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iGEM=No sleep?!高校生でiGEMをやって思ったこと
私はiGEM Grand Tokyoにて、WetとEducation 班で活動しておりました、土屋咲です。
UTokyoGSC-Nextという研究プログラムに参加しており、(私個人としては植物工場でのレーザー光線の使用と光合成や植物の形態に関する研究を行っております。)そこのメンバーチャットでiGEMの高校生チームのメンバー募集をしていたことがきっかけで2月頃に入りました。
iGEM自体はもともと[The Genesis Machine]という本で知っていて、昨年の高校生チームであるJapan Unitedさんが開催していた実験教室に参加したこともあり、来年自分もチームに入れたらなあ、とはなんとなく思っていました。
私が加入したときにはすでにテーマが納豆ということで決まっていました。
加入してすぐは、Educationをどのように進めていくかを考えたり、とHuman Practicesをちょっと手伝ったり、あとは「バイオビルダー」や「遺伝子工学 基礎から応用まで」などを読んで合成生物学の知見を増やそうとしていました。
もっと勉強するべきだったなと今でも後悔している部分はあります。(特にiGEMという大会そのものについて)あとにも触れますが、このことがしおりさん(全体リーダー)の負担を増加させてしまいました。
私は当初Educationメインでやっていくポジションだったため、研究内容自体にはあまり関わっていませんでした。(そのEducationもリーダーに頼りきりになってしまってごめんなさい...) なんだかんだいって時間がたち、研究計画についてはしおりさんやwetリーダーを中心にみんなが論文調査をして決めてくれていました。本当にありがとう...
Educationの実験教室では、昨年参加したものを今度は自分が主催者側になっていると思うと感慨深かったです。これからももっと合成生物学、およびiGEMが広まっていくとよいなと思います。
ここでこのチームの一つの問題点としてあったのが、研究計画は決まったけど、肝心のストーリーが決まらない...ということ。(えらそうに言える立場ではありません)
ナットウキナーゼをより多く生産した結果、人々の健康に寄与できるどのようなproductを作れるのか考えるのはとても難航していました。(結局決まったのは本当にギリギリで…でも、すごくよいストーリーになりました。hupraリーダーが頑張ってくれていました。)
そもそも納豆という素材自体が日本における特殊な食品なのでどのようにjudgeに受けとめられるのかな…と個人的に不安に思っていました。
7月頃にラボでの実験がはじまってから、少しずつ実験に慣れてきて(まだまだおぼつかないところも多いですが)ラボでの時間はとても刺激的でした。本当に多くのことを学ばせていただいて感謝しかないです。バイオ系実験をこんなにまとまった時間行える機会はなかなかないですし…。プロジェクト自体はもちろん、実験スキルを向上させることができました。iGEMの前は細胞の継代をしたことがあったくらいなので…
ただ私は千葉在住で東京のラボまで通うのはしんどい部分も多く、また放課後になかなか行けないのはつらかったし、メンバーにも迷惑をかけてしまいました。
また私は受験勉強をそこそこやっていたため、講習や模試で追われてもいました。
実験は、継続してラボに通う人がいないと厳しいのでしおりさんには感謝してもしきれないです。
実験の日程はかつかつで接合伝達を行うのがとてもギリギリになってしまい、成果を出せるのかとても不安でした。上手くいったと聞いたときには本当にほっとしました。
しおりさんがイギリスに行ってから、なんとか頑張って、(私も彼女に頼りすぎでした… 終盤は実験後終電を逃してタクシーで帰ったメンバーもいました。)フィブリンプレートでナットウキナーゼの増産を確認できたときにはうれしかったですし、自分たちで合成生物学の実験をここまで進められたことに達成感はありました。(もちろんメンバーのみんなや研究室の方を頼りまくりですが)
実験が終わってから息をついている暇は全くなくwiki作成に取り掛かっていきましたが、ここは改善すべき点ばかりでした。wikiについて把握しきれておらず、分担も直前にてんやわんやで決めることとなり、wiki freezeまでの期間で塾がない日はすべてwikiやその他assignmentに費やして、学校で机にぶっ倒れるという生活を送っていました。
自分でいうのもなんですが、コンテンツのクオリティは非常に高く、とても満足していました。メンバーの優秀さに驚くばかりです。これならGold Medalはいけるんじゃないかと期待していました。
wikifreezeの日の11:00ごろ、自分の担当を終えて少し達成感を感じていたところ、wikiのコンテンツが上げられないことを聞いたときのことは忘れないと思います。
私を含めて、全体としての遅れもwikiをあげきれなかったことに繋がってしまいました。
ただただ呆然としていました。
その後メンバーの一人と通話をしていました。彼女は泣いていました。私はまだ現実を受け止めきれず、今までのことやあげられなかった原因を考えながら、彼女と話していました。
夜寝るときになって急に悲しくなり、涙が出てきました。次の日母親にwikiをあげられなかったことを話すなり大泣きしてしまい、ほんとうに何もしたくない気持ちでいっぱいでした。(きっとJamboreeに行ったメンバーは現地で私以上につらいを思いをしていたのでしょう。)
今はどんなに良いものを作っても締切が守れなくては意味がないという至極当たり前ですがとても重要な教訓を痛いほど思い知らされた出来事として捉えています。
8ヶ月ほどigemに携わって学んだことは、合成生物学はもちろんのこと、実験の仕方や、データのまとめかた、論文調査、教えていただく研究者の探し方など数え切れないぐらいたくさんで、誰かと協力してプロジェクトをつくりあげていく難しさをここまで味わったのも初めてでした。この経験を通して人間として成長できた実感があります。
What is igem mean for you?という質問にNO SLEEPと書かれているものがありましたが、iGEMを経て一日の時間の概念が変わりました。体力がついたということで。笑
メンバーのみなさんは能力が高く、一緒にiGEMをやれて本当に良かったと思っています。ありがとう!
研究室の皆様、支援してくださった皆様に心から感謝申し上げます。
土屋咲