市販の教材で何をやればいいか。
医学部志望の方がよくSNS上でされる質問で、「参考書は何を使っていますか?」がありますが、その回答として「青チャートはやりました」とか「基礎が身についていなければ白チャートからやるといいですよ」など見かけます。
それらのやりとりについていつも疑問に思っていました。
私自身も、再受験を目指す方から別のSNSを通じて質問されることが多々あり、
「青チャートですか?」「一対一やった方がいいですか?」
答えはもちろん、最終的にはそのレベルは解けるようになった方がいいのですが、じゃぁ今日から青チャートをやればいいか?基礎ができていないなら白からか?というと、違うと思います。
ご自身がどこでつまづいているのか?がポイントです。
もし、ご自身の進学した高校が、
例年の進学実績として医学部合格者が出ないような高校であれば、
言い換えれば、模試や地域によりますが、
高校受験偏差値50台の高校であれば、
中学時代の基礎学力が身についていないと考えるべきで、
チャート式云々の前に、中学数学からやり直す必要があります。
中学数学の教科書を完璧に理解して、教科書に載っているすべての例題や練習問題を一つ残らず理解できるなら、医学部合格者が出るような進学校に自然と進学していると思うのです。
そもそも、医学部は大学受験偏差値で65以上が目安です。
これは受験者全体の上位7%に当たります。
高校時代に激しく成績を伸ばすことを考慮しても、中学時代に、同年代の中で、せめて偏差値60、上位15%には居たいです。
極論言うと、今の偏差値が40でも30でもいいのですが、
つまづいたのはいつなのか、どこからやり直さなければいけないのか、そこが肝心だと私は思っています。
というのも、かつてご相談いただいた方にこんな人がいたからです。
・現在エステティシャンだが美容に関心があるので医学部に進学して美容外科医になりたい。
・高校受験、偏差値40の高校に進学。高校から毎年大学進学者はゼロ。専門学校か就職のみ。
この方に「チャート式というものを買ってみたのですが、全くわかりません」と質問を受けました。
それはそうだろうと思います。四則演算から怪しい予感がしましたので、小学校のドリルからやってもらうのが良いかもしれませんが、それではご本人のプライドを傷つけるかと思い「まずは中学校の教科書を買いましょう。中1の数学でわからないところがあったら、そこから潰しましょう」とお話しました。
その後、家庭教師の先生と勉強を始めたようですが、実際に勉強を見た先生から「10年かかっても厳しいかもよ」と言われたそうです。きっと中学3年、高校3年分の基礎学習の後の医学部受験勉強ですから、そうなる可能性は高そうですね。
何が言いたいかというと、その方の学力と、どこでつまづいたかによって、必要とする本は全く異なるし、合格までの時間数も全く異なる、ということです。
私が自宅学習+家庭教師の先生と勉強していた時代に何を使っていたかは、
また別の機会に詳述してみます。
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