画面付端末限定のAlexaスキルはアリか?
画面付端末限定のスキルをリリースしました
先日、Alexaスキル「万能スコアボード」を公開しました。このスキルは、Amazon Echo端末をスコアボード代わりに使用することができるスキルです。
そして、このスキルは「画面付端末専用スキル」です。画面がついていない、Amazon EchoやAmazon Echo Dot等からこのスキルを呼び出すと、画面付端末以外では利用できない旨を返答されてスキルが終了する仕様になっています。
今回は、スマートスピーカーでの画面デザインについて考えていることと、画面付端末専用のスキルについて思っていることとを書いていこうと思います。
あくまでも画面表示は補助的手段
画面付端末対応のスキル作成の基本は、「画面は(あると効果的だけど)なくても音声のみで操作可能」であると思います。「声で教えてくれるけど、画面にも表示されて、よりわかりやすくなる」、「ユーザーは選択肢を声で伝えるけど、画面タッチでも選択できる」のようなものが、ベストプラクティスであるように思います。
公式のドキュメントやデザインガイドでも、「画面でできることは音声でもできるようにしておこう」といった旨の記載もあったりします。
そういったところから考えてみても、「画面付端末対応のスキルといっても、基本は音声でのやりとりベースでスキルを考えて、作ってね」というニュアンスを感じます。
画面付端末限定のスキルはアリか?
では、画面付端末からしか呼び出すことができないとなると、スマートスピーカーのスキルとしてはどうなんだ、という話になります。
個人的な意見としては、画面付Echo端末からしか呼び出すことができないAlexaスキルも、「スマートスピーカーの良さが活かせるのであれば、まあアリなのかな」と思います。「スマートスピーカーの良さ」ってなんだ?となりますが、やはり端末とのコミュニケーションに音声インターフェースが使える、ということだと思います。
効果的な「音声+画面」のスキル構成とは何か
個人的には、以下のような構成であれば、画面付端末限定のスキルであっても有意義なものになるかな、と思っています。
パターン1:インプットが音声、アウトプットが画面表示
例えば、音声で伝えたものを受けて、画面にいい感じに表示してくれるようなスキルなんかはいいんじゃないかと思います。
今回私が作成した「万能スコアボード」は、得点をちまちまキー入力するのではなく、気軽に声で入力できます。そして、音声ではうまく表現できない、多人数の得点状況のアウトプットは画面表示に任せる、という作りになっています。
この構造は画面付のスマートスピーカーでしか実現できない構成なので、スキルとして作成する意義はあるのかな、と思っています。
パターン2:インプットが画面操作、アウトプットが音声
逆に、インプットに画面が不可欠で、アウトプットで音声を使う、というのも良いかもしれません。
ぱっと思いつくところだと、発音の似た英単語複数個をボタンで並べて、そのボタンをタップすると対応する英単語の発音が聞ける、みたいなやつとかならスマートスピーカーでやってもいいかもしれません。
ただ、こちらはスマホやタブレットのアプリでもやろうと思えばできてしまいそうなので、もうひと工夫必要かもしれません。
画面を使うなら効果的に使おう
スマートスピーカーの画面表示って、例えるなら小説の挿絵みたいなものだと思います。
小説も、あくまでもメインは文章であり、挿絵は物語を盛り上げたり、言葉だけだと難しい状況を補足したりするために使われることが多いように思います。ただ、使いようによっては絵本のように絵の方がメインになることもあるし、ライトノベルのように登場人物の外見をはっきり定義してしまうこともある。謎解きが必要な箇所で挿絵にがっつり地図や図形を載せているような本を読んだこともあります。
結局は物語を効果的に盛り上げることができる使い方ができていればいいんだと思います。これは、音声インターフェースと画面表示においても、似たようなことが言えるのではないでしょうか。
ありきたりな結論になってしまいますが、スマスピとして利用可能な機能なのであれば、音声インターフェースでなくてもどんどん使ってしまっていいと思います。ただ、デバイスはあくまでもスピーカーであるので、機能を活かしつつもVUIでしか実現できない体験を提供できるようなスキルが作れればベストかなと思います。
実際、スキルストアでも、画面付端末限定のスキルの量が増えてきているように感じます。そんな様子を見ながら、最近のAlexaスキル開発は新たなステージに足を踏み込みつつあるのかな、ということを思ったりします。