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エッセンシャルワーカーの課題を考える部 活動報告(第4回)

皆さん、こんにちは! ifLinkオープンコミュニティ会員の濱@ISEです。

今回は、エッセンシャルワーカーの課題を考える部の本活動第4回として、前回整理した課題のifLinkオオギリ実施に向けた状況設定を実施しました。

前回のおさらい

前回、あげられた課題についてのカテゴライズと、ifLinkオオギリ実施に向けた準備を進めました。

カテゴリライズ後の一覧(再掲)

各課題を整理した結果、以下のカテゴリに分類できました。
・環境系
・ブレイクダウン系(これはもう少し細分化が必要な課題)
・フレイル予防(体力系)
・やりがい・生きがいを作る(認知能力)

カテゴライズはしたものの、このままの状態ではまだifLinkオオギリをするための状況設定ができていません。
そこで、今回はこれらの課題について、ifLinkオオギリで課題解決するIF-THENアイデアを出すために、ifLinkオオギリのフォーマットに状況を落とし込もうというのが目的です。

ifLinkオオギリのフォーマット

僕の記事の中では何度かifLinkオオギリに参加したときの様子をお伝えしていますが、部の活動記録としてifLinkオオギリに触れてはいなかったので、ここで僕なりの言葉で簡単にお話させてもらいますね。

ifLinkオオギリでは、アイデア発想を行うための状況設定に3種類のカードを使います。

【3種類のカード】
・チェックシーンカード:さまざまな生活の「シーン」が描かれたカード
・ペルソナカード:利用者、はたらく人など「人」が描かれたカード
・テーマカード:快適、エコ、自動化など「テーマ」が描かれたカード

カタチにするまでがアイデア出し

シーン

ひとことで言えば、お題決めです。
駅のホーム、空港、お風呂、レストランなどなど、実際に事象(課題)が発生している現場をイメージしてもらえればよいかと思います。
カードには、文字は書かれていないので同じカードでもとらえ方によっていろいろな状況設定が可能です。
例えば、「駅のホーム」のカードでは、電車に乗客が乗ろうとしているシーンと考えることもできますし、駅員が何かの対応に追われているシーンと考えることもできます。
もちろんシーンのとらえ方はそれでだけではないので、自由に発想してOKですし、あらかじめシーンを限定して特定シーンの課題についてifLinkオオギリを実施することも可能です。

ペルソナ

課題を持っている人です。
現場で働いている人、サービスを受ける人(消費者)、サービスを運営する人(管理者・経営者も)などです。
カードとしてはこの3種ですが、ifLinkオオギリのテーマ設定によっては自由に追加したり、もっと具体的なペルソナを設定してもよいと思います。
僕たちは、これまで高齢者・介護者・被介護者などをターゲットに課題出しをしてきたので、基本的なペルソナはそういった方々になります。

テーマ

IF-THENによって何を実現したいのか、ですね。
効率化、省エネ、エンタメなど役に立つものから役に立たないかもしれないけど面白いものまで、いろいろあります。
他の2つと同じように、カード以外のテーマもありだし、テーマを固定するのもありですね。
個人的には、これが一番簡単そうで難しいと思っているところです。
前2つの状況設定でお題が決まったとして、テーマに沿って困りごとやうれしいことを考える必要があるのですが、現実を見てしまうとどうしても否定的になってしまうときがあるのです・・・。

ifLinkオオギリに向けた状況設定

さて、ifLinkオオギリについてざっくりと理解できた(であろう)ところで、本題です。
僕たちの部のメンバーの中にも、何名かifLinkオオギリを経験している方がいたので、ifLinkオオギリ実施についてはあまり不安はありません。
ですが、限られた時間の中でifLinkオオギリを実施するためにも、あらかじめ状況設定はしておいたほうがよいと思ったので、議題の絞り込みと合わせて状況設定をしましょう、と提案しました。
もちろん、今回で詳細を詰め切ることは考えず、あくまで課題をifLinkオオギリのための状況(シーン、ペルソナ、テーマ)に落とし込むことが目的です。

今回、シーン、ペルソナはそのままに、テーマは目的に置き換えています。
テーマを簡単に咀嚼したうえで、どんな状況で、誰に対して、どんな目的があるのかを出していきます。
それでは、候補として残っている課題を見てみましょう。
No.はバラバラですが、前出の一覧の順になっています。

No.14 情報板を外に置いて、それを見に行く

課題というよりは、こうすることで外出を促すことはできないか、といった投げかけでしょうか。
外にある情報版(掲示板みたいなものをイメージ)を見に行くことを考えます。
普段は家にいて、あまり外に出ない高齢者が、外に出るきっかけとなるとよい、としました。
・シーン:家にいる
・ペルソナ:高齢者
・目的:外にでる

