産休・育休取得者インタビュー【前編】
産休・育休の取得率という実績データだけでなく、実際に取得した人のリアルな声や、休みに入るまでの過ごし方、復帰後のフォロー体制についてお話しいただいた今回のインタビュー企画。
第1回は前編・後編に分けてお届けします。
前編は産休・育休を取得された横浜支店の営業事務課 森裕美子さん、支店長の河本泰一さんです。
はじめに、アイジーコンサルティングの育休制度をご紹介します。
今回のインタビューのメインテーマとなる「産休・育休」
弊社では男性の育児休業の取得も推奨しています。また男女ともに安心して仕事と子育てを両立できるよう施策を行い、子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を2023年8月3日付で取得もしています。
より働きやすい企業として成長する中、実際に産休・育休を取得した社員のリアルな声をお届けします。
産休・育休に入るまで
―――森さんは昨年の5月に産休・育休に入られましたよね。いつ頃会社や上司に妊娠について報告しましたか。
森さん:妊娠5ヶ月ぐらいの時に会社には伝えていました。 安定期に入った後の妊婦検診で問題なければ伝えようとも思っていたんですが、1年通して行う新卒教育の担当をしてほしいという話がきまして、営業事務課の上司には少しだけ早くお伝えすることにしました。
―――河本さんは現在横浜支店の責任者をされていますが、責任者の立場からはどのくらいの時期に報告を受けたいと思いますか。
河本さん:早ければありがたいというのはありますが、やはり安定期入ってからになるのかなと思います。
新人教育というような重要な役割を任せることもあるので、早い報告であればあるほど逆算して考えることもできます。ただ、理想と現実がありますので、そこは本人の心体状態を考慮して安定期に入ったタイミングでの報告という理解はしています。
―――やはり安定期に入ってから報告、というのが一つのポイントになりそうですね。森さんは出勤時の体調面や不安だったことなどはありましたか。
森さん:妊娠を伝えた後は皆さん気遣ってくださったんですが、まだ言えなかった時期は皆さんはもちろん知らないので、そこが1番辛かったかなと思います。重たいもの持たないようにしたいけど、でも事務所にいるのが自分だけだとちょっと引きずってみたりとか。
体調に関して、私は内勤なので、少しの時間トイレにこもっていることもできましたが、外回りの人たちは体調が芳しくないときは大変だろうなと思いました。
―――実際にお休みをすることもありましたか。
森さん:つわりがきつく体調がどうにもならなくて、1回だけお休みをしました。でもそれくらいです。 産休入るまでにどれだけ自分が有給を使うかもわからず、あまり休みを取りたくないという気持ちもあったので、体調に問題のないときは出勤していました。
―――河本さんは森さんの産休中のタイミングで人事異動があり、横浜支店に異動されましたよね。営業事務スタッフは店舗の事務スタッフとしての業務と、営業事務として全社横断しての業務の2つがありますが、店舗内での引継ぎ状況などはいかがでしたか。
河本さん:横浜支店には営業事務スタッフが森さん1人で、荷物が届いたり、電話対応など、常に事務所の留守を守ってくれていたこともあり、森さんが産休に入った後は誰かしら社員が事務所にいるように当番制にしていました。
―――横浜支店は所属メンバーの多い店舗でお問合せも多いので、大型店ならではな引継ぎかもしれませんね。森さんは引継ぎなど含め、どういったフォローがうれしかったですか。
森さん:同じ営業事務の皆さんはお子さんがいる方も多いので、事情を分かってもらえるのがありがたかったです。また店舗内でも同僚の1人が、何か察するものがあったのか、店舗のメンバーへ妊娠を報告する少し前に声かけてもらいました。店舗でお弁当を頼むとなった時も「別メニューにする?」と相談して下さったりしてとても心強かったです。
お休みに入るまでの間、事務としての店舗の諸業務に関しては支店長が全部引き継ぐことになっていましたが、「私もこれを機会に覚えます」と営業メンバーも協力してくれました。
また他店の営業事務スタッフが月2回横浜支店に来て、事務業務のフォローをしてくれたりと皆さんが分担し、店長以外のメンバーもフォローしてくれていたようです。
―――営業事務の業務の引き継ぎはお休みに入るどれくらい前から始まりましたか。
森さん:お休みに入る3か月くらい前と、上司に妊娠を伝えてから少し期間が空いていて、ゆっくりスタートしたかなと思います。
―――仕事と並行して出産やお子様に関わる手続きもあったかと思います。どういったスケジュールで動いていましたか。
