中国がアツい

私の中ではここしばらく中国がアツい。

鈴木大拙の『禅』を手に取ってからだいたい3年くらい経ち、少しずつ禅に触れてきた。『一日一禅』もなんだかんだ80日分くらい読み進め(読み始めたのが3か月以上前なのにそのくらいなのは私の不徳の致すところだが)、9世紀の中国で繰り広げられた禅僧の伝説などを楽しくかみしめている。

禅語を読むにあたっては、ある時漢字への解像度が足りないと感じ、最近はせっせと漢検2級の勉強をしている。
中3の時にあと1点で落ちて以来、まさか再受験することになるとは思わなかったが、知っていても運用できていない語が掘り起こされていく過程や、故事に基づく日本語のいかに多いかを知ることを楽しんでいる。(例えば「私淑」とかはとても便利で大切にできる概念だと思った。私淑してきたことが私にもあると思った。出典は孟子らしい。)
出題される四字熟語も、禅者の機縁によるものが散見される。2回目の受験は、ただ資格を取得するためではなく、世界を味わうために漢字一字一字に意識的になる作業になっている。

15歳に漢検2級を受けたころと比べると、だいぶ世界を楽しめるようになったものだと感慨深い。

多くの人と同様、キングダムも中国をアツくすることに一役買っている。アニメをすべて見て、単行本を友達に借りて追いついて、今はKindleで買って読んでいる。
最近は各巻で泣きそうになるようなセリフが出てくる。善く生きるための道を確認できる。諸子百家の活躍も生き生きと見えてくる。
漢検2級で過去一番出題された四字熟語は「合従連衡」らしいが、それ全部キングダムで見ました。

ただ、中国がアツい原因として一番大きいのは多分出張で上海に行ったからではないかと思う。
1週間程度だったが、上海の空気を吸ってきただけで、体内で触媒のように働いているように感じる。

フィールドに出る学問を修めきれずに出てきたが、フィールドの効用だけは信じられている。


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