No.15 健康とデジタルサイレージの組み合わせ

これも課題というよりは、デジタルサイネージを使って健康を守ることはできないだろうか、といった投げかけでしょうか。
No.14と同様に、外にあるデジタルサイネージを見に行くことを考えます。
ただし、目的は外に出ることではなく、あくまで健康を守る→運動をする、としました。
普段は家にいて、あまり体を動かすことのない高齢者が、少しでも体を動かすきっかけとなるとよい、としました。
・シーン:家にいる
・ペルソナ:高齢者
・目的:体を動かす

No.13 壁掛け、手紙サイズのでかい画面でコミュニケーションを広げる。いろいろな製品出てるがつなげられてないかも

IoT機器などデバイス間の連携の問題とみて、今回の課題から除外としました。

No.17 電車、階段(エレベータ)の乗り降り支援(カメラ利用)。すでにあるサービスの改善や課題の検討

これは、状況としてはわかりやすいですが、目的の実現イメージが難しくなりそうな予感。
最近でも、車いす利用者の優先に対して、譲る/譲らないでSNSをはじめとしたところで話題になっていた問題がありました。
課題をそのままに、シーン、ペルソナ、目的に落とし込みます。
・シーン:乗り物に乗ろうとしている
・ペルソナ:乗れなくて困っている人
・目的:気持ちよく乗れる

No.20 地域でのシェア(食事、交通手段)。交通手段についてはすでにあるサービスの改善や課題の検討

No.17に近いものがありますが、困っている人向けというよりは相互扶助の課題と言えるでしょうか。
地域でのシェア(交通手段)となると、公共交通機関というよりは、コミュニティバスみたいなものが該当ですかね。
こういった課題は、使う人もさることながら、サービスを提供する人も課題を抱えていることが多いようです。
サービスを利用する人がいないと、どうしても採算がとれないのでサービスを継続できなくなるなどですね。
ということで、ペルソナは利用者とサービス提供者になりました。
・シーン:地域の共有物(食事・交通手段など)
・ペルソナ:利用者/サービス提供者
・目的:もっと有効活用したい

No.3 高齢者の運動ややることを増やす方法

運動、という視点ではNo.15と近いかもしれませんが、ここでは運動よりもやること(できること)を増やすことを主眼にしました。
そのため、ただ家にいる人ではなく、やることがない人(暇な人)をターゲットにします。
・シーン:暇そうにしている
・ペルソナ:高齢者
・目的:できることを増やす

No.8 高齢者がどうしたらすすんで外に行きたくなる?仕方なくではなく

仕方なくの外出≒通院、買い物など、どうしても必須となる外出として、それら以外で外に行きたくなるようにするにはどうすればよいか、という課題ですね。
どんな目的でもいいので、外に出るきっかけを作ることができればいいとして、あえて目的は空欄にしてあります。
・シーン:家
・ペルソナ:高齢者
・目的:(自由度を高めるため空欄)

No.24 遠くの高齢者を見守る

前回の活動で、メンバーから興味あり、との意見があった課題ですね。
遠隔地にすむ高齢の家族(親など、とくに独居の場合)をどうやって見守るか、というところですが、ここでのペルソナは、見守りたい家族もそうですが、見守られる側にもなにかあるのではないかと考えました。
・シーン:離れている
・ペルソナ:家族/高齢者本人
・目的:見守る/見守られる

No.5 認知症にならないようにするためにどうすればいいかを考えて試してみる

認知症予防の課題です。
どんなシーンでもよいので、認知症予備軍と考えられる人の認知症進行を予防するためにできることを考えることになります。
ペルソナは認知症予備軍と考えられる人にしていますが、本人も、その周囲の人も対象と考えていいのではないでしょうか。
・シーン:(状況問わずのため空欄)
・ペルソナ:認知症予備軍
・目的:予防のためにできること

No.6 高齢者の人が麻雀、パチンコ、カードゲームなどをやる。(eスポーツ含む。ID番号と連携してランキングも面白い)

こちらも前回の活動で、メンバーから興味あり、との意見があった課題ですね。
ひとつ注意点として、ギャンブル、ではなくあくまでゲームとして見る必要があるかと思います。
eスポーツを含むゲームとなると、家というよりは施設(介護、娯楽)で遊ぶイメージでしょうか。
普段家から出ない人でも、オンラインで交流できる、という点では無理に外に出ないでよいので楽なのかも?
・シーン:介護施設・娯楽施設
・ペルソナ:引きこもり/ゲームに慣れ親しんでいる人
・目的:交流する/楽しむ/ドキドキ(刺激)したい

No.7 社会や外部とのつながりを持たせる

これは課題というより目的でしかないため、今回の課題から除外としました。

No.9 高齢者がどうしたらすすんで外とコミュニケーションをとりたくなる?仕方なくではなく

No.8と同じく「仕方なくではなく」の課題ですが、こちらは外部とのコミュニケーションですね。
仕方なくではないコミュニケーションって何だろうか、と考えてみると積極的になれるかどうかなのかなと思いました。
コミュニケーションを取るにあたり、場所はあまり関係ないと思うので明示しなくてもよしとしましょう。
・シーン:(空欄)
・ペルソナ:高齢者
・目的:ポジティブな気持ちになる

