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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
ごっくん、言葉を飲む僕と「なんで言わないの?」と尋ねる君
話を始める前に、僕の性別について。
僕は「女性」だ。
一人称が「僕」と「私」の時があるので
混乱させて申し訳ない。
「なんで言わないの?」
友人は僕に尋ねた。
(シャンプーしただけで褒めてくれる友人)
僕は気泡緩衝材が好きだ。
僕の友人も
気泡緩衝材が好きらしい。
そのことを知った僕の友人は、
「いえ好き」
と、僕に言った。
僕の友人は嬉しかったのだろう。
こんなところに
共通点が転がっていたことが。
僕は嬉しかった。
僕は頭の中で
とても喜んでいた。
僕は喜んだあとに
嬉しい気持ちを
ごっくんと飲んだ。
僕の友人は喜んだあとに
嬉しい気持ちを
僕に伝えた。
僕は言った。
「僕も同じこと思った」
「君がぷちぷち好きで嬉しかった」
「君がそれを言ってくれて、嬉しかった」
「なんで言わないの?」
友人は僕に尋ねた。