学習環境が生徒に与える環境 vol.117
生徒が日中をほとんど過ごす場所が、教室です。
その教室が生徒へと与える影響は大きく、教室設計次第でどんな生徒にも成長します。
私が教育実習生の時に指導教官教わった言葉の中にも、「教室の乱れは心の乱れにつながる」というものがありました。
確かに、ゴミやものがその辺に散らかっているのをよしとする教室では、若干素行の荒い生徒が育つ印象もあります。
今日はそんな、学習環境と生徒の成長について考えたいと思います。
教室掲示をどう捉えるか
教員になって1年目、私は教室の風紀を正そうと掲示物をきっちり綺麗に配備していました。
確かにそれである程度は生徒の落ち着きは見られますが、その目的はどこかわからないものになっていたのかもしれません。
周りの教員と比べてとか、そんな気持ちも少しはあったのかもしれません。
一方で、教室掲示も生徒に任せているクラスでは、自然とまとまりのあるクラスが生まれました。
それが担当教員の意図してかどうかはわかりませんが、自ずと生徒たちがそのように動き出したのです。
だから、変哲もない教室の掲示1つをとっても、実は生徒の成長のきっかけになっていたのかもしれません。
課題設定が教室デザインに
とはいえ、急に生徒に掲示物から何から何まで任せてもうまくいくはずがありません。
そこを目的としてしまえば、それは教員がただただ楽したいだけのようにも見てとれ、生徒の主体的な活動には結びつかないからです。
大切なのは、教室の環境整備を持って、先生が生徒に何を伝えたいのかと、どのようにして教室をデザインしていきたいのかにあります。
だから、教室の環境を整備することの前には、必ず先生が思う課題設定があるはずなのです。
それをいかに生徒、そしてクラスの風土として定着をさせ、解決をしていこうとするのかが重要な鍵となります。
どんな教室どんな空間で生きたいのか
そして、それが究極生徒の生き方や集団の中でのあり方を見つけるきっかけになるのだと私は思います。
自分たちが日中ずっと過ごす場を自分たちで整備していくことは、大人の視点で言えば、物理的に働きやすい職場作りとも同じような気がします。
そして、その中で人間関係を学んでいけば、物理的な部分だけにとどまらず精神的な部分においても同等の価値を見出すことでしょう。
生徒の発想はいい意味でも悪い意味でも無限大です。
なんで、そんな見えにくいように掲示物を貼るのか、、、。とか、なんでそんな色使いをするのか、、、。とか、さまざま大人視点からすれば疑問に感じることも、生徒は学びの過程にいる証拠です。
その過程を思う存分楽しんで、教員と生徒が一緒に作り上げていく教室こそが最高の学びにつながるのではないでしょうか。