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Photo by
ピエール=オーギュスト・ルノワール / メトロポリタン美術館
口紅とネイル。「何色にしよ?」迷ったら、僕は体から色を選択する
話を始める前に、僕の性別について。
僕は「女性」だ。
一人称が「僕」と「私」の時があるので
混乱させて申し訳ない。
僕は爪の色に悩む。
季節やオケージョンに合わせて
変化させるのが好きなのだ。
春には桜色
夏には水色
秋には橙色
冬には白や赤
そんな風にして
足や手の爪の色を変えて
楽しむ。
僕は唇の色に悩む。
その日のイメージや
オケージョンに合わせて
変化させるのが好きなのだ。
女王様の日は
緊張感のあるマットな赤
犬の日は
崩れにくいヌードカラーのティント
仕事の日は
柔和な印象を与える優しいピンク
それでも時々、
色が決められない日がある。
そんな時、僕は
自分の体の中から色を選ぶ。
歯茎、目の粘膜、血液、
お股周辺、乳首、舌、喉奥
歯茎は
白とローズピンクのグラデーション
目の粘膜は
鉄分不足の白っぽいピンク
血液は
ビロードのような奥深い赤
お股周辺は…
モンゴロイドらしい…
これ以上は…
言えやしない
乳首は
いちじくの中のような赤みブラウン
舌は
オレンジのトーンが混ざった明るい赤
グロテスクに蠢く喉奥は、
ざくろのような赤
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何色に見える?