保険で節税はできない
あなたが説明している理屈は、生命保険の解約返戻金と法人税の関係について、節税目的で保険を活用する際に損をする理由を明確にしています。以下にその考え方を整理してみます。
### 1. **法人税の実効税率が34%の場合**
法人税の実効税率が34%であると仮定します。つまり、100円の所得に対して34円の法人税がかかることを意味します。これを前提に、保険料の支払額と損金算入額、そして解約返戻率の関係を考えます。
### 2. **損金算入と解約返戻率の関係**
例えば、支払保険料の40%が損金として算入できる生命保険に加入した場合、その分だけ課税所得が減少し、法人税の負担が軽減されます。しかし、節税効果を考慮する際、以下のような点が重要です:
- **解約返戻率が高ければ損をする**
損金として計上できるのは支払保険料の40%であり、これに対して保険契約を解約した際の返戻金がある程度の割合で返ってきます。仮に解約返戻率が86%以上の場合、受け取る返戻金が大きくなり、結果として節税効果が薄れます。つまり、受け取る解約返戻金が多ければ、節税のメリット以上に税金がかかるため、トータルで損をすることになります。
- **解約返戻率が低くても損をする**
一方で、解約返戻率が低く(85%以下)なれば、損金算入のメリットを享受できる可能性がありますが、返ってくる金額が小さいため、支払った保険料の一部が事実上無駄になる可能性があります。節税額と解約返戻金を差し引いても損失が生じるため、結果として損をするリスクがあります。
### 3. **結論:必ず損をする理由**
法人税の節税目的で生命保険に加入する場合、解約返戻率が高くても低くても、最終的には損をすることが多いのです。返戻率が高ければ税負担が増し、低ければ返戻金が少ないため、どちらにしても、保険料の支払いと節税効果を天秤にかけると、費用対効果が低くなるため、最終的に損をするということになります。
### 4. **その他の考慮点**
加えて、解約返戻率が85%以下の保険に加入するための条件が厳しい、あるいは保険料が高額になることが多く、そのために大きな資金が必要となります。このような状況下では、節税を目的にするよりも、資金の運用方法を他に考える方が合理的かもしれません。