森さん: 役所に手続しに行ったのは平日の1、2回ぐらいです。妊婦検診はどうしても平日だったので有給を使用して、その日に合わせて役所の手続きも済ませたりしていました。
産休・育休期間中について
―――今お子様を保育園に預けていらっしゃるとのことですが、保育園事情などはいかがでしたか。
森さん:子供が1歳になったら復帰しようと思っていましたが、子供のいる友人から「そんな考えは甘い」って言われたんです。特に私が住んでる地域は保育園の激戦区中の激戦区だったようで、1歳で入れるのは事情のあるご家庭が優先されると聞いたので、焦って区役所に相談しに行きました。
当初思い描いてた1年半ぐらいはのんびりと、みたいな産休・育休とはならず、0歳で保育園に預けることにして1年ほどで復職しました。
―――ご主人は育休取得はされていましたか。
森さん:夫は育休は取得していませんが、会社の特別な休暇制度を利用して出産の立ち会いをしていました。出産後は自分の両親と夫の両親も交代で自宅に応援に来てくれて、 私が1人だけで育児をするという環境を作らないようにしてくれました。
―――横浜支店では男性社員も同じタイミングで育休を取得されていましたよね。男性の育休取得についてアイジーはどうでしょうか。
河本さん:増えましたよね。以前は男性社員の「子供生まれたから休み取ります」という声すら上がらなかったように思います。
今は子供が生まれました、じゃあ育休どうするのっていうところまで、話がすぐ出る職場環境になったのはすごい変化かなと思います。
―――立会などは有給を充てている。
河本さん:そうですね。私の場合だと、妻が里帰り出産をしたので、出産予定日の前後をうまく調整しておき、電話が来た時に有給を使って出産に立ち会うことができました。
―――アイジーでも立会時など短期間の出産・育児にかかわるお休みは有給よりも特別休暇などの方が取得しやすくなると思いますか。
河本さん:実際に出産に立ち会う状況となると、 お産が始まってスムーズに出産できる人もいれば、なかなか時間もかかる人もいて、1日立ち会ったけど結局その日まだ出産できなかったりする時もあります。でも有給よりも特別休暇の方が心理的な取りやすさはあるかもしれません。
復職時について
―――1年お休みがあっての復職ですが、心境はいかがでしたか。
森さん:育休中は総務の方が書類関係のことなど全部細かくやってくれて、連絡も入れてくれました。あとは社内の先輩ママたちで構成されるメールグループに参加させてもらい、月に一度会社の状況、情報配信をしてもらいました。内容がとても面白く、充実していました。そのおかげで会社がとても遠い存在になっちゃったな、という感覚はそんなになかったです。
―――復帰初日「浦島太郎状態」とおっしゃっていたのが印象に残っていますが、戻ってきてからの業務はいかがでしたか。
森さん:本当に最初の頃は浦島太郎状態でした。でも私は休みが1年で、多分育休・産休から復帰する方って1年半ぐらい取られる方が多いと思うので、それに比べたら短かく、1ヶ月、2ヶ月で感覚的なものは戻ってきたのかなと思います。社内システムが変わっていたらきっとパニックでしたが、触っているうちに「あ、そうそう、これこれ」というような記憶が戻っていく感じはありました。最初は毎日焦っていましたが、感覚を戻す期間はそんなに掛からなかったかったのかもしれません。
―――森さんは社員ということもあり社員業務の引継ぎなどもあるかと思いますがこちらの進捗などはいかがですか。
森さん: ゆっくり設定してくださっています。子供の体調などもあって安定しない出勤状況なども配慮していただいて、 1か月すぎたくらいから少しずつ引き継いで、それでも他の社員さんに比べたら、担当してる業務は少ないかと思います。
―――店舗業務の引継ぎや店舗側のサポートなどはありましたか。
森さん:打ち合わせじゃないですけど、これを戻そうといったちょっとした話し合いをの時間を復帰後に設けてもらいました。
河本さん:これっていうサポートはないですけど、少しずつ慣れていってもらうって感じでしたね。
森さん:電話も割とすぐに取り始めて、でも久しぶりということもあって最初は手が震えました。
―――復職までにやっておいた方がいいことや、やったらよかったなと思うことはありましたか。
森さん:役所関係の手続きとか、自分の病院とか、 全部復職前に済ませておけばよかったなと思いました。歯医者を後回しにして、 いざ仕事始まったら行く暇ないみたいなこともありました。時間に余裕がある時にやっといた方がよかったなと思います。休み期間中はあまり仕事のことは考えたくないっていうのはあったので、仕事に対する準備というのは特にしませんでした。
