『スパイダーヘッド』感情を自分でコントロールできるとしたら? vol.801
『スパイダーヘッド』という映画を見ました。
自分の感情も人の感情も薬品によって自由気ままにコントロールができる世界が訪れたらどうなるのでしょうか?
ありきたりといえばありきたりな展開なのかもしれませんが、もしこの薬を誰もが自由に使える人が来たらと考えると、色々と思うところがあります。
今日はこの映画を見ての感想を書いていきます。
誰でもいいなりに=平和、秩序?
この刑務所の看守アブネスティは、最終的にただ一つの薬の発明を目指していました。
自分の感情や愛すらも無視して人を思い通りにできるという薬です。
それだけ聞いいて、いい思いをする人はいないでしょう。
それもそのはずです、誰もが人の思い通りになることなど望まず自分の自由選択の意思のもとでいきたいはずだからです。
アブネスティはこの薬を発明して、世の中に秩序を生み出そうとしていました。
なんともチンケな話です。
むしろそんな薬が生み出されれば、当然のことながら誰もがその薬を求めて争いが起きそうな気がします。
薬自体はものすごい発明だとは思うのですが、そもそもの目的が意味わからない、本当にこんな薬を考える人の発想なのか?と疑ってしまうような話でした。
麻薬と変わらない?
この薬さえ使えばどんな時でも自分の感情をコントロールできます。
つまり、副作用のない体に悪くない麻薬と言ってもいいのかもしれません。
どんなに辛いことがあっても、笑いのツボが浅くなる薬を使えば全てが面白く感じてしまう。
苦しい時、悲しい時でもそこから簡単に感情ごと現実逃避ができるわけです。
これは自分の心にとってどうなんでしょうか。
極端な話をすれば、ストレスがかかることがなくなるので、メンタル面にはいいのかもしれません。
ただ、それで人間は成長できるのでしょうか。
辛い時悲しい時があってそれを向き合わざるを得ないからこそ強く成長していけるものなのではないのでしょうか。
スパイダーヘッド刑務所行きを選ぶ
自分がもし何かしらの罪を犯して、このスパイダーヘッド刑務所への治験参加者として参加をするのかどうかを選ぶとしたら、間違いなく選ぶかと思います。
一般的な刑務所で過ごすのは自分にとっては無理。
個人の自由も与えられ、ある程度の自由に動けるのであればこれほどまでにいいことはありません。
自分の感情をこんなふうに左右されると分かっていても、自分の感情が変化するというのを探究心で感じてみたく参加を選ぶでしょう。
ただ、この先に自分の感情がなくなってしまうという未来が見えてくるのかどうかは考え所なのかもしれません。