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くだらない超ショートショート

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#オリジナル小説

メビウスの輪(仮)

メビウスの輪(仮)

外を見ていた。
雨が降ってきたので私は窓を閉める。刹那にスライドする窓の隙間から冷たい冷気が部屋に入り込んできた。
コーヒーを飲んだ。

強くなっていく雨が、心地の良い音楽を奏でている。
ああ、全く何も思い浮かばない。締め切りは明日に迫っている。

始まりは三ヶ月前のことである。私が駅から家への帰り道を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「そこのお方」
私が振り向くと、そこにはシルクハットに燕

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世代就活

世代就活

就活を初めてから、もう半月がたった。
これまで、多くの企業説明会に参加し、将来のことを考え奔走してきた。
そして、今日3月16日は第一志望の会社の一次面接、僕は現在、面接の待合室のソファに腰掛けている。
心の中で、何度も考えてきた言葉を反芻する。大丈夫だと言い聞かせ、心を落ち着かせる。
ノックの音がなった。
どうやら僕の番が来たようだ。採用担当のお姉さんに面接室の前の廊下に案内される。
「ご自分の

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中学生、高校生の時に書いたショートショート―走馬燈、流星群、未来的金の斧銀の斧―

中学生、高校生の時に書いたショートショート―走馬燈、流星群、未来的金の斧銀の斧―

走馬灯と流星群は中学生の時書いた。
走馬燈は、ありがち。面白くない。流星群はどちらかというとなぞなぞ。あまりうまくはないし、意図がわかりづらい。
未来的金の斧銀の斧は高校生の時書いた。
まあ、意味がわかるかはその人次第(化学的知識が必要かもしれない、細かいことには突っ込むな)

走馬燈チャイムが鳴ったので玄関のドアを開けるとスーツ姿の男がいた。
「こんにちは。例のものを届けにきました」
男はそう言

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