2021/6/6 Power Into Tohoku ツアー Team いぎなり東北産 2021 豊洲
2021年6月6日日曜日、東京豊洲
いよいよPower Into TohokuツアーTeamいぎなり東北産ファイナル、豊洲PIT公演が始まろうとしている。
ファンミーティングが始まる前はパラついていた小雨も、終了後には晴れ間が見え、ツアーファイナルを祝福しているかのよう。
会場へ入る。
チケットは事前に完売したことが発表されている。そのことからも現在のいぎなり東北産の注目度の高さをうかがわせる。
いよいよ開演の時間が近づく。
仙台PIT等でもBGMに使用された猪苗代湖ズの「I love you & I need you ふくしま」や、みやぎびっきの会の「虹を架けよう」が流れる。
その他には
Desperado / イーグルス
ダディ・ダーリン / G-FREAK COMPANY
JAM / THE YELLOW MONKEY
雨上がりの夜空に / RCサクセション
にじ / カラフルパレット
などもチョイスされていた。
「虹を架けよう」が終われば開演。
会場の緊張感が高まったその時、皆産の中から拍手が。
その拍手は次第に会場中に広がっていく。
ツアーファイナルを無事迎えられたことへの祝福と、ライブへの期待感が会場を包み、温かくメンバーを迎え入れる。
会場が暗くなり、オープニング映像が流れる。
そしてツアー専用のoverture。これで聞き納めかと寂しく感じるのも束の間、メンバーがジャージで登場し、一気に会場のボルテージが上がった。
そして1曲目「シャニムニポジティボー」。
初手から元気な東北産を見せつけていく。
中盤の、本来であれば安杜のみのセリフパートとなっている部分では、
メンバーが各々ツアーファイナルとなる本公演への意気込みやメッセージを口々に言葉にしていく。
律月は「今日起きてるから夢を一緒にみようね」と言ったが、実はこれは言い間違いで、本当は「今日は起きてるからみれる夢を一緒にみようね」と言いたかったと後日ブログで語った。
曲のラスト、人文字でツアー名を表現すると、ジャージを脱いでCA風衣装へ早着替え。
そして2曲目の「うぢらとおめだづ」で会場は更なる盛り上がりを見せる。
先日の仙台PITのMCでも語られたことだが、この日も「バーチャルデートじゃ絶対できないキスをしよう」のパートでの葉月と安杜はもはやキスというより、ただの取っ組み合いとなっていた。
続いて「伊達サンバ」。
間奏部分ではここのところ恒例となりつつあるダンスバトル。
この日はこれより前に大宮で私立恵比寿中学の公演が行われていたこともあり、私立恵比寿中学の「サドンデス」の曲中のダンスサドンデスの振りを模したものとなった。
北美の煽りによってメンバーの振りもどんどん大きくなっていく。
一体誰が勝者となって落ちサビを歌うのかと思いきや、なんと落ちサビを勝ち取ったのはメンバーのダンスバトルを散々煽った北美であった。
北美が落ちサビをしっかりと歌い上げると、盛り上がりがさらに加速した。
そして勢いそのままにここで追い討ちをかけるかの如く「BUBBLE POPPIN」。
冒頭で安杜は「一つ心配なことがあるんですけど…それは農園なんですけどね…」とEBeanS屋上の農場長としての一面を覗かせつつ、心配事もあるけど盛り上がっていこう(意訳)と煽った。
フォーメーションの美しさで魅せつつ、中盤のラップでは、韻を踏む部分を全員で歌うなど、これまでにも増してアゲ曲として深化していた。
ここでようやくMC。
挨拶や、この日ニコ生で放送されている事などの説明をひと通り終えると、話題は本ツアーに関する事へ。またこの日、所属事務所の幹部が顔を出している事も明かされ、藤谷が「私面白いでーーーーす!!」とアピールする一幕も。
葉月が「4つのPITを回ってきて、ここ豊洲がラストなんですけど…」と語ろうとすると、
桜「5つ目…」
と桜が、誤った指摘をしようとしてしまう。
葉月「5つ目?4つ目!」
桜「そう4つ目!」
葉月「もんちゃんの中ではPITが一つ多かったみたい笑」
桜「どこPIT?」
と間違いに気付き照れるというお茶目な一面を見せる。
