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ジュラシック・パークの3D版について話がしたい

今週金曜日
1月31日より
ジュラシック・パーク3Dが日本国内で12年越しに上映される。


今作は1月10日より行われているスティーブン・スピルバーグIMAX映画祭の大トリを務めており、3D上映が少なくなりつつある令和において非常に貴重となったIMAX3D上映が行われるだけでなく、前述したように12年越し(本国では2013年の20周年の際に公開済み)の日本での上映が行われる。

12年。そう12年だ。
赤子が小学校を卒業するかしないかの年月。その間このIMAX3D版は公開されなかった。

この人生に一度か二度あるかないかの大イベント上映が遂に今週金曜日に行われるのだ。是非多くの人に今作の3Dを楽しんでもらいたい。
そのため今回の記事は、ジュラシック・パーク3Dに関していくつかの小話と知っておくとへーってなれる話を幾つか書いていきたい。
これも皆さんにジュラシック・パーク3Dを観てもらいたい一心ゆえの記事です。簡単に言えば自己満足のためだが簡単な参考になったら幸いである。
※本記事は思いつきで書かれたものなので情報に多少の誤りがあるかもしれない。また、いくつかの感想および思想は私個人のものであり大多数の意見ではない。



1.IMAX3Dって何がすげえの?

かつて3D上映が盛んだった時期、大小問わずあらゆる映画館が軒並み3D上映を行ってた際、常に王者(と同等な)立場にいたのがこのIMAX3Dだ。(個人の意見です)
IMAX3Dは当時より3D上映の際に避けては通れない画面の暗さの問題を見事解決していたのだ。
当時の3D上映は上映館によって3D上映技術が異なっており、"画面が暗かった"という意見が数多く見受けられていた。しかしIMAXでは(各映画館公式サイトのIMAX特設ページに記載のある通り)2台のプロジェクターを同時に使用する事でこの問題をほとんど解消していた。それだけでなくIMAXシークエンス対応の3D上映も注目の的となった。ビスタサイズかシネスコサイズでの3D上映の当たり前を変えただけで無くフレームブレイク(3D演出がシネスコの画角から飛び出すようになっている演出)を取り入れた作品の上映も行われたことがある。

※2018年公開のファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のフレームブレイク比較映像。1作目である魔法使いの旅のIMAX3D版も同じようにフレームブレイク対応作品であった。

このように、IMAX3Dというのは時代と共に姿を見かけなくなったとは言え3D映画史において非常に重要な役割を担っていた上映方式である。
実際、私が中学の頃は毎月IMAX3Dで一本映画を観に行ったくらいにはIMAX3Dにハマっていた。
そんなIMAX3Dだが、真の魅力は上映される作品ではなく上映される前に流れるある映像に真価が発揮されている。

そう

カウントダウンだ。

このカウントダウンを3Dで観た時の臨場感と迫力はどの映画館にも真似できないほど最高な3Dだ。実際この映像だけでIMAX3Dの高い料金の元は取れるし観た映画の3Dや内容がどんなに酷くても「まあカウントダウン観れたしいっか」とワンクッション置けるくらいの余裕を持てる。

そのため今回のIMAX3D上映は是非観てもらいたいのである。


2.そもそもジュラシック・パークって3D映画じゃないよね?

その通りだ。
今作はいわゆる3D変換作品である。
この話をする前に簡単に3D撮影と3D変換の違いを私の主観を元に書いておこう。

  • 3D撮影
    3Dカメラを用いて左目用の映像と右目用の映像をそれぞれ撮影し奥行きと立体感のある映像を撮影すること。撮影の準備や気をつけるべき事項が通常のカメラ撮影より格段に増える。

  • 3D変換
    元々2Dで撮影された作品を後から3Dに変換し立体感を得るために行う作業。普段通りに撮影された映像をそのまま3D映像にできるためハリウッドではこれが主流になっている。(基本3D撮影だが一部場面を2Dで撮影した作品もこの方法で3Dに変換している)


