インフレ

うちのおじいちゃん、夕飯のときにいつもお金のことや仕事のこと、いろいろ教えてくれてたんや。そんな中で、12歳の時や、46年前の話やけど、おじいちゃんが「今日な、50円返しに来た」って言うたんや。で、「え、おじいちゃん、それなんの話?」って聞いたら、「いや、今から40年くらい前に、ある人に50円貸したんや」って言うねん。そのときは昭和16年や。ほんで、その人が今日50円返しに来たんやけど、おじいちゃんええ人やねって言うたら、「お前はアホか」って怒られてな。「50円やったら、電車賃200円以上かけて返しに来んでもええやん」って話やねん。

おじいちゃんが「今50円で何が買えるんや?」って聞いてきたんや。ワイは「消しゴムや」って答えたんやけど、おじいちゃんが「昔は50円でちょっとした土地が買えたんやで」って教えてくれたんや。物価が上がるってことや。物の値段が上がると、お金の価値が下がっていくんや。それをインフレって言うんやで、とおじいちゃんが教えてくれたんや。物価が上がるとお金の価値が下がるってことや。おじいちゃんはこの話でインフレを教えてくれたんや。

それで、おじいちゃんが言うには「借金の価値も下がるんや」と。例えば、住宅ローンの繰上げ返済とか、そういうときにお金の価値が減るから、繰上げ返済より運用に回した方がええって話や。借金の価値が減るってことを理解しとると、物価が上がるってことがよく分かるで。

日本は物価が上がらんようにして、給料も上がらんかったから、日本と外国の格差が開いたんや。外国は物価が上がるから給料も上がるんやけど、日本は物価が上がらんようにしたから、給料も上がらんかったんや。

だから、日本では物価が上がるのを見たことない人も多いんやけど、これからは上がるから注意せなあかんで。お金の価値が下がるから、普通預金にお金を預けとるだけでは意味がないんや。物価が上がっていくのに対して、普通預金はお金が減っていくんや。物価を上げないようにするのは、もうコントロールできへんから、投資や運用を考えた方がええんや。

いいなと思ったら応援しよう!