その後、葉月から仙台PITで行われた歌合戦において、とうほくちゃんが勝ち取った肩たたき券がこの日の開演前に使用された事が明かされた。
そしてこの日も歌合戦を行う事、その賞品が「お使い券」であることが告げられる。それもただのお使い券ではないハードモードなお使いである。
いぎなりちゃんが負けた場合は「以前葉月がハワイアンズで紛失したグッズのサングラスを探してくる」というもの。
このお題を発表した際、藤谷が「メルカリじゃダメなの?」とブラックジョークを飛ばす場面も。
また、とうほくちゃんが負けた場合は「伊達が高速道路のパーキングエリアでばら撒いてしまった特典券を探してくる」というものとなった。
この後葉月によるセルフボケ及びツッコミが炸裂するが、割愛。
歌合戦は「我ら」で始まった。各々意気込みを口々にし、臨戦態勢である。
先攻のとうほくちゃんは「青春修学旅行」から。葉月のはっちゃけぶりがこの日も際立つ。
後攻のいぎなりちゃんは、藤谷が「どけどけどけーー!」ととうほくちゃんを払い除けて、「乾杯ニッポン」で応戦。
すると今度は背後から律月が「浮気ってどこからが浮気なんだろうねぇ…ねえ、この人たち誰?」と狂気に溢れる言葉でいぎなりちゃんを追い払って「あなたは」を歌唱。
続いて伊達の「道開けろーーー!!!」と勢いのある声から「いただきランチャー」へ。
次に背後から年上であるとうほくちゃんが、妖艶にいぎなりちゃんに身体を絡ませてからの「Chim Chim Chim Knee」の歌唱。後のMCで橘はこの場面を「興奮しちゃった」と語っている。
そして桜の煽りからの「No Make」で一気に盛り上がる。
ここからとうほくちゃん、いぎなりちゃんそれぞれの新曲のユニット曲を披露。
まずはとうほくちゃんの「未成年」。メンバーそれぞれの特徴を生かしたラップが心地よい。
続いていぎなりちゃんの「Fly Out」。落ちサビの最後(ラスサビ前)には、藤谷が他のメンバーに劣らぬ歌唱を見せて会場を湧かせる場面が印象的だった。
ここで歌合戦は終了し、「ワンダフル東北」「天下一品 〜みちのく革命〜」を披露。会場の一体感はさらに増していた。葉月はこの後のMCで「チーム感がすごかった」と語っていた。
MCでは、歌合戦の結果が発表され、またもやとうほくちゃんが勝利を手にした。
また、PITツアー全てを一緒に回ってきたお友達として、メンバーが思い思いに絵付けしたこけしを紹介した。
葉月が「ツアーを回ってきてるから、このこけしには力があると思う。」と発言すると、「そういうの大好き!」と橘が異様な食い付きを見せ、葉月が少し戸惑う場面も。
ここで、葉月と橘の2人で、震災から10年の節目に、PITツアーを東北産が行う意味が語られる。
そして「3000days」の披露。仙台PITの時から、曲の一部に振り付けが入ったことにより、曲の重みは残しつつも少し柔らかさを増した印象を受ける。メンバーが丁寧に歌う様子も印象的だった。
続いて「Whatever」が披露される。
彼女たちの圧倒的に力強い歌声で会場を包み込む。
東北産が描く夢や希望に対する思いを情感込めて歌い上げた。
そして「深夜特急」。
ライブでは初披露となった。
スポットライトがあたった吉瀬がイヤホンを耳につける仕草をし、電車の走る音が響く。
曲の冒頭は吉瀬のソロから葉月のソロ。2人の透明感のある綺麗な歌声が印象的だった。
また、伊達とのユニゾンを見事に歌い上げる藤谷、律月と安杜のセリフパートなど見どころが多い。
曲はアルバムのタイトルにもなっている東京侵略という夢と、それに向けてもう後戻りはしないという覚悟を描いたもので、メンバーはこの歌詞を自らの境遇と重ねてしっかりと歌い切った。
ここでMCとなる。
初披露となった「深夜特急」について、葉月は長渕剛の「とんぼ」がシンクロしている事に言及。とんぼが観客と合唱する曲であることを踏まえ、「(深夜特急は)歌わないでね!一緒に!」と皆産を諭す場面も。葉月は「とんぼ」が好きだったり、かつては皆産と大合唱することが定番でもあった事から、特別な思いがあるのかもしれない。