No.12 高齢者ができることを増やす(携帯など)、それを広げる

これは、No.3と同じようにできることを増やすことが目的です。
違いは、方法として、これまで避けてきた(苦手な)こと(スマホの操作など)をとる課題ということです。
状況としては様々なシーンが考えられますが、できないことがあり、そのままにしている状態を想定してみます。
・シーン:できないことがある/できなくてもいいと思っている
・ペルソナ:スマホを嫌がる/新しいことに消極的/新しいことを必要としない人
・目的:できることを増やす

No.19 褒めてもらえる世界を作る。ありがとうをもらえる

これは、実現することによって生きがいを作り出す課題です。
やる気が出ない、生きがいがないとちょっと悪い方向に向いている人が、良い方向に向くための課題ともいえそうですね。
・シーン:絶望している/強い孤独を感じている
・ペルソナ:自分に自信がない人
・目的:嬉しいことが生じる/生きがいを感じる/自信をつける

No.21 老人-シングルマザーの連携支援(ちょっとあまった料理すごくほしいはず)

これは、うまくいけばWin-Winな関係が作れる気がしますね。
料理するのは好きだけど、一人なので消費しきれない(時間がある)高齢者の方と、仕事と子育てで手一杯で、料理をする余裕がないシングルマザーで、お互い助け合うことができると期待されます。
・シーン:料理を余らせている/料理を作る時間がない
・ペルソナ:料理好きの高齢者/働いてるシングルマザー
・目的:融通し合う/情報を共有したい

No.22 時間銀行、ありがとうランキングなどつながりを作る

時間的な余裕を、他の人の助けに使う、という点ではNo.21と近い気がします。
No.21と違うのは、時間を融通することで、時間を有効活用≒タイムパフォーマンス向上の視点が含まれていることでしょうか。
・シーン:暇な状態/忙しい状態
・ペルソナ:世話好きな人/時間に追われている人/タイパ意識のある人
・目的:時間の融通/社会とのつながり/タイパの向上/達成感/相互扶助

No.25 介護で引っ越せざるを得なくなっても、地元の人と繋がれる

これは、地元を離れて遠隔地の家族のお世話になることになった人の課題です。
これまでにお付き合いのあった地元の方々とのつながりが切れるのは、不安や寂しさにつながります。
今まで通りとまではいかないまでも、なんらかのつながりを保持できると心の拠り所となるのではないでしょうか。
・シーン:人の輪に入れない(孤立)
・ペルソナ:被介護者
・目的:親しい人とのつながり

No.26 介護で引っ越せざるを得なくなっても、早くその土地になじめる

No.25と似ているようですが、こちらは引っ越した先の新しいコミュニティへの参加になります。
慣れ親しんだところから、新しい環境へ入っていくのはなかなかに大変なことです。
何かきっかけがあると、スムーズに入っていけるようになるのではないでしょうか。
・シーン:人の輪に入れない(孤立)
・ペルソナ:被介護者
・目的:新しい環境・人とのつながり

状況設定まとめ

個別の課題について、シーン、ペルソナ、目的を設定してみました。
もちろんifLinkオオギリを実施する際に、今回上がったものとは別の設定が出てくるかもしれません。
それはソレでいいんじゃないでしょうか。
アイデア発想の場では、否定しないことも重要なファクターとなります。
あらためて、一覧にしてみましょう。

課題とシーン/ペルソナ/目的

ifLinkオオギリの際は、人数のバランス調整はあるかもですが、メンバーがこの中から自分が解決策を見出したい課題を選択してIF-THENを考えられるようにしたいと思います。

まとめ

ということで、今回でifLinkオオギリ実施の準備ができました。
あとは、リアル/オンラインでifLinkオオギリをやってみるだけですね。
なかなか部のMTGに参加できないメンバーもいますが、可能な限り集まって交流も深めたいと思います。

その前に

でも、その前に部にとって大きなイベントがあります。
なんと、新メンバーが一気に10名以上増えるのです!!
8月末を期限に、ifLinkオープンコミュニティ内で新規メンバーの募集があったのですが、想像以上にメンバーが増えることになりました。
これまで課題出しをしてきた初期メンバーを1期生、新メンバーを2期生として、メンバー交流も兼ねたifLinkオオギリの実施となりそうですね。
新メンバーの自己紹介会をワンクッション入れることになりますが、部の活性化、新しい発想が生まれることを期待しています。


ifLinkオープンコミュニティについて

一般社団法人ifLinkオープンコミュニティは、さまざまな企業・団体に所属する人々が、その垣根を超えてオープンに交流しながら「誰もがカンタンにIoTを使える世界」の実現をめざすコミュニティです。
2020年3月2日に複数企業により設立され、現在100社以上の企業や学校が参加し、IoT機器のifLink規格への対応やIoTソリューションの試作、アイデア発想、マーケティングなどを行っています。
※ifLinkは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の登録商標です。

ISEのifLinkオープンコミュニティでの活動についてはこちらから

#エッセンシャルワーカー #ifLink #ifLinkオープンコミュニティ

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