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IWGP女子、スターダムの存在を大きくアピールする…岩谷麻優の‟戦い”は続く

割引あり

新日本プロレス×スターダム合同興行「Historic X-over Ⅱ」を、ようやく見ることができた。

今頃になって視聴することになった理由は、NOAHの愛知大会と日程が重なり、齋藤彰俊の引退をどうしても見届けたかったためだ。このタイミングでの視聴と投稿になったことをご了承いただきたい。

セミファイナルで行われたIWGP女子選手権・岩谷麻優 vs 渡辺桃の一戦。大会前、岩谷は東京スポーツで「合同興行なのでミックスドマッチがメインになるのは当然かもしれませんが、やっぱり悔しい思いはあります。私は今年、大物を倒してIWGPの価値を上げてきたし、お客さんが『今日はIWGPがメインだったらよかったのに』と思うような試合しかしていない。なのに今日の入場順や試合順のメインは赤。毎回、会社ってバカだなって思っています」と不満を露わにしていた。

実際、岩谷はIWGP女子王座を獲得してから朱里、海外勢(WWE移籍のステファニー・バッケルやAEWのトニー・ストームなど)を降して王座の価値を高めてきた。さらには新日本プロレスのリングにまで上がり、白川未奈を破ることでIWGP女子王座の存在感を示してきた。一方で、新日本プロレスとスターダムの関係は「Historic X-over」第1回開催時から大きく変わり、現在スターダムは新日本プロレスの傘下にある。その関係性を考慮してメインをミックスドマッチにしたのは、ある意味では仕方のないことだったのかもしれない。しかし、スターダムのアイコンとして団体を支え、IWGP女子の価値を高めてきた岩谷のプライドを思えば、選手権試合がセミ扱いとなったのは悔しいことだろう。

だからこそ、試合で見返すしかない。岩谷 vs 桃の選手権はH.A.T.Eの介入もあり激戦となったが、介入を除けば二人の真っ向勝負だった。桃もこれまで岩谷を越えられなかった悔しさをぶつけ、岩谷から勝利をもぎ取る執念を見せた。

終盤、岩谷が桃にムーンサルトプレスを決めたが、吏南がレフェリーを場外に引きずり出してカウントを阻止。さらに桃にはアイテムのバットが渡された。しかし、桃はそのバットを捨てた。「岩谷だけは絶対に自力で倒してやる」という意志の表れだったのだ。

その後、桃は顔面パンプキック、ビーチサンライズ、さらには奥の手であるビーチサンダーまで繰り出した。一度は勝負ありかと思わせたが、岩谷がカウント2でキックアウト。「奥の手」を返されたことで動揺した桃はレフェリーに抗議するが認められず、心が折れたように揺らいだ。その隙を突いて岩谷がドラゴンスープレックスホールドで3カウントを奪取し、防衛に成功。試合内容はメインイベントを食うほどのものだった。試合後、ヒールである桃にねぎらいの声をかける岩谷と、またしても敗北して悔しさを露わにした桃の姿が印象的だった。

岩谷は試合後、東京ドームでのIWGP女子選手権開催を訴え、2025年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会で、岩谷麻優 vs AZMによるIWGP女子選手権が正式に決定した。AZMは5☆STAR GPで岩谷を破っており、いつ挑戦してもおかしくない実力者だったが、これまでストームや桃に割って入られ「お預け」の状態が続いていた。

IWGP女子選手権が新日本プロレスのドーム大会で行われるのは、2023年1月4日以来2度目。前回、KAIRI vs 中野たむの一戦はわずか5分程度で決着し、物足りなさが残る内容だった。当時、IWGP女子王座はまだ新設されたばかりで、新日本プロレスにおける“価値”も低かったのだろう。

一部ファンからは「IWGP女子選手権は新日本プロレスでやるべきではない」「トイレタイムだ」といった声も聞かれる。これらはファンの間でIWGP女子の価値がまだ低いことを示しているが、選手たちにとってはスターダム自体の評価が低いと言われているも同然だ。その声を覆し、スターダムの価値を高めるのが、アイコンとして戦い続ける岩谷の役目であり、重要な使命でもある。

対戦相手のAZMは世界的に評価されている選手であり、スターダムの魅力を示す試合が期待できる。大阪での桃との激戦を終えたが、IWGP女子王座やスターダムの存在を世界にアピールする岩谷の“戦い”は、まだまだ終わらないのだ。

そしてミックスドマッチだが、海野翔太の発言から、多くの意味で注目された。

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