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【予備自衛隊訓練】 二日間で娑婆に戻った
2012.02.01 予備自衛隊訓練・朝霞駐屯地食堂での邂逅
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「こんばんわ師匠!お疲れ様です!」
「あ、ああ、おまえか。お疲れ様」
「師匠、なんか駐屯地に行ったそうですが…?」
「ああ、予備自の訓練に行ってきた」
「訓練?またですか?こないだ行ったばかりじゃないですか!師匠はよほど訓練が好きなんですね」
「はあ?なに言ってんだ?予備自訓練は年5日間じゃないか。俺は前回3日間しか出頭してないから、残りの2日間を出頭してきただけだ」
「分割できるんですね」
「できるんですねも何も、5日間通しで出られる奴なんて、理解ある会社に居る奴かよっぽど暇な奴しかいないぞ」
「……で、いったい今回は何を訓練したのですか?銃撃ちました?」
「いや、前回で射撃検定は終わってるし、今回は月火の出頭だから、大したことはしていない。 て言うかおまえ前回5日間通しで出てるだろう。大体想像はつくはずだろ」
「うーん、じゃあ、救命法と座学と地本行事と解団式ですか」
「わかってるじゃねえか!」
「座学って眠くなりますよね。まあ、わたしは眠くなることはありませんけど」 「どっちなんだよ。どうせ居眠りしてんだろ…って、俺も他人のこと言えないんだがな。さすがに昼飯をがっつり食ったあとで座学だと眠くなるわな。今回もうつらうつらしながらだった」
「それはよろしくありませんねえ。これはお仕事なんです。国民の税金から予備自手当が…」
「税金も満足に払ってない奴がよく言うよ」
「払ってますって!」
「どうせ間接税だけだろう」
「…そんなことより、わたしが聞きたいのは座学の内容ですよ。何やってきたんです?」
「今回は法務教育だった」
「ホーム教育?」
「自衛隊の武器使用や武力の行使の根拠になってる法律に関しての講義を受けた」
「で、その根拠とは?」
「………」
「まさか憶えてないんですか?これは重要なことですよ?」
「………」
「新隊員の時から繰り返し習ってますよね?まさか十数年も自衛隊に籍を置いてて簡単な説明すらできないとか…」
「ああ、うるさいな、悪かったよ、講義中居眠りしてたよ。しかも頭が悪いから説明できるほど憶えてないよ。しかし、自衛隊は一般社会の法律を根拠に使用する武器の選択とか使用状況が決まってくるってことは理解した」
「これは大事な事柄ですからね、しかしまあ基本的なことさえ理解していただければそれでいいです」
「…って、おまえ何様だよ!」
「例えば駐屯地警備の際ナイフを手に侵入を試みた暴漢に対し、FH70で応戦するのは警察比例の原則に基づけば過剰防衛にあたるので…」
「おい、その例示は極端過ぎるだろ!それ以前に使用する武器の選択を間違ってる!」
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「しかしだな、教官に対して面白い質問をした人がいてな」
「なんですか?」
「新聞紙に包まれた箱状のモノを持ち歩いている人物が居てだな、その中身がプラスティック爆弾10kgであると何らかの手段・情報により自分は知り得たとする」
「はあ…」
「その人物はそのプラスティック爆弾10kgをこれから国会もしくは官公庁へ仕掛けようとしていることが判明した」
「それは革命的行為ですね」
「……通報するにも応援を呼ぶにも時間的余裕が無かったので自分はその人物を木刀で殴り倒し、プラスティック爆弾10kgの設置および爆発や自爆を阻止した」
「木刀をふつうに所持している時点でアウトのような気がしますが…」
「この人物は自分に対し危害を加えようとしていたわけではないが、国会もしくは官公庁を狙っていたわけであるから、すなわち国民の財産および国民に対し危害を加えようとしていたわけであり、その場合、一国民である自分がその人物に対し木刀を振るった行為は正当防衛と判断されるのか否か、との問いかけだった」
「それ以前に反動的で反革命的な…」
「おい、逆の状況考えてみろ、人民評議会議事堂に反動的反革命勢力の一員がプラスティック爆弾10kgを仕掛けようとしていたら…?」
「………」
「それでおまえがそいつを殴り倒したとする」
「そ、それは重大な事態ですね。で、教官はなんて答えたんですか?」
「教官はかなり悩んでいた。それは公務中なのかそれ以外の状況なのかとか混乱しつつもその人に質問してだな、結論としては、まずは自衛隊の公務中にあり得る武器使用の判断事例を考えてみましょうと言うことになった。 もし予備自が招集されて駐屯地警衛や検問の際の武器使用等の法的根拠が今回の講義内容だったからな。質問が飛躍していたことも確かだ」
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「あと地本の話も興味深かったな」
「東日本大震災の災害派遣の話ですか?」
「やっぱり前回も話があったか」
「まずは即応予備自衛官が約2500名くらい、予備自は語学と医師の技能隊員が計約10名、一般が延べ4千数百名程度が招集されたって言ってましたね」
「即応は現地に派遣されたみたいだ。語学隊員は米軍との通訳やってたらしいな。医師は現地に派遣された駐屯地医の補充で駐屯地医務室勤務だったらしい」
「一般隊員も現地に派遣されることは無かったみたいですね。警衛、補給とか、業務隊の指揮下で駐屯地の諸業務とかが主任務だったみたいで…」
「つうか、これは予想の範囲内だったと言うか。予備自が現地に派遣されるってことは可能性としては低いだろうって俺は当初から思ってたんだよね。て言うか、もともと現役部隊の抜けた穴埋めのための予備自隊員だから駐屯地勤務になるってことは想像がついていたわけで…」
「まあ、冷静に考えればそうですけど…」
「危険な現場に出させて娑婆の職場に復帰できないような事故にでも遭ったら大変だからなあ。管理が容易な場所に置いて使うってのが常識的な判断だろうな」
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「ところで師匠は来年度はいつくらいに出頭する予定ですか?」
「来年度って気の早い話だな」
「また一緒に訓練出たいので」
「やだよ」
「なんで?一緒に行きましょうよ」
「おまえと一緒だと面倒くさいことばっかりだ」
「ひ、ひどい…」
(24.2.1)
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