変だったことは?」
吉瀬「衣装。美海ちゃんに助けてもらった」

葉月「これからの人生で絶対にやりたいことは?」
吉瀬「やりたいこと?」
葉月「バンジーとか」
吉瀬「バンジーはやらない(即答)。シンジュデレラ城を作ってそこに住みたい。ガラスの靴を履きたい」
伊達「絶対に靴擦れする」
葉月「夢壊さないでよ」

藤谷「阿部寛と舘ひろし,どっち派?」
吉瀬「選べない」

吉瀬「他に質問ある人?」
他メンバー「...(質問を考えてる顔をしながら沈黙)」
吉瀬「よし,(このコーナーを)終わりましょう!」




そして話題は吉瀬がインスタグラムを開設したというものに移る。
今後,現在の幼少期のワニとのツーショットのアカウントから変更するつもりなのか聞かれた吉瀬は
「いや,今のまま」
と答えた。すると葉月は「キッズアカウント?」と返答。


IDが他のメンバーの〈名前_official〉という形式とは異なるshinju_helloというのが面白いと言われると笑いながら

吉瀬「これ言っていいのかな,花怜ちゃん,言っていい?」
橘「あはは,いいよ」
吉瀬「インスタを開設した時に花怜ちゃんから『“シンジュヒーロー”ってIDかっこいいね!』ってLINEがきた」
と暴露。
「え,真珠と花怜って同い年の高校3年生だよね,大丈夫?」
とツッコミが入り,ステージ,会場ともに爆笑。
その後「確かにヒーローとも読めるもんね」という強引なフォローが入る


MCを終え,吉瀬以外のメンバーが退けるもまた藤谷がステージに残り,「緊張するね~」と言いながら吉瀬の近くへ。吉瀬は藤谷を笑いながら見ると,藤谷は「あ,また間違えた」と言い急いで舞台袖に退けるという天丼を披露。


 客席は着席したまま9曲目のスキマスイッチ『奏』,10曲目のONE OK ROCK『Wherever you are』と続く。

そして次は着席後3曲目,サイリウム点灯のタイミングだ。
こういったサイリウム点灯系の企画は往々にして「本当にこのタイミングで点灯するのか,間違えていたらどうしよう」と不安になる。
しかし,歌い出しを聞いて間違いなくこのタイミングだと確信できた。

このライブ11曲目,着席後3曲目はAimer『星屑ビーナス』
2年前の6月22日,東北ツアー「東北文化遺産をたずねて」2部1曲目,
吉瀬が東北産に加入して初めて迎える誕生日当日のこのライブで,
同様のサイリウム企画を行った曲もこの『星屑ビーナス』だった
『星屑ビーナス』の冒頭の歌声を聴きながらこれまで2年間の吉瀬の軌跡に思いを馳せていると,気づけば会場一面に緑色の輝きがが広がっていた。


曲が終わると,ハッピーバースデーのサプライズ大きなお菓子の塊が吉瀬にメンバーから渡される。
「これ(=この形)何に見える?」と聞かれると,吉瀬は
「もしかして!まさかシンデレラ城?」
と元気よく,正解を確信したように答え,メンバーは全員ずっこけた。
正解は大量の袋入りのチョコ菓子で形作られたクマだった。
伊達いわく「さっき真珠が歌い出したら壊れたので急いで直した」とのこと。

続いて『星屑ビーナス』緑のサイリウムの感想を求められた吉瀬は
「未来少年コナンのラナになったみたい」
と答えた。また,18歳の抱負を求められると
「18歳も私らしくいっぱい楽しんで過ごせたらいいなと思っています」
と語った。これを見た北美は「(今日のライブを通して)真珠がいっぱい喋っているのがうれしい」と言う。
それに対して
「普段のMCで話すのは緊張する」と吉瀬。


ライブはラストパートに入る。12曲目はCheeky Parade『Cheeky dreamer』。吉瀬,律月,北美,橘,藤谷の5人で披露した。

“せーの! GAN GAN GAN いざ突き進め
狭き門 上等じゃん 見事 突破してやる
GAN GAN GAN 鳴り響く鼓動
胸の中 熱いんだ 今 私 夢の途中”

