陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会~その1~
2011.09.07
初出Jugemブログ『西雑司が谷遠足同好会日誌』異界洋香奈
【開催日】 9月7日(水)1130~
【開催地】 池袋駅西口~(車輌移動)~朝霞駐屯地・陸上自衛隊広報センター
【参加者】 白虎野さん…「ビスマス」の中の人。 最近メタモルフォーゼしたらしい
帰還兵くん…この夏はいろいろと学んだことが多かったらしい 会長…遠足会主催者。夏バテ気味
集合場所に一番最初に到着したのは会長だった。
携帯が振動する。
「会長いまどこっすか?」帰還兵くんからだ。
「いや、もう着いてるんだけど…」
「珍しいっすねえ。いまブックオフにいるんですぐに向かうんで待ってて下さい」
なかなか失礼な奴。 しかしこれも会長の日頃の行いが招いたこと。
「おまたせっす」と帰還兵くんが合流したものの、白虎野さんがまだ来ない。
「普段はかならず連絡があるんだけどなあ」
なんとなく嫌な予感がした会長は白虎野さんに電話をかけた。
「すみません、たった今起きました。すぐ向かいます…」
平謝りの白虎野さん。
「いや、いいよ。これからレンタカー受領するから、それで途中で拾うから。家はたしか××通りの近くだよね?」
「はい、そうです。××公園が近いのでその近くで待ち合わせを…」
打ち合わせに時間がかかっている二人のやり取りを聞いていた帰還兵くんが口を挟む。
「会長、白虎野さんに家の住所を訊いてください。それをカーナビに入力すれば家までナビしてくれますから。 到着したら電話入れればそれが一番簡単で間違いのない方法っすよ」
さすが帰還兵くんナイスアイディア。
「文明の利器は使いこなしてこそ、その価値があるってもんすよ」
途中で白虎野さんを拾って会長の運転する車は川越街道へ。
練馬駐屯地前を通り過ぎ、笹目通りを越えてしばらく進むと朝霞駐屯地に到着です。
「せっかくだから駐屯地外周をまわってみようか。朝霞は結構広いんだよ」
広報センター前を通り過ぎて次の信号を左折。
外柵沿いを進んで行きます。
「あれえ?あんなところに馬がいますよ!」
「ああ、あそこは自衛隊体育学校だよ。たしか近代五種競技の馬術のための馬を飼ってるんだ。 体育学校出のオリンピック選手って結構いるんだよ」
「こっちの右側の敷地はなんですか?かなり広いんですけど」
「そこは根津訓練場っす。戦訓場や屋内射場や自訓とかあるっす。 陸自の観閲式もこの場所でやるっすよ。あとは奥の人目につかない所に秘密の施設がいろいろと…… 」
車は更に左折。大泉中央公園と和光樹林公園が見えてきます。
「実は川越街道沿いじゃなくてこっちにあるのが正門なんだよ」
「え?そうなんですか?なんかこっちは暗くて地味な感じがしますが」
「朝霞駐屯地は東京と埼玉にまたがってるっすよ。ここは練馬区だけど、朝霞市、和光市、新座市も含まれてるっす。 あれは会長が予備自で泊まる隊舎っすよね?あそこは和光市です」
外周をまわって再び川越街道へ。いよいよ陸上自衛隊広報センターの見学です。 平日の昼下がりとあって駐車場は閑散としていますが、なにやら老人ホームのバンが一台と観光バスが一台駐まっています。
「あの年代のお年寄りだと一応戦時体験があるんだろうけど、なにゆえ広報センター見学に…?」
「こっちのバスは中坊っすよ。社会科見学かな。それともこの歳からツバつけとくとか洗脳とか…」
建物入口から少し離れた所に設置された“煙缶”…喫煙所にて会長と白虎野さんはしばし一服。
館内もこれまた閑散としています。
勤務している自衛官のみなさんもなんだか退屈そう。
まずは2階の展示コーナーで陸自の歴史や遺産を学びます
研修室には自衛隊関連の図書が並び、中には自衛隊を題材にした漫画本なんかもあったりします。
その脇にある視聴覚コーナーでは昨年度の富士総合火力演習(総火演)のビデオが流れていました。
会長と白虎野さんはしばしビデオを視聴。帰還兵くんは図書や自衛隊広報紙なんかをあさってご満悦。
ふと背後に気配を感じた会長が後ろを振り返るとYシャツ姿の40代の男性が立っていました。 こんな昼間からサラリーマンが営業サボって来てるのか?いや、さっきの中学校の先生かな?
「会長、そろそろ1階の展示を見に行ってみましょうよ」
……陸上自衛隊広報センター“りっくんランド”遠足会~その2~へ続く (23.9.13)