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建築業界必見!成長戦略は『経年進化』の価値観によるアフターマーケティングにあり

こんにちは。
アイジーコンサルティング メンテナンス事業部の責任者をしております村木寿光です。
私たちは、ビルダー様の建築後のアフター点検の代行やその後のメンテナンスを通じて、お住まいの方々の安心をアップデートするお手伝いをしています。
今回は、建築業界の皆さま向けに、建築事業の新たな成長戦略のご提言をさせていただこうと思います。


建築事業者の永続性のカギとなる『アフターマーケティング』: アイジーコンサルティングの取り組み

どんな企業であっても事業の永続性が課題です。建築業界も、市場縮小や職人不足、原材料の高騰といった厳しい環境に直面しています。これらの課題に立ち向かうため、当社は建築事業者様にお力添えをすることで、ともに成長・発展を目指しています。

当社、アイジーコンサルティングは、建築事業者様向けに『アフターマーケティング』という概念・価値観の重要性を提唱しております。
これは当社のビジネスモデルがそもそも『アフターマーケティング』で成り立っており、それによって安定的に発展してきた実績をもっているからです。この当社の経験から生まれてきた考え方を、より事業の永続性を高めていくために建築事業者様向けにもサービス提供し広めているところです。

建築事業者様におけるアフターマーケティングについて語る前に、当社のビジネスモデルについてお話しさせていただきます。

関わり続ける×住宅点検スキル×顧客管理=アフターマーケティング

 当社はアイジーコンサルティングの根幹でも記載させていただいた通り、シロアリ防除業から発展してきた歴史を持ち、現在でも事業の柱の一つとして取り組んでおります。
地域の工務店様や住宅メーカー様などのビルダー様から新築・既設問わずシロアリ防除工事のご依頼をいただきお仕事をさせていただいております。
当社の強みはそのシロアリ防除工事そのものではなく、そこから永続的に住宅オーナー様であるお客様と関わり続けることができる仕組みと、現場ノウハウを持った住宅技術者が多く存在していることです。
シロアリ防除工事とその後の定期点検からのリピート工事がビジネスの柱であり、その過程でお住まいの住宅オーナー様の様々なご要望やお悩みごとの解決・改善に努めています。それを年間2万棟以上日々実行し続ける実働組織があり、お客様を安全に管理できる体制とシステムを整えています。
この、関わり続けることができる仕組みと住宅点検スキルをもった実働組織と顧客管理体制が、当社のアフターマーケティングのビジネスモデルです。
こうして当社はアフター点検によるビジネスモデルを基軸としてこれまで成長してきました。

次なる成長ドライブとしてのアフターマーケティング

 建築市場が大きく縮小し新規の顧客獲得が一層難しくなるなかで、建築事業者様が次なる成長ドライブとして取り組むべき課題の一つが既存顧客の活用です。すなわち住宅建築後のアフターです。
ひとりの顧客が生涯において企業にどれだけの価値を生み出すのか、ということを『顧客生涯価値(Lifetime Value,=LTV)』と言いますが、建築事業者様はアフターに注力することによってこのLTVを最大化させていくことが成長への活路であり生き残り戦略の一つとなるはずです。

しかしながら、「アフターで事業を成り立たせLTVを最大化させることが成長戦略となる」とわかっていてもそれが難しいと感じている建築事業者様も多いのではないでしょうか。
私たちは5000社以上の建築事業者様とお取引きさせていただいておりますが、そのなかから良くあるお声としてこのようなものがあります。

  • 本業に追われアフターに着手できない

  • アフターに回せる人がいない

  • アフターと言っても何をして良いかわからない

  • クレームを拾いに行くようなもので気が進まない

  • アフターに着手しているけど思うような成果につながらない

アフターマーケティングは中長期ビジョンを持った戦略です。短期志向に捉われていては正しく実行することはできません。

アフターは

  • 時間がかかる

  • 手間がかかる

  • コストがかかる=儲からない(むしろ持ち出しが増える)

この思考から脱却し、むしろアフターを『Cash Cow』にしていくことが可能です。

アフターマーケティング 成功のカギは『経年進化』の価値観にあり


アフターマーケティングを成長戦略として実現するためには、まずはアフターに対する考え方から変えていく必要があると考えています。
その考え方は『経年進化』の価値観にあります。
物質的な価値で考えれば時間とともにモノは劣化していくものかもしれません。この劣化していくものであるというパラダイムでアフターを捉えてしまうと、新築時の状態がピークとなり、あとは良くて現状維持、もしくは劣化を遅らせる延命措置的な対応になってしまいます。この捉え方では、建築会社様も住まい手も、アフターに対してポジティブな感情が沸きにくいのではないでしょうか?
本来住宅はその存在目的からすると、『住む』という『暮らし』にこそ価値があるはずです。住宅を提供して建築会社としての役割や価値提供が完了しているという捉え方では、『暮らし(=アフター)』に顧客価値を見出していく考え方にはなりにくいのではないでしょうか。住まいの性能や機能性、そして居心地が、新築を引き渡した時を頂点に下がることがないように、お客様の暮らしに寄り添い続け、お住まいの皆さんの安心・快適・愛着をアップデートしていく、これがアフターマーケティングの考え方です。
お客様の暮らしに、愛着や想い出といった心理的価値を育てていく、そしてそこに建築会社様が寄り沿い続けることでお客様との信頼を積み重ね関係を深めて相互に充実感が高まっていく
これは単なる物質的な『経年劣化』ではなく、『経年進化』と言ってよいのではないでしょうか。
そんな暮らしの体験価値を顧客に提供していくことが、建築事業者様が本来提供すべき顧客価値だと考えます。

これからの建築事業者様のあり方は、住宅提供のプロフェッショナルとしてだけではなく、お客様の『暮らし』を進化させるプロフェッショナルという新たな価値観を取り入れていくことです。
これがアフターをただのサービス(奉仕活動)として捉えるのではなく、マーケティング(価値創造)として捉えていくための基本となる重要な考え方です。

まとめ


今回は、アフターサービス(奉仕活動)をアフターマーケティング(価値創造)に転換していくために必要なパラダイムシフトをお伝えしました。
お伝えした通り、アフターは、単なるサービスではなく、マーケティング活動であり成長戦略の柱です。建築事業者様が『経年進化』の価値観を持ち、アフターマーケティングをおこなっていくことで、持続的な成功の一助となるでしょう。

次回はアフターマーケティングの具体的な手法についてお伝えしてまいりたいと思います。