歌詞がどこか今の東北産に重なる。
続く13曲目は引き続きCheeky Paradeの曲で『BUNBUN NINE9’』
Cheeky Paradeの人数と丁度同じ,東北産メンバー9人全員揃って披露した。この『BUNBUN NINE9’』はCheeky Paradeのメジャーデビューシングルの表題曲で,
アップテンポな四つ打ちのキックが心地よく前向きな,
駆け抜ける決意の曲だ。
オリジナル曲1曲目の『天下一品~みちのく革命~』をエースピッチャーとして大事にしている東北産との親和性が高い。
東北産の持つ堂々とした力強い歌やダンス,負けん気とこの曲とがうまく噛み合って,
まるで自分たちの曲としてずっと歌ってきたかのようなエネルギッシュなパフォーマンスだった。

ラストの曲は全員でパンダライオン『アリガトウのウタ』を披露した。

“僕が全然ダメな時も
肩を貸してくれた人がいて
決して弱音なんて吐かず笑いかけた
このままじゃ終われない
そう思えたとき
期待を上回ると決めたんだ
君と笑い合うと決めたんだ”

“僕らは一番を追いかけて
果てしない坂の途中で上を見る
君らが知らぬ間に愛をくれて
これは何の歌 君へ歌う アリガトウのウタなんだ”


東北産メンバーへ,そして皆産へ「アリガトウ」を届け,この日の歌唱をすべて終えた。
 曲が終わり,最後に吉瀬が
「皆産皆さま,今日はお越しくださいましてありがとうございました。
それでは,ごきげんよう~」

とシンジュデレラとして挨拶をして,この日の熱いライブは最高潮の熱さのまま幕を下ろした。





吉瀬が
得意とする曲,
以前披露したことのある曲,
初めて披露する曲,
好きな曲,
憧れの曲,
スローテンポの曲,
アップテンポの曲,
そしてMC
どこを取っても吉瀬の多種多様な魅力であふれていた

まだ知らない魅力がたくさん潜んでいるのではないかと改めて思わせてくれるようなライブだった。


 そしてこのライブで強く感じたのは,今の東北産の団結感と勢いだった。

吉瀬個人がフィーチャーされる生誕祭の場で,
しかも東北産の曲が1つも披露されず
これまでのどのメンバーの生誕祭よりもソロ歌唱の回数が多かったライブで,
東北産というグループ全体に関して強い印象が残るというのも少し変な気がする。


しかし,MC中にメンバーの言った
「真珠は表には出さないけど実は東北産のことをよく考えている」
というセリフにも表れている,
吉瀬の東北産というグループやそのファンに対して思う強い気持ちが,
2年半前新たに加入した吉瀬をともに汗を流す仲間として受け入れともに駆け抜けてきたメンバーとの関係性が,
そして同じ目標をもって一つになった東北産の9人の熱い心
そう感じさせてくれたのだろう。


吉瀬の歩んできたアイドル道が,
今のかけがえのない仲間である東北産8人の夢と合流1本の道となり,
憧れははっきりとした輪郭を持った目標に形を変え,
たくさんのことを叶えながらひとつの未来へと走り出す。



そんな吉瀬のアイドルとしての道を,
そして
東北産というグループの輝かしい道のりを,
これからも目を離さずに見ていきたいと強く思わされる1日だった。



ブレーキなんていらないでしょ 
さっ行こうNINE9’



吉瀬真珠 生誕祭 ~シンジュデレラ舞踏会への招待状~ セットリスト

1. ラムのラブソング / 松谷祐子
2. 渚のバルコニー / 松田聖子
3. 碧いうさぎ / 酒井法子
4. 瞬き / back number
5. 歌うたいのバラッド / 斉藤和義
6. サヨナラしても好きな人 / パンダライオン
7. オーケストラ / BiSH
8. 放課後カタルシス / Cheeky Parade
9. 奏 / スキマスイッチ
10. Wherever you are / ONE OK ROCK
11. 星屑ビーナス / Aimer
12. Cheeky dreamer / Cheeky Parade
13. BUNBUN NINE9' / Cheeky Parade
14. アリガトウのウタ / パンダライオン

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