【医学部編入】自己紹介と、文系・非医療系30代の私が複数合格できた戦略を説明
こんにちは、「はるま」と申します。
私は国立医学部に編入学をして、現在医学生をしております。
一度社会人を経験しての2度目の大学生活をとても楽しんでます。
編入試験の結果は
・浜松医科大学正規合格
・旭川医科大学正規合格
・山口大学一次合格という戦績です。
複数校から正規合格を頂いたのですが、私のキャリアは医学部編入には不利なものが多く、志望動機の作成・受験校選びに非常に悩みました。
私は
・私大文系卒で成績も悪い
・受験時はすでに30歳を超えている
・仕事は非医療系
というまったく医学に関係のない人生を歩んできたからです。
「勉強もできない、医療にかかわりもない、しかも30代。」そんな何もない状態でも、難関と言われる医学部編入試験に合格しました。
例えば浜松医科大は120名の受験者のうち、合格者数は5人という狭き門です。
なぜこのような「不利な状況から逆転できたのか?」というと、やるべきことを絞って勉強したからです。
複数合格のポイントは「2:8の法則」にある。
パレートの法則って聞いたことありますか?
「100%の結果を出すための努力を100としたとき、80点のの結果を出すには、20の行動・努力しか必要ではない」という経験則のことです。
人間界だけではなく、働きアリの社会にも適用する経験則です。
編入試験の合格点は大体「60%」といわれているので、「80%取れれば合格できる」という事なのです。
一方で人間は目的達成のために無駄な努力もしてしまいます。「もし試験に出たら差がつくかも」と出題の見込みの少ない生命科学の範囲を仕上げたり、、
本来であればこのような問題は捨てて、皆が点数を取れる問題を完璧に取りきることが重要です。
実は沢山努力をしているように見える人でも、「余計な努力」をしている可能性があるんです。
一日10時間以上勉強すれば「やった気」にはなれます。しかし長時間勉強したという事に安心して、本来見直すべき苦手分野を見ないようにしている可能性もあります。
人は長時間勉強すると「分かっていること」に時間をかけ、「苦手なこと」に時間を割かない傾向にあります。「できない自分」を直視するのが嫌だからです。
このように長時間勉強しているつもりの人でも、無意識のうちに苦手分野を避けたりして「必要な20の勉強範囲」が完璧になっていない状態になっています。
落ちる人と合格するひとの違い
下の図を見てください。
人間の能力はそこまで変わらないんです。とびぬけて頭のいい人は編入試験ではごく一部です。つまり「さほど変わらない時間・労力・能力」をどう配分するか?が合格の決め手になるのです。
人間の努力量を赤色で示してみました。四角がすべての勉強範囲です。合格する人は丸の範囲だけ徹底的にやるので真っ赤です。受からない人は満遍なくやるので、全体が薄いピンクになっていますよね?
何が言いたいのか?というと試験合格できない人は、全ての範囲を満遍なくやろうとするんです。だから試験で知っている問題は増えるけど「完璧に回答できる問題」はありません。
だから完璧に取らないといけない問題でも、部分点などで減点されるんですね。
一方で受かる人は「この問題が出たら是が非でも完璧な回答を書こう」という意識でやっているので、一部だけが真っ赤です。
この範囲から問題が出たら減点はほとんどされません。
実はこのタイプの方が受かる確率は高いです。なぜかわかりますか?
先ほど言ったように「テスト80点は、2割の努力範囲で十分取れるから」です。
もちろん「この範囲は難しいから出ないだろう」と自分勝手に判断してはいけません。
生命科学だけでも以下のようにたくさんやることがあります。
・Kals基礎シリーズ テキスト
・Kals基礎シリーズ ワークブック
・Kals完成シリーズ テキスト
・Kals完成シリーズ ワークブック
・Kals実践シリーズ テキスト
・Kals実践シリーズ ワークブック
・要項集 チェックリスト
・要項集 練習問題
・the cell、、、
あげればキリがないですよね?この範囲の中のうち「20%だけ、絞ってやれば十分合格できる」ということです。
つまり合格する秘訣は以下の通りです。
①完璧にすべき「出題確率の高い問題・範囲」2割を精査する
②徹底的に覚えて、正確にアウトプットできるようにする
後ほど詳しく全ての教科で説明しますが、生命科学であれば私は「要項集のチェックリストと練習問題」を完璧にしました。
私は頭が良くないので「今日覚えたことはすぐに忘れてしまうタイプ」でした。だから「何度もテストして出来ない所を発見し、出来ていない所は徹底的に理解して記憶する」という戦略をとってきました。
もちろん最初は出来ないことだらけなので、勉強が大変でした。しかしやればやるほど、「出来た印」が増えて楽になっていきます。
このように「やるべき問題」を明確にして、その範囲を完璧にアウトプットできるようになれば筆記試験で負けるわけがないのです。
それぞれの教科の「やるべき2割の努力とは?
