保険の必要性
あんた、今回はわいが昔から信じてた「遠い未来の葬式代を準備するには終身保険」という考えが間違いやったていうことについて話すけんね。
人間はいつかは死ぬもんやろ。そのときに葬式をするけん、葬式代は必ず必要になるわけやな。期間の決まっとる定期保険じゃ、期間内に死なんかったら葬式代は準備できんことになる。ならば、期間の決まっとらん終身保険で準備しようてなるんや。それに、いつか確実に受け取る保険金に対して支払う保険料は少ないけん、葬式代を準備するには最適やと考えてたわけたい。
わいが保険商品を売り始めたのは27年前やった。そのときに終身保険を買うんやなくて、株式投資信託とかで運用しとったらどうなっとったかていうと、保険金よりもはるかに高いリターンになっとる。例えば、24年前に100万円をある投資信託商品に運用し始めとったら、今は1500万円超(各種手数料を引く前)になっとる。これまでに100万円が1500万円になるようなパフォーマンスの終身保険はないっちゃね。しかも24年経っても生きとるとしたら、この金額になっとるわけやな。
そしたら、終身保険を買うんやなくて、投資信託でお金を増やせば、この時点で当初見込んでいた葬式代は準備できとるっちゅうことになる。それどころか、医療保険での給付金の期待収益も既に得られとるけん、医療保険も不要やっちゅうことたい。
ただし、この話はこれまでに葬式代が必要な状況が起こらんかったけん、投資信託を取り崩さずに運用できたけん成立する話たい。例えば、葬式代として300万円を準備する必要があるとして、100万円を投資してすぐに死んで葬式代が必要になった場合には、投資した100万円しかなくて、200万円足りん(価格が下がっとる場合はその分も足りん)っちゅうことになる。そしたら、10年間の定期保険200万円の死亡保険を買っとったら、運用している100万円と保険金200万円で300万円の葬式代が準備できとったっちゅうことになる。
この考え方からすると、株式投資信託の運用商品と生命保険は、葬式代として準備する金額から投資信託を買う金額を引いた金額を10年定期保険でカバーする。投資信託の残高が葬式代の金額になれば、定期保険を解約する。10年でその金額まで増えていなければ、定期保険を自動更新して、目的の金額になるまで待つ。例えば、投資信託を毎月1万円ずつ積み立てながら運用する方法なら、残高は毎月1万円ずつ、年間12万円ずつ増えていく(運用パフォーマンスによる増減を加味せん場合)。生命保険は300万円から年間12万円ずつ減っていく逓減定期保険を買うっちゅう理論になる。
投資信託は価格が変動するもんやけん、過去はそうやったとしても、必ずしも未来もそうなるとは限らんけん、終身保険の方が安全で効果的やっちゅう考え方もあるかもしれん。でも、投資運用理論を学ぶと、遠い未来のお金を増やすには株式投資信託と、短期間の死亡保険金は10年定期保険や逓減定期保険、この2種類の金融商品の組み合わせが葬式代を準備するには最適やっち思うわけたい。
そしたら、満期期間の長い変額養老保険を買えば死亡保険と投資信託を両方買っとることになるけん、それでええっちゅう人もおるばってん、わいらの研究と計算では、やっぱり別々に買った方が効果的やっち言える。変額養老保険は危険保険料と貯蓄保険料の組み合わせや。変額保険の危険保険料部分には非喫煙割引なども含まれん。収入保障保険ならそれらの割引もある。貯蓄保険料分も変額保険では限られた銘柄しか選べんばってん、投資信託ならあらゆる商品から選べるけんね。
わいの過去の過ちからわかったこと、葬式代を準備するには、終身保険(変額終身保険を含む)ではなく、株式投資信託+10年定期(逓減定期)保険が最適やっち思うわけたい。
※営業保険料=契約者が保険会社に支払うお金
営業保険料=準備保険料+付加保険料
純保険料=貯蓄保険料+危険保険料
貯蓄保険料=(円建)定額保険は国内債券、ドル保険は米国債券、変額保険で株式を選んだ場合は株式
付加保険料=新契約費+維持費+集金費
変額保険には基本保険金を保証するためのコストが別途かかる。変額年金にはこれはない。