このように3Dの作り方には基本的にこの2つがあり、ジュラシック・パークは後者である3D変換を施した作品である。しかし、あくまで2Dだった作品を3Dにしただけだと不安に思う人も多いだろう。その不安はすごく理解できる。実際私もタイタニックの3D版が2012年にやった時も同じだった。
どうやって2Dの映像を迫力と立体感のある3D映像にするのか?
答えは至ってシンプル。
良い3D変換をする。
ジュラシック・パークも良い3D変換作品である。

冒頭から効果は絶大で自然と浮き出てくる霧やライトの光と映像の奥行きの完成度は非常に高く、物語が進行していくにつれて雨や木片(これは一瞬だが)が自然と目の前に現れるような飛び出すまではいかなくとも、自然と"ある"3Dを楽しめる。もちろん自然とその空間にいるような目の前にあるような立体感も今作では楽しめるようになっている。(ちなみに今作では恐らく一部パートが意図的に2Dとなっているが是非ご自身の目で確認してもらいたい)
この自然と"ある"3D変換を作り上げた変換会社はアバターから16年間最前線で3D変換を施し続けたステレオD(現在はリブランドされSDFXという会社になった)だ。
この会社の3D変換映像の特徴を一言でまとめると、素材となる映像の持ち味をしっかりと保つのが上手、である。もちろん、作品によって差はバラけるがここはどの変換会社よりも高品質な3D映像を作っていると言える会社だ。特にジュラシック・パークの場合3D版の製作に9ヶ月を費やし、効果的な3D変換映画となっている。
ここでこれまでステレオDが3D変換に携わった作品を一部抜粋しよう。(3D撮影作品他会社との共同作業作品も含む)

  • 2011年のマイティー・ソーからほぼ全てのMCU作品(SDFX担当も含め)

  • タイタニック(2012年および2023年両方の3D版)

  • アバターシリーズ(特別版およびウェイ・オブ・ウォーターを含め全ての3D版)

  • ジャッカス3D

  • リンカーン秘密の書

  • ヘンゼル&グレーテル

  • ジュラシック・ワールドシリーズ(1作目および炎の王国の2作。イナゴ新たなる支配者は別会社)

  • スター・ウォーズ/フォースの覚醒以降のスピンオフを含む作品全て

  • Xミッション

  • キングアーサー 聖剣伝説

  • ゴジラ(2014)

  • ファンタスティックビーストシリーズ(2作のみ。3作目は2Dオンリー)

  • レディー・プレイヤー・ワン


ここにあるのはあくまで一部。
2013年の時点で数多くの作品を手がけていたステレオDの魅力が詰め込まれた一作がこのジュラシック・パークである。3D変換の匠の技術が存分に発揮されてる今作もまた素晴らしい映像に仕上がっているので是非楽しんでもらいたい。
そして3D変換による3Dの面白さを今作で知ってもらえたら幸いである。

※SDFXオフィシャルサイト(英語)




3.観るとしてどのIMAXシアターで観るのがおすすめ?

結論から言うと、どこでも大丈夫。
ジュラシック・パークの3D版は通常の2D版と同じくビスタサイズであるため池袋や大阪のレーザーGTで観れるような1.43画角にはならない。だがどこで見るかは皆さんの自由です。皆さんの身近にあったり、皆さん一人一人が気に入ってるIMAXシアターで今作の3Dを楽しんで観てもらうことが、1人の3D狂いとしてこの上ない幸福です。
3Dを映画館で体験する機会が非常に少なくなってしまった昨今において、今作の12年越しの上映は奇跡と言えます。1人でも多くの人に3Dの楽しさと迫力、そして3Dの奥深さを知って貰えたら非常に嬉しいです。
皆さん、1月31日をどうか楽しみにお待ちください。楽しい3DがIMAXで待っています。


追記:
3D映像を見たことによって得られる効果は個人差があります。目に違和感を感じた、または気分がすぐれなくなったなどの体調の変化を感じた場合はメガネを外し休憩などを行ってください。


IMAX映画祭公式サイト:

ジュラシック・パーク 3D版(日本盤)
Amazon販売ページ

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