それでは筆記試験のやるべき「2割の努力」について説明します。
経歴に関係なく、私がお勧めしている「完璧にすべき勉強範囲」は以下の通りです。
【生命科学】要項集チェックリスト+練習問題
【英語】ターゲット1900、医学英単語
【物理・化学】高校の重要問題集のA問題
【疫学】Kals疫学講座+医療統計のキソ①②
文系・理系関係なく、ここまで仕上げることができたらかなりの大学が合格圏内に入ります。しかも問題もそこまで多くないですよね?
もちろん阪大とかレベルの高いところはカバー出来ていませんが、受験する人は筆記に自信のある人でしょう。
また浜松などでは大学物理がちょっと出てくるので、「マセマの大学物理演習」を少し解きました。
数学的な内容は多くの大学で出題されないので、基本無視してOKです。
香川大学などの大学レベルの有機化学なども問われる大学もありますが、そこまではキャパオーバーなので諦めました。
このように上の範囲に加えて、負担のない範囲で受けられる大学に絞っていました。
もちろん上の科目を完璧にすれば2科目受験もできますしね。
生命科学で高得点を取りたいならば、やるべきこと
医学部編入で課される生命科学の試験は、ほとんどが「記述式」です。
「なんとなく知っているな。書けそう」というレベルでは、筆記試験は99%通りません。
合格する人のレベルは、問題を見た瞬間に
・「ポイントは3つあって、漏らさぬように、わかりやすく書くためにはどうするか?」など、回答すべき要素をすでに抑えた上で考える
・考える前に手が動いてる
正直このレベルでないと、医学部編入試験で合格するのは難しいと思います。
とはいえ、全ての問題でこのレベルに仕上げるのは不可能です。
だから先ほど紹介した通り「要項集チェックリスト+練習問題」を完璧にすればいいのです。
例えば「細胞膜の構造について書け」と問われたら、抑えるべきポイントがすぐに思いつきますか?
この「要項集チェックリストと練習問題」については、そのレベルまで持っていくのです。
しかし問題もあります。要項集を持っている人はわかると思いますが、「チェックリストに答えがついていない」ということです。
私は独自に作成をしました。そして試験直前まで何度もテストをして、推敲して「わかりやすくて覚えやすい回答」を作りました。洗練された回答に仕上げたのです。
それがこちらのチェックリスト解答例です。
正直この解答例を使えば、あなた自身で作るよりも大幅に時間と労力がカットできます。受験期に同じ教材があれば、私は間違いなく買っていました。
しかも自分でまとめると知識がマスターしていない状態で作るので「不明瞭な解答」になって、点数も取れないわ、覚えにくいわで、ストレスもかかります。
この記事には「チェックリスト」を一問一答のクイズ形式にした、問題集もあります。
私は受験期までに何度も何度もその問題集を繰り返し
・解答出来ていない、理解していない問題はどれか?
・なぜ理解していないのか?弱点はどこか?
・解答は出来ても、ポイントが漏れているところはないか?
