『大相撲のマナー』初心者向けお相撲の楽しみ方 ~のぼり旗、取組表、枡席(ますせき)~
女性向け研修会社(株)シェリロゼ代表で、人材教育家、メンタルトレーナー、マナー講師の井垣利英です。前回の「『大相撲のマナー』初心者向けお相撲の楽しみ方 ~大相撲観戦に行こう!~」に続き今回は、日本の国技=相撲の「『大相撲のマナー』初心者向けお相撲の楽しみ方 ~のぼり旗、取組表、枡席(ますせき)~」について書きます。
1.のぼり旗=「相撲のぼり」の色使いは“縁起かつぎ”
こちらの写真は、両国国技館の正面入り口周辺ののぼり旗=「相撲のぼり」です。色とりどりで美しく、見ているだけで元気になる作品たち。入口に近い場所には、横綱や大関の旗が並んでいます。実はこの「相撲のぼり」は、縁起かつぎで作られているんです。
力士の名前は、黒星(=負け)にならないように、黒字は使用しない。また、下の方に書いてある贈り主の名前は、スポンサーが赤字にならないように、赤色は使わないというルールがあるそうです。それを知って見てみると、いかに日本人が縁起を大切にしているのか? 分かりますよね。
2.開催時間の何時でも入場可能。親方がチケットのもぎりを担当する
大相撲の取組開始は、朝8時半です。下位の力士から始まり、最高位の横綱の取組が終わるのが18時ごろです。つまり大相撲は、一日中10時間ほどず~っと取組を観戦できます。もちろん開催時間内は、何時でも入場できます。
正面入り口で、観客の出入り口を木戸(きど)と言います。この木戸でチケットをきる通称「もぎり」は、親方の仕事でもあるのです。
相撲ファンにとっては、どの親方がもぎりを担当しているのか? も楽しみの一つです。こちらは、ご縁を頂いている横綱・白鵬関の宮城野親方(みやぎのおやかた)です。
この木戸で親方にごあいさつをして、チケットを切ってもらい、その日の「取組表(とりくみひょう)」を受け取って、館内へ入ります。もし親方とお話をしたくても、後ろに列が出来ていることを配慮して、ごあいさつだけにするのがマナーです。
3.取組表を手に、大相撲観戦をする
木戸で受け取る「取組表」は、表面に番付(相撲の強さによる地位、順位)の順に、その日までの勝ち負けが「○」(=勝ち)と「●」(=負け)で記されています。
裏面は、取組開始時間(朝8時半)から18時ごろの終了時間までのすべての取組が、時間の早い順番に書かれています。これを見ることで途中入場して、たとえ力士の顔が分からなくても、今、土俵上で誰と誰の取組が行われているのか? が分かります。
4.枡席(ますせき)での大相撲観戦マナー
国技館の1階の「枡席(ますせき)」は、土俵の周りの東西南北にある「溜席(たまりせき)」の周りを、さらに囲むように作られています。鉄パイプで仕切られていて、写真のように4人分の座布団が置いてあります。1~6人で席を利用できるチケットも販売されています。
脱いだ靴は、後ろの席の下に収納できるスペースがあり、そちらへ入れます。ご覧のとおり、お隣の枡席と距離が近いため、足をくずしたときや、荷物が邪魔にならないように配慮をするのもマナーです。
たまに、お隣の方々と会話が弾んで、力士の取組について話しをしたり、お菓子を交換することもあります。これこそ「袖すりあうも他生の縁」とでも言うのでしょうか。生で相撲を観戦する人たちと、力士へ一緒に声援を送るのも楽しい時間です。
つづく。次回は「大相撲観戦の服装と持ち物マナー」について書きます。お楽しみに!