―――河本さんから見て、森さんの育休・産休を通してやっておいた方がいいことや、やったらよかったなと思うことはありましたか。
河本さん:異動があったので途中で来て、運用してることに対して振り返ると、これ以上やっておいた方がよかったなっていうのは特にないかなと思います。森さんの店舗内での役割とか、業務の割り振りができていればなんとかなりましたので。産休だけではなく、例えば社員の退職とか、異動したり、お休みになることはよくあることなので、それを経て、対応をすることによって、店としての組織力や成長に繋がると思います。
現在について
―――復職から4か月ほど経ちましたが、1日のスケジュールとしてはいかがですか。
森さん:保育園の送り迎えは夫がしてくれていて、夫が行けない時は私がしています。なので定時ぴったりに急いで帰らなきゃいけない、というプレッシャーは日頃からお迎えのある人に比べたらありませんが、残業が思うようにはできなくなったので、16時くらいから焦っています。
―――お子様の突然の体調変化などもありますよね。その場合はどうしていますか。
森さん:在宅勤務を許可してもらうことがあります。それがとても助かってます。昨日まで元気だったけど急に熱出したりとかで思うように出社もできないときもありますが、皆さん色々気づいてやってくださって、本当に皆さんに助けられています。保育園から子供の体調不良で連絡が来たときなどは夫が早退できないこともあるので、そういう時は私が行ったりしていますが、ありがたいことにとても理解してもらえている環境にいます。
河本さん:子供のことで、家庭も大変な中で業務をなんとかやりくりしているっていうのは、傍から見てもわかるので、とても頑張ってくれてるなと、感謝しています。
―――横浜支店はお子様がいらっしゃる方も多いですが、何か子育てに関してアドバイスなどはもらったりしましたか。
森さん:そういえばこの前、学資保険について聞いたりしました。
子供の年齢が近い人たちと話をしたり、先日は社内で「これは買っといた方がいいよ」という話をたくさん聞いたので、その仰せの通りに買ったものがたくさんあります(笑)
―――先輩方の助言の通り買っておけば間違いはないですね!
最後に
最後に、これから産休・育休を取得する方、今後取得を考えている方へのメッセージをお願いいたします。
森さん:アイジーでいえば、 産休に入るタイミングで、総務の方が社内の手続きに関する申請や書類関係をすべてやってくださっていて申請漏れは一切ないので、不安を感じることがありません。本当に安心してお休みに入ってください。業務面はどの部署もどの店舗もたくさんフォローしてくれると思うので、何も気にせず、自分の体調と自分のことだけを気にして休んでもらえればいいなと思います。お休み明けて戻ってきても皆さん暖かく迎えてくださいます。
河本さん:産休・育休を取ることに対して後ろめたさみたいなものは別に思うことはないよ、っていうのと同時に、会社として後ろめたさみたいなものをどうしても感じてしまうこの現状をもっともっと改善していきたい思いがあります。特に営業職のメンバーは営業目標もあるので悩みもあると思います。でも振り返ればそれ以上に、子供や家族とその時にしか得られない共有、共感できる時間があるので、やっぱりプライスレスです。男性も当たり前に取得する環境にしていきたいですし、取得してほしいなと思います。
河本さん:アイジーには年1回、5日間~12日間程度の連続休暇を推奨するリフレッシュ休暇制度があります。繁忙期である5~7月を避けて取得することが多いので、これから取得する人も増えていきますが、お休みでいない人のフォローをどうしていくかと考えたり、行動することによって、残った人たちの成長材料にもなります。
森さん:今まで事務所のゴミもたまりっぱなしで私がまとめていましたが、お休みにはいったことで誰かがやらなきゃいけなくなったので、戻ってきた時には前よりも気づけるようになっているのかなと思うこともあったりします。
河本さん:特に店長がリフレッシュ休暇に入ると責任のあるものは一切機能が停止してしまうので、じゃあどうすればいいのかというところで、過去には店舗内で誰かに店長業務を引き継いで教えることによってその人が成長して、結果的に教えた人たちは今店長になっています。実際に森さんが産休にはいり、他のメンバーに店舗の業務を引き継いで、でもその人が異動になってしまったから別のメンバーに引き継いでと、今まで自分がやってこなかった業務をやることによって、覚えて成長したので、会社としても成長機会として活用できます。
取材・執筆:竹中彩乃
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