これを常に考えていました。このレベルに仕上がると、テスト前にはそのクイズ形式の要項集チェックリストをとき直すだけでO Kです。
私は直前きは、他のテキストも見ないでこれだけをやっていました。
その結果、生命科学の難易度の高い旭川医科大にも合格しました。文系から4科目受験に手を伸ばしたのにも関わらず。
このようにやるべきことを決めて、妥協せずやれば合格できます。
受験校選び・戦略について
お話した通り、
私は
・私大文系卒で成績も悪い
・受験時はすでに30歳を超えている
・仕事は非医療系
というまったく医学に関係のない人生を歩んできたので、面接に全然自信がありませんでした。
正直「面接官にとって、自分は魅力的ではないだろう。」と割とドライに現状を分析しました。
ですので「筆記逃げ切りができる学校」という基準で受験校を選びました。
「医学部編入試験の基本戦略は、筆記逃げ切り」だということを肝に銘じてください。
面接と学科が、点数割合が1対1のところもありますが、結構ギャンブルです。
とはいえ「自己PR」と「志望動機」に一貫性を持たせ、自分の売りを的確にアピールした結果、二次試験は3校中2校に合格しました。
結果的に面接の勝率は高かったですが、面接はあまり当てにしない方がいいです。おそらく筆記試験で逃げ切れたのが大きいからです。
具体的な受験校選びは次の記事で紹介しています。
また「文系=二科目受験」と考える方が多いですが、その戦略は非常に危険です。
理由は二科目受験の大学は「面接の配点」が高いからです。面接は頑張ってもうまくいくか分からない要素があるので、これもギャンブル的です。
文系の方へのお勧め戦略は以下の記事で解説しています。
提出書類について
面接の前に「志望動機」「自己PR」を提出させる大学が多いですよね。
この提出書類をもとに面接を進めるので、非常に大事になります。
提出書類のポイントは、
・面接で聞いて欲しいことを書く
・提出書類を読んだだけで、「話が聞いてみたい!」となるか?
・自分のウリが「自己PR」だけでなく「志望動機」からも感じられるか?
提出書類でも、面接でもアピールすることには変わりません。以下のステップで作り上げていきましょう。
①「自己PR」と「志望動機」を考える
②一貫性を持たせる
③大学があなたを合格させるメリットは何か?考える
④過去→現在→未来が一貫しているか?確認
詳しい方法については以下の記事で書いています。
私のように「国際経験」を活かして志望動機・自己PRを作りたい人は、こちらがお勧めです。
面接対策について
面接は基本的に15分の1回勝負なので、そこまで深くは聞かれないんですね。実は。
しかも面接で聞かれる質問は大体3種類なんです。
①なぜ医師になりたいのか?ぜうちの医学部に来たいのか?
②どんな経歴なのか?(自己PR)
③最近の医療問題・社会問題に対する意見
面接では「どうして医師になりたいのか?」「合格させるメリットは?」の2つは分析しないといけないので、どの大学も「同じようなこと」を聞かれるんです。違うのは③の社会問題です。
社会問題を問うことであなたのアンテナと問題意識を問うのです。
ちなみに受験した3校全て時事問題を聞かれました。対策していないと、かなり印象は悪いです。
考えてみれば当たり前です。大学が医学部編入をやる目的は「医学部以外の知識や経験を、医学の発展のために活用する」というものです。
そんな人材を求めているのに、社会問題もろくすっぽに答えられない人は印象悪いですよね?
受験勉強で忙しいと思いますし「そんな全ての社会問題カバーするなんて不可能だろ!」と思うかもしれません。
しかし「社会問題・時事問題」に対しての回答は、テンプレート化できるのです。
実際私も旭川医科大で「LGBTの問題についてどう思うか?」と全く用意していない質問が来ました。
私はこのテンプレートを用意していたので、全く問題なく回答できました。
時間のない中でも、ある程度医療の問題・社会問題の要点は抑えておいた方がいいです。
「時事問題・医療問題の要点」と「対策してない時事問題について回答できるテンプレート」は以下の記事で詳しく書いています。
対策していない人が多い反面、上の教材を使えば対策にも時間はかからないので、コスパ良く差をつけたい受験生にお勧めです。
面接で合格する人、しない人の違いとは?
私は面接で高評価を取れる人と、そうでない人は一発で見抜くことがきます。
それはある1つの質問に「どれだけ明確に答えられるか?」にかかっています。
以下の記事では医学部編入の面接試験に必要な「考え」「戦略」など全てを解説しています。
合格体験について
なお私の受験した大学については、以下の大学は攻略方法を詳しく書いています。
今後、編入仲間の合格体験記も追加しようと思っています。