マンキュー

マンキュー入門経済学(第一部イントロ)

以前から経済学は学んでみたいと考えていたため、授業などでも使うと言われるこの本を読み始めた。部ごとにまとめて書いていきたい

第一章 経済学の十大原理

タイトル通り、10大原理について説明がある。

まず、個人の意思決定に関する原則4つ。
・人々はトレードオフに直面している
・あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である
・合理的な人々は限界原理に基づいて考える
・人々は様々なインセンティブに反応する

次に、人々が相互に影響し合う原則3つ
・交易は全ての人々をより豊かにする
・通常、市場は経済活動を組織する良策である
・政府が市場のもたらす成果を改善できる

最後に、経済全体の機能に関する原則
・1国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している
・政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する
・社会は、インフレと失業の短期トレードオフに直面している

基本的にプロローグで本書で述べる内容の概要になっている章だと思う。

第二章 経済学者らしく考える

経済学者とはなんたるか、どのような用語、方法を使い、経済学を研究していくのかなどの経済に関する基礎的な内容がまとめられている。

科学的方法:観察、理論、そしてまた観察
ニュートンがりんごを観察し、万有引力の発見をしたように経済学者も経済を観察し、理論体系を作り上げ、経済の客観的な見方を考えていく人々である。
ただ、経済学者と科学者の違う点は経済学者は実験が容易ではないという点である。科学者が研究室で何回もトライアンドエラーを繰り返すように経済学者は世の中の経済を勝手気ままに動かし実験はできない。そのため、経済学者は常に世の中の流れや歴史に目を向け、分析する必要がある。

仮定の役割について
物理学者が物事を簡略化して考えるように経済学者も過程をもうけ、簡単な系で持って経済の影響を分析する。この仮定の用い方は物理学者が大きな玉と小さな玉に対する摩擦を考え方が変わってくるように、経済学者も長期的な影響、短期的な影響などの何を調べるのかによって変化する。

経済モデルについて
科学者が人体模型などのモデルを用いるように経済学者も経済に関する簡略化したモデルを作成する。代表的なモデルは以下である
・フロー循環図
・生産可能性フロンティア

ミクロ経済学とマクロ経済学 
ミクロ経済学は家計や企業がどのように意思決定を行い、それらが相互にどのように関わり合うかを研究する学問である。
マクロ経済学は経済全体に関わる現象を研究する学問である

実証的分析と規範的分析

経済に対する社会の意見は主に2つに分けられる。
実証的な主張とは世界がどのようなものであるかを叙述しようとする主張である。
例: 「インフレが起こると物価が上昇するから自分は嫌だな」

規範的な主張とは世界がどうあるべきかを規定しようという主張である。
例: 「企業は内部留保を増やすのではなくもっと賃金を上げて社員に還元すべきだ」

これら二つの主張を考えるときは別の対処法をとることとなる。
実証的な主張にはデータなどで否定が行えるが、規範的な主張にはデータだけではなくその人の価値観などの考え方が介入してくるためである。

一方で、この2つの主張は相互に結びついていることが多く、特に実証的な見方は規範的な見方に影響を与える。経済学は実証的に経済の仕組みを説明するものであるが、経済学を用いる人々はそれぞれが別々の規範的な目標を持っており、経済学者が主張する際、それが必ずしも実証的な主張というわけではない。

なぜ、経済学者の意見は一致しないのか

経済学者の意見が一致しないのは主に2つの理由が存在する。

科学的判断における相違
経済学者はそれぞれの信じた理論で物事を考え、経済学を解き明かそうと考えている。そのため、まだ、研究が未熟で発達していない部分に関しては意見の相違が起き、意見の不一致が発生する。


価値観の相違
何が公正なのか、何が社会に取って最もいいのかは人それぞれにとって異なる。そして、多くの場合、絶対に良いものは存在せず、あらゆるものにはトレードオフが存在する。このようなことから、科学者の価値観の不一致が発生し、意見が一致しないという状況になる。

一方で、経済学者のほぼ全員が一致した考えを持っている政策提言も存在する。

第三章 相互依存と交易からの利益

絶対優位と比較優位

優位性には絶対優位と、比較優位が存在する。

例えば、Aさんがチャーハン1つを10分で作れるのに対し、Bさんが15分かかるのであれば、AさんはBさんに対し、絶対優位を持っていると言える。

上記の考えには機会費用の考慮が欠落している。
機会費用というのはそのものを獲得するために諦めたもののことである
例えば、上記の考えにAさんは焼きおにぎり1つを5分で作れ、Bさんは10分で作れるという項目を付け加えてみる。この時、それぞれの機会費用を考えてみると以下のようになる


・Aさんのチャーハン一つの機会費用: 焼きおにぎり2つ
・Aさんの焼きおにぎり一つの機会費用: チャーハン1つ
・Bさんのチャーハン一つの機会費用: 焼きおにぎり2/3つ
・Bさんの焼きおにぎり一つの機会費用: チャーハン3/2つ
※なお、チャーハン1つのグラム数および焼きおにぎり1つのグラム数はA、Bどちらも同一とする。


この時の比較優位とはこの機会費用の大小がどうなっているかに依る
Aさんはチャーハンを1つ作るのに焼きおにぎり2個分の機会費用を払うが、Bさんは2/3個ですむ。一方で、Bさんは焼きおにぎりを1つ作るのにチャーハン3/2個分の機会費用が必要であるが、Aさんは1個ですむ。つまり、チャーハンに対してはBさんがAさんよりも比較優位を持っており、焼きおにぎりに関してはAさんがBさんよりも比較優位を持っていることになる。

比較優位と交易

機会費用はもう1つのものの逆数になるため、二人が全く同じ機会費用を持っていない限り、1人が1つの財において比較優位をもち、もう1人はもう一方の財について比較優位を持つ。

この関係から、交易を行うことで各人が比較優位を持っている活動に特化することができ、社会全体に利益をもたらすわけである。


とりあえず、一部をまとめてみた。
結構省いた部分も多いけど、意外に大変だな、この作業…。最後まで纏められればいいが…





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