さらに話題は武道館に関する事へ。4月1日に行われた緊急配信にて、武道館を目指す事を宣言したものの、半ばマネージャーに言わされたような形となっており、自分達で覚悟を決め切れていなかった事を葉月は告白した。
その現状を踏まえ、メンバーだけで武道館という目標について話し合いの場を持った事を明かした。そして、橘の口からその話し合いを経て、「私達いぎなり東北産は、自分自身(の意志)で日本武道館へ行くことを決めました!」と改めて武道館を目標とする事を高らかに宣言した。
さらに10月に大一番ライブが東京立川で行われることの告知が行われた。
ここで律月によるクラップ練習の時間。皆産が律月の指示通りにクラップをすると、「すごーーーい!!すごいね〜。本当にすごいよ!でももっともっとみんなで盛り上がっていけるかなーー?」とさながら幼稚園の先生と園児の様相。子供の頃こんな先生がいたらと思わずにはいられない。
場が温まった所で「Action!」が披露される。
曲中盤、「ホール!」「アリーナ!」とメンバーのコールに合わせて皆産がクラップする部分、「武道館!」「武道館!」にコールを変える場面は仙台PITでも見られたが、この日は武道館を目指す事を再度宣言した直後であったということもあってか、これまでに増して気合の入ったコールになっているように感じられた。
続いて「おのぼりガール」。
この曲でメンバーも皆産もさらにテンションが上がっていく。
特に橘が随所随所に合いの手を入れるなど、テンションの上がり方が印象的だった。
続く「Burnin’ Heart」は、伊達の煽りに始まり、タオルを回す部分では律月や北美も煽りを担当。盛り上がるだけでなく、終始カッコよく曲をまとめ上げた。
そして「桜プロミス」。
サビの部分は皆で踊れる簡単な振りとなっており、会場一体となって盛り上がりを見せる。この曲では全編橘が煽りを担当していたが、まさに魂の叫び、咆哮と言えるものになっていたと感じた。
途中から言葉自体は何を言っているのか分からない、ニコ生を見返しても分からない。しかしながらライブを楽しんでいること、一生懸命であることが痛いほどに伝わってくる、そんな橘の煽りに会場の盛り上がりは最高潮に達したのだった。
いよいよ最後の曲は「Being」。
ラスサビまでは全てソロパートで構成されており、メンバーそれぞれの歌唱力の強さを感じる。
そしてラスサビで、全員の調和の取れた歌声で会場を魅了、しっとりと歌い上げた。
鳴り止まぬ拍手喝采の中、全員で挨拶をして終演となった。
公演全体に言えたことで、メンバーもMCやブログで言及しているが、この日はとにかく拍手が鳴り止まず会場を包んでいた事が印象的だった。
声を出してのコール&レスポンスが出来なくなって久しいが、本公演ではメンバーの最高のパフォーマンスとそれに呼応するように拍手で称賛を送る皆産、それを糧にさらに良いパフォーマンスをするメンバー、そこには間違いなくコール&レスポンスが成立していたように感じた。
浅草でアルバム「東京インベーダー」リリースを発表して以来の東京公演であり、初陣となった本公演。
武道館という目標を確たるものにし、口先だけではなくそれに見合う実力もつけ始めている事を見せつけた公演になったのではないか。
東北産は間違いなく武道館への「たしかな一歩」を踏み出した。
2021/6/6 Power Into Tohoku ツアー Team いぎなり東北産 2021 豊洲 セットリスト
1. シャニムニポジティボー
2. うぢらとおめだづ
3. 伊達サンバ
4. BUBBLE POPPIN
5. 我ら
6. 青春修学旅行 (とうほくちゃん)
7. 乾杯ニッポン (いぎなりちゃん)
8. あなたは (とうほくちゃん)
9. いただきランチャー (いぎなりちゃん)
10. Chim Chim Chim Knee (とうほくちゃん)
11. No Make (いぎなりちゃん)
12. 未成年 (とうほくちゃん)
13. Fly Out (いぎなりちゃん)
14. ワンダフル東北
15. 天下一品~みちのく革命~
16. 3000days
17. Whatever
18. 深夜特急
19. Action!
20. おのぼりガール
21. Burnin' Heart
22. 桜